全国500店舗で体験展示を実施
“シースルー”であることの魅力を活かした用途を提案する − エプソン“MOVERIO”発表会レポート
セイコーエプソン(株)とエプソン販売(株)は9日、シースルー表示対応の3Dヘッドマウントディスプレイ“MOVERIO”(関連ニュース)を発表し、都内で新製品記者会見を開催。新製品のコンセプトや、搭載された独自の技術に関する説明を行った。
“シースルー”であることの魅力を活かした多彩な用途を提案していく
はじめにエプソン販売(株)代表取締役社長の平野精一氏が登壇し、新製品“MOVERIO”を紹介。本機はエプソンの光学系をはじめとした先端技術を結集してつくりあげた重要な製品であるとし、「ホームプロジェクターのラインナップと合わせて、大画面エンターテインメントの世界を広げていく製品に位置づけていく」と宣言した。
本機のコンセプトは、映像など様々なコンテンツを“場所”と“時間”の制約にとらわれず、自由に楽しめる製品であることだという。ビュワー部がシースルーであることも大きな特長であり、「これを上手に活かして、シュミレーションディスプレイやリアル&バーチャルナビなど、プロフェッショナル用途にも新しい提案を投げかけて行きたい」と平野氏は説明を続けた。平野氏は今後、ホームとビジネス用途に展開するプロジェクター製品とともに、“MOVERIO”の用途をビジネスとエンターテインメントの両翼に広げながら、全ての大画面映像のソリューションをエプソンが提供していくと意気込みを語った。
“シースルー”であることの魅力を活かした多彩な用途を提案していく
続いてセイコーエプソン(株)ビジュアルプロダクツ事業部 副事業部長の森山佳行氏が“MOVERIO”の製品説明を行った。
“MOVERIO”の商品としての最大の魅力は、シースルー表示を実現したことで、家の中だけでなく、外出先でも大画面映像が楽しめる製品であることだと語る森山氏は、「これまでにも幾つかのヘッドマウントディスプレイが商品化されてきたが、装着してしまうと周囲の環境が見えなくなるクローズドタイプだったため、ユーザーからはポータブルで使うのは不安という声が多かった。またコンテンツを楽しむためには別途再生機器が必要だったことも、それらの使い勝手を悪くしていた。“MOVERIO”は当社独自の光学技術により、装着時にも周囲の環境が見られて、スタンドアローンで映像再生やWebが楽しめることから、従来のヘッドマウントディスプレイが持っていた課題を解決した商品だ」と説明を続けた。
シリーズ名の“MOVERIO”には、「Move(移動)」「Mover(移動する人)」「Movie(映画)」という意味がかけられており、移動の際にも高画質で映画などを楽しめるというコンセプトが込められている。また「IO」の語には、Input/Outputといった「インターフェース」の意味合いや、パブリックな環境と、パーソナルな環境をつなぐものとしての意味が加わる。さらに「Mover」という単語には、「ものを動かす人」「原動力」「発起人」という意味があることから、エプソンが市場の新たな動きをつくり、トレンド創出と市場拡大を牽引していくという意気込みもそこに込められているという。
“MOVERIO”の商品化実現には、エプソンの多様な先進技術が活かされていると森山氏は語る。具体的にはプロジェクター製品の開発で培った光学設計技術や、プリンター開発における高精度成形技術、超小型・高精細マイクロディスプレイ技術や、ディスプレイ・プリンティングで築き上げてきた画像処理技術が、そこに結集されている。
森山氏は“MOVERIO”の発売後、本機の“シースルー”と“ハンズフリー”のメリットをアピールしながら、コンシューマーからビジネス用途にも様々な活用シーンを提案していきたいと意気込みを述べた。
全国500店舗で“MOVERIO”体験展示を実施:「3Dプロジェクター1万人体験イベント」にもお目見え
新製品の販売戦略については、エプソン販売(株)取締役 販売推進本部長の中野修義氏が説明を行った。
“MOVERIO”のターゲットについては3つのユーザー像を想定しているという。一つめの「家やホテルで自由に大画面」を楽しみたいユーザーについては、プロジェクターで大画面が投写できない環境でも本機で“大画面”が楽しめるメリットや、プロジェクターの大画面は家族など大勢で楽しむものであるならば、本機は「個人で楽しめる大画面」である独自性についてもアピールしていくという。
二つめの「公共交通機関での移動中に大画面」を楽しみたいユーザーには、シースルーであることから、移動中に周囲の環境を確認しながら、バスや電車の中などでも安心して大画面を楽しめるメリットを提案する。また三つめとなる「移動中にビジネス資料などを確認」したいユーザーについては、のぞき見される心配がなく、ビジネス資料を安心して確認できる魅力を強調した。
