IFA2011グローバル・プレスカンファレンス
サムスンのスマートTVや3D新戦略に注目 ー フィリップス/パナソニックなどがプロダクト展示を開催
パナソニック「VIERA Connect」のサービス/シャープのAQUOS QUATTRON
パナソニックはドイツの現地法人がブースを出展、ドイツで展開する3Dテレビやビデオカメラによる「3D World」の紹介と、インターネットサービス「VIERA Connect」(関連ニュースリリース)のデモを行っていた。
会場にはヨーロッパで3月から発売されたプラズマテレビの最新フラグシップモデル「VT30シリーズ」の50V型を展示。「VIERA Connect」は今年1月のInternational CESで発表されたサービスと同じ、クラウド型のテレビ向けインターネットサービス。日本モデルでは「テレビでネット」に相当するものだ。ユーザーインターフェースなど使い勝手を共有しながら、ヨーロッパ独自のVODチャンネルなどが用意されている。
パナソニックの独自開発によるプラットフォームを搭載し、テレビ用アプリは追加・削除しながらカスタマイズも可能。3次元GUIを装備し、奥に進んだり手前に戻ったりしてページを移動すると、表示されるアプリが切り替わる。
VODコンテンツはヨーロッパの各地域ごとにローカライズされたものが提供されるほか、Skypeによるビデオ通話やYouTube動画の再生が楽しめる。ヨーロッパではヘルス&フィットネス機器、ゲームコントローラーなどの機器を購入できるオンラインショッピング機能「VIERA Connect Market」も展開され、デモも行われていた。3Dコンテンツについては、昨年ヨーロッパでフランスの放送局「EURO SPORT」との協業により「ローラン・ギャロ」や「USオープンテニス」など、テニスのメジャー大会の模様が3Dで放送された番組のリピート放送も楽しめる(関連ニュース)。
3Dのデモは、ヨーロッパでもVIERAの購入ユーザー限定で提供されている映画「アバター」のBlu-ray 3D再生や、ビデオカメラ、デジタルカメラで撮影したオリジナルの3Dコンテンツが視聴できる体験コーナーが設けられていた。
シャープは液晶テレビ“AQUOS QUATTRON”のヨーロッパモデル60V型「LC-60LE925E」を用意。アクティブシャッター方式の専用メガネで3Dコンテンツの再生が体験できた。またEU諸国で今年の11月から、テレビにも表示義務が加わる「EU Energy Label」の基準で、本機が最も高いAランクの評価を取得していることも、パネルを使ってアピールされている。
台湾メーカーHANNSpreeのAndroidタブレット
台湾に拠点を置くHANNSpreeは、今回初めてIFAプレスカンファレンスのスポンサーとして出展し、注目を集めていた。自社開発による液晶パネルを技術を核に、コンシューマー向けの液晶テレビやタブレット端末などモバイル機器を、オリジナルブランド「HANNSpree」で展開。ヨーロッパやアメリカ、本国台湾の各地域で販売している。また別途「HANS・G」のブランドネームでパソコン用の液晶ディスプレイも商品ラインナップを持つ。
今回のイベントで注目を集めていたのが、HANNSpreeブランドのタブレット端末「HANNSpad SN10T1」だ。Android OS 2.2を採用しており、10.1型、1,024×600画素の液晶パネルはマルチタッチ操作に対応している。ARMの1GHzデュアルコアCortex A9プロセッサー、NVIDIAのTegra IIグラフィックスエンジンをそれぞれ搭載。1080p動画のスムーズな再生が楽しめるという。本体には16GBの内蔵メモリーを備えるほか、SDメモリーカードスロットやHDMI端子も搭載する。ヨーロッパでは3月から発売されており、価格は379ユーロ。会場には本機の開発ノウハウを活かして、さらに薄型化を図ったタブレット端末のプロトタイプモデルも出展されていた。
液晶テレビやデジタルフォトフレームのラインナップには、リンゴやサッカーボール、動物などを象ったデザインフレームを採用するユニークなモデルも商品化されている。サッカーボールのかたちをした「HANNSsoccor」はフルHDパネル搭載の55V型も商品化されており、同社では「まるでピッチにいながら試合を観戦しているような、臨場感が味わえるテレビ」として紹介している。