エプソン、“ピタッと補正機能”搭載のプロジェクター入門機「EH-TW400」を発売

セイコーエプソン（株）とエプソン販売（株）は14日、「EH-TW400」をはじめとする液晶プロジェクター新製品の記者発表会を都内で開催した。冒頭、エプソン販売（株）取締役 販売推進本部長の中野修義氏が登壇し、「EH-TW400」のコンセプトを紹介した。

中野氏は同社プロジェクターラインナップでのEH-TW400の位置づけについて、「ホームシアターのローエンド市場を開拓すると同時に、ビジネス市場においてもWXGAモデルの低価格機としての魅力をアピールしていく」と説明。同社の調査で、ビジネスプロジェクター“Offirio”シリーズ「EB-W12」「EB-S12」などのスタンダードモデルが、低価格なホームプロジェクターを求めるユーザーニーズにフィットしていることがわかったとし、中野氏は「WXGAクラスなら十分ホームシアターで楽しんでもらえることがわかった。HDMI搭載機としての魅力もアピールし、プロジェクターの市場を、本機を核としてさらに拡大させたい」と意気込みを語った。

続いてセイコーエプソン（株）ビジュアルプロダクツ事業部 副事業部長の森山佳行氏が登壇し、今回発表した新製品を紹介した。今回の記者発表では、ビジネスプロジェクター“Offirio”シリーズの新製品6機種が発表された。

文教現場での使用をターゲットにした壁掛け型の超単焦点モデルは電子黒板機能を一体化した「EB-485WT」「EB-480T」が新たに加わる。上位機の485WTは解像度がWXGA、明るさが3100ルーメン。内蔵スピーカーの出力は16W。最短18.7cmの投写距離で80型の画面サイズを実現し、天井の低い場所での設置にも対応する。通常のプロジェクターと同様、デスクトップへの設置やテーブルへの画面投写にも対応し、レイアウトの自由度も高めた。

また電子黒板機能については、PCへのドライバーのインストールを必要とせず、すぐに電子黒板として使い始めることができる。オートキャリブレーション機能や解像度の自動認識機能も新たに設け、セットアップも素速く行える。本体付属の電子ペンをマウスとして使用して、クリックやドラッグなど投写画面上でPC操作が可能。書画カメラやBDプレーヤーなどとの接続時にも、投写画面上に文字や図形を直接書き込める。またPCとの接続時には「マルチペン」に対応し、画面に映し出された映像に2人同時に書き込んだり、マウス操作が行える。

「EB-435W」「EB-430」は“Offirio”シリーズの超単焦点モデル。435Wは、83cmの距離でワイド80型の画面投写に対応する。タテヨコの手動台形歪み補正機能も搭載し、設置性も高めた。明るさは従来機である「EB-410W」の2000ルーメンから、新製品では3000ルーメンに向上し、明るい部屋でも見やすい映像を実現している。本体内蔵スピーカーの出力も10Wから16Wに強化。背面には2系統のオーディオ入力とマイク端子、HDMI端子も設けている。いずれのモデルも無線LANユニット「ELPAP07」「ELPAP03」を本体に接続することで、PCなどと無線接続が行える。

またエプソン“Offirio”シリーズのプロジェクターにiPhone/iPad/iPod touch内のプレゼンテーション資料や写真などをインターネット経由で転送できるアプリ「Epson iProjection」も発表された。

本アプリは1月5日よりAppStoreで無償提供が開始される予定で、動作環境はiOS 4.2以上。本日発表された新製品「EB-485WT」「EB-435W」をはじめ“Offirio”シリーズのプロジェクター30機種に対応している。エプソンではプロジェクターとiPad/iPhoneなどを活用した大画面プレゼンテーションなどへの活用を提案。映像ソースの切り替えや音量調整など、プロジェクターのリモコン操作もアプリから行える。ドキュメント転送に対応するファイル形式はWord/Excel/PowerPoint/Keynote/PDF。画像転送はJPEGとPNG。

今回発表の新製品に関する販売戦略は、エプソン販売（株）VIMD部 部長の久保厚氏が説明を行った。

「EH-TW400」の展開については、ホームとビジネスの両方のフィールドで新規のプロジェクターユーザー獲得を目指す。本機についてはホームプロジェクターの“dreamio”、ビジネスプロジェクターの“Offirio”のどちらのシリーズにも属さないモデルだが、同社プロジェクター製品のカタログには両方のカテゴリーに掲載し、積極的に魅力をアピールしていく考えであるという。

超単焦点系のプロジェクターについては、文教現場やプレゼンテーションの新しいかたちを提案する。各現場における「大画面の有効性」をアピールするため、同社ショールームにおける常設展示や、営業スタッフによる訪問デモなどのプロモーションにも注力していくという。

エプソンでは今後、明るく高精細な画面表示、優れた設置・操作性などの魅力をアピールしながら、本日発表の製品を含むプロジェクター製品のラインナップで、さらなる販売台数・シェアの増加を図るとともに、プロジェクター市場の拡大を目指していく。


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