本機の主な販売チャンネルとして、同社が想定しているのは家電量販店、インターネット通販、交通系カタログ通販などであるという。販売比率については約50%を家電量販店で売上げる予測を立てている。プロモーションのキーワードは「いつでも、どこでも、大画面」。シースルー/3D/Androidプラットフォームへの対応を魅力として訴求していく。
商品のイメージキャラクターには女優の黒木メイサさんを、同社のプリンター“COLORIO”に引き続き起用する。「黒木さんのスタイリッシュでアクティブなイメージが、“MOVERIO”で打ち出していきたいイメージにピタリとマッチした」のだという。発表会場では黒木さんのビデオメッセージも上映され、「初めてMOVERIOを体験した時には、目の前に浮かび上がるきれいな映像に驚いた」とコメントを寄せた。
“MOVERIO”は11月25日より発売されるが、今後、全国500店舗の家電量販店店頭には本機の体験スペースが用意される予定だという。また同社の最新3Dプロジェクター“ドリーミオ”が体験できる「3Dプロジェクター1万人体験イベント」でも、現在日本列島を縦断しながら開催されている「全国キャラバン」をはじめとしたイベント会場に“MOVERIO”の展示が予定されている。中野氏は「可能な限り、多くの方々にMOVERIOの魅力を体験していただきたい」と語る。本機の今後1年間での国内販売目標台数は1万台であるという。
平野氏、森山氏からも語られた“MOVERIO”のビジネスマーケットへの展開については、中野氏も「製品の特徴をしっかりと活かした上で、様々なマーケット開拓の可能性を検証していきたい」とコメントする。イメージとしては「新幹線のグリーン車での貸し出しや、病院の入院患者への貸し出しなどが有り得るのではないだろうか。また、マニュアルや図面を見ながらの作業支援や、本機で料理番組のコンテンツを見ながら料理をつくるといった活用方法も考えられるだろう」とした。
本日の新製品発表会にはエプソン・ナカジマレーシングの総監督をつとめる中嶋悟氏も駆けつけた。中嶋氏は“MOVERIO”を体験した際の感想について触れ、「車載カメラで撮影した映像をMOVERIOで体験してみたが、驚くほどの迫力だった。ドライブシュミレーター的な楽しみ方ができたら面白いのではないだろうか」と期待を込めて語った。
【問い合わせ先】
エプソン 液晶プロジェクター インフォメーションセンター
TEL/050-3155-7010
“シースルー”であることの魅力を活かした多彩な用途を提案していく
はじめにエプソン販売(株)代表取締役社長の平野精一氏が登壇し、新製品“MOVERIO”を紹介。本機はエプソンの光学系をはじめとした先端技術を結集してつくりあげた重要な製品であるとし、「ホームプロジェクターのラインナップと合わせて、大画面エンターテインメントの世界を広げていく製品に位置づけていく」と宣言した。
本機のコンセプトは、映像など様々なコンテンツを“場所”と“時間”の制約にとらわれず、自由に楽しめる製品であることだという。ビュワー部がシースルーであることも大きな特長であり、「これを上手に活かして、シュミレーションディスプレイやリアル&バーチャルナビなど、プロフェッショナル用途にも新しい提案を投げかけて行きたい」と平野氏は説明を続けた。平野氏は今後、ホームとビジネス用途に展開するプロジェクター製品とともに、“MOVERIO”の用途をビジネスとエンターテインメントの両翼に広げながら、全ての大画面映像のソリューションをエプソンが提供していくと意気込みを語った。
“シースルー”であることの魅力を活かした多彩な用途を提案していく
続いてセイコーエプソン(株)ビジュアルプロダクツ事業部 副事業部長の森山佳行氏が“MOVERIO”の製品説明を行った。
“MOVERIO”の商品としての最大の魅力は、シースルー表示を実現したことで、家の中だけでなく、外出先でも大画面映像が楽しめる製品であることだと語る森山氏は、「これまでにも幾つかのヘッドマウントディスプレイが商品化されてきたが、装着してしまうと周囲の環境が見えなくなるクローズドタイプだったため、ユーザーからはポータブルで使うのは不安という声が多かった。またコンテンツを楽しむためには別途再生機器が必要だったことも、それらの使い勝手を悪くしていた。“MOVERIO”は当社独自の光学技術により、装着時にも周囲の環境が見られて、スタンドアローンで映像再生やWebが楽しめることから、従来のヘッドマウントディスプレイが持っていた課題を解決した商品だ」と説明を続けた。
