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テレビ事業などについて語る

ソニー、平井新CEOとストリンガー氏が会見 − 新体制での重点施策4点を発表

公開日 2012/02/02 20:50 ファイル・ウェブ編集部
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また、商品力強化という観点からはCrystal LED Displayや有機ELディスプレイを例に挙げ、「価格価値を創造できる商品を開発していく」とした。

会見の様子

テレビ事業についてはメディアからも質問が集中。「選択と集中に聖域は設けないのか。テレビ事業の撤退もあり得るのか」などといった質問が出た。

同質問に対しては「S-LCD事業の合弁解消など様々な施策を実行中だ。これから軌道修正しなければいけないものが出てくれば当然見直す。リアルタイムでどんどん変革していかなければならない」とコメント。「現時点では考えてないが」と断った上で、「他社との協業などがオプションとして出てくるのであれば検討する価値はあるのではないか」と回答した。

また「テレビ事業にここまで強くこだわるのはなぜか、付加価値のある商品づくりをどう行っていくつもりなのか」という質問もあった。

これに対しては「テレビは様々なコンテンツのアウトプットデバイスとして非常に重要な商品。ソニーのあらゆる商品、サービスを楽しんでいただくための非常に重要な位置を占めている商品」だとし、「こうした商品について、簡単に撤退するだとか縮小するといったことは、お客様に対してソニーの体験を楽しんでいただくためのものが失われてしまうことを意味する。大変重要な領域なので、商品力強化を行いながらコストを見直し、組み合わせることでお客様に評価していただけるテレビを出し、損失を出さないようにしていかなければならない」と語った。

■「改革を躊躇する猶予は我々に与えられていない」

重要施策の3点目は「事業ポートフォリオの改革」。「ソニーは様々な事業を持っており、収益の源泉を増やすという意味において多大な貢献を果たしてきた。しかしその一方で、集中と選択を仕切れなかったためにコモディティ化した商品や事業を抱える結果につながった」とコメントし、全ての事業で見直しを徹底的に行うと宣言。

「付加価値を提供できないコモディティ商品や、他社との協業や統合により成長を図ったほうが良いと判断した事業については、撤退、もしくは徹底的なアウトソース化、アセットライト化の推進、またはアライアンスを組むといったことで集中領域を早期に明確化していく」と言葉を続けた。

そして重要施策の4点目が「イノベーションの加速」。前述したように独自技術を投入することで、将来のコア事業のひとつに据えるメディカルエリアの事業を推進するという。また、新たな成長促進のためR&D部門と事業本部のアライメントを強化するとも説明した。

これら重要施策を発表した平井氏は「2009年以来、私が一貫して追求しているのは、お客様にソニーらしい商品を提供することはもちろん、素晴らしい“体験”を提供するにはどうしたらいいかということ。それらを通じて笑顔になってもらうためにどうすればいいのかということ」とコメント。「そのために、社内のリソースを集中領域へ大胆に投入して素晴らしい商品を生み出すことが大前提。それらのハードウェアとソフトウェア、コンテンツ、ネットワークを融合して顧客体験を提供していく。これらでライフスタイルそのものを変えていきたい」と語る。

そして「そこに向かって大きく舵を切る過程では、痛みを伴う選択へも直面するだろう。しかしそこに臆していては前に進めない。たっぷりと時間をかける猶予は我々には与えられていない。それを自覚し覚悟をもってやりとげる、それが私の目指すところだ」とし、「変革を成し遂げることで、日本を代表する企業として、日本の存在感を高める一翼を担いたい」とコメントした。

企業としての理念を紹介

また、最後に平井氏は「大賀氏、出井氏が推し進めてきたソニーブランドの価値向上のための努力、ストリンガー氏が推進した“ソニーユナイテッド”、これらの精神を私がしっかり引き継ぎ、新しいソニーを作っていきたい」と締めくくった。

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