シリーズ名の“MOVERIO”には、「Move(移動)」「Mover(移動する人)」「Movie(映画)」という意味がかけられており、移動の際にも高画質で映画などを楽しめるというコンセプトが込められている。また「IO」の語には、Input/Outputといった「インターフェース」の意味合いや、パブリックな環境と、パーソナルな環境をつなぐものとしての意味が加わる。さらに「Mover」という単語には、「ものを動かす人」「原動力」「発起人」という意味があることから、エプソンが市場の新たな動きをつくり、トレンド創出と市場拡大を牽引していくという意気込みもそこに込められているという。
“MOVERIO”の商品化実現には、エプソンの多様な先進技術が活かされていると森山氏は語る。具体的にはプロジェクター製品の開発で培った光学設計技術や、プリンター開発における高精度成形技術、超小型・高精細マイクロディスプレイ技術や、ディスプレイ・プリンティングで築き上げてきた画像処理技術が、そこに結集されている。
森山氏は“MOVERIO”の発売後、本機の“シースルー”と“ハンズフリー”のメリットをアピールしながら、コンシューマーからビジネス用途にも様々な活用シーンを提案していきたいと意気込みを述べた。
全国500店舗で“MOVERIO”体験展示を実施:「3Dプロジェクター1万人体験イベント」にもお目見え
新製品の販売戦略については、エプソン販売(株)取締役 販売推進本部長の中野修義氏が説明を行った。
“MOVERIO”のターゲットについては3つのユーザー像を想定しているという。一つめの「家やホテルで自由に大画面」を楽しみたいユーザーについては、プロジェクターで大画面が投写できない環境でも本機で“大画面”が楽しめるメリットや、プロジェクターの大画面は家族など大勢で楽しむものであるならば、本機は「個人で楽しめる大画面」である独自性についてもアピールしていくという。
二つめの「公共交通機関での移動中に大画面」を楽しみたいユーザーには、シースルーであることから、移動中に周囲の環境を確認しながら、バスや電車の中などでも安心して大画面を楽しめるメリットを提案する。また三つめとなる「移動中にビジネス資料などを確認」したいユーザーについては、のぞき見される心配がなく、ビジネス資料を安心して確認できる魅力を強調した。
本機の主な販売チャンネルとして、同社が想定しているのは家電量販店、インターネット通販、交通系カタログ通販などであるという。販売比率については約50%を家電量販店で売上げる予測を立てている。プロモーションのキーワードは「いつでも、どこでも、大画面」。シースルー/3D/Androidプラットフォームへの対応を魅力として訴求していく。
商品のイメージキャラクターには女優の黒木メイサさんを、同社のプリンター“COLORIO”に引き続き起用する。「黒木さんのスタイリッシュでアクティブなイメージが、“MOVERIO”で打ち出していきたいイメージにピタリとマッチした」のだという。発表会場では黒木さんのビデオメッセージも上映され、「初めてMOVERIOを体験した時には、目の前に浮かび上がるきれいな映像に驚いた」とコメントを寄せた。
“MOVERIO”は11月25日より発売されるが、今後、全国500店舗の家電量販店店頭には本機の体験スペースが用意される予定だという。また同社の最新3Dプロジェクター“ドリーミオ”が体験できる「3Dプロジェクター1万人体験イベント」でも、現在日本列島を縦断しながら開催されている「全国キャラバン」をはじめとしたイベント会場に“MOVERIO”の展示が予定されている。中野氏は「可能な限り、多くの方々にMOVERIOの魅力を体験していただきたい」と語る。本機の今後1年間での国内販売目標台数は1万台であるという。
平野氏、森山氏からも語られた“MOVERIO”のビジネスマーケットへの展開については、中野氏も「製品の特徴をしっかりと活かした上で、様々なマーケット開拓の可能性を検証していきたい」とコメントする。イメージとしては「新幹線のグリーン車での貸し出しや、病院の入院患者への貸し出しなどが有り得るのではないだろうか。また、マニュアルや図面を見ながらの作業支援や、本機で料理番組のコンテンツを見ながら料理をつくるといった活用方法も考えられるだろう」とした。
本日の新製品発表会にはエプソン・ナカジマレーシングの総監督をつとめる中嶋悟氏も駆けつけた。中嶋氏は“MOVERIO”を体験した際の感想について触れ、「車載カメラで撮影した映像をMOVERIOで体験してみたが、驚くほどの迫力だった。ドライブシュミレーター的な楽しみ方ができたら面白いのではないだろうか」と期待を込めて語った。
【問い合わせ先】
エプソン 液晶プロジェクター インフォメーションセンター
TEL/050-3155-7010