周辺市場は活況。タブレットも成長している
「ロンドン五輪特需は無かった」− BCNがデジタル家電2012夏商戦の分析結果を発表
■周辺機器が大きく伸長しているデジカメ関連市場
デジタルカメラ製品は、コンデジが販売台数と平均単価ともに下落傾向にあるものの、平均単価の下げ幅は縮小となった。道越氏は、「スマートフォンとの兼ね合いの中で、カメラとしての意味を訴求仕切れていないのではないか」としている。なおメーカー別の台数シェアではソニーのシェアが急回復し、2012年8月はキヤノンと同じ19.4%の比率で2社同率1位となった。
対してレンズ交換型は、勢いは弱まるものの依然として販売台数・平均単価ともに2桁成長を続け、単価下落も一服した。一眼レフの販売台数・金額は前年並みに回復。また、交換型モデル全体におけるミラーレス一眼の構成比は5割弱を維持しているが、ミラーレス一眼の拡大で徐々にこれまでの二強体勢が崩れる傾向にあるという。
デジカメ製品全体としては、販売台数シェア・平均単価ともに依然としてキヤノンが強いが、ソニーが急な追い上げを見せている。
また、デジカメ周辺機器の中では交換レンズ製品の好調が続いており、販売本数・金額指数と平均単価がともに過去2年の水準から大きくジャンプアップ。市場が立ち上がり始めているミラーレスの伸びが大きいという。なおメーカー別販売本数シェアでは純正のキヤノンとニコンが強く、タムロンが微減している。
■今後の成長が見込まれるタブレット市場 − 無線化が進むPC周辺機器も
PC製品とタブレット製品では、タブレットの販売台数比率がデスクトップPCを上回った。なお、8月の販売台数はノートPCがほぼ前年同月比並みであることに対し、デスクトップは同74.4%に留まった。メーカー別シェアではNECが25.1%でトップ。また、ノートPC製品の中ではUltrabookの構成比が4.7%と徐々に増加している。
なお、PC製品全体の販売台数が減少している中で、周辺機器となる無線LAN機器は伸長を続けているという。
スマートフォン製品は、次期iPhoneを待つ動きが多いことからか販売台数指数がやや鈍化しているほか、携帯電話全体のスマホの比率も70%後半で止まりつつある。これについて森氏は「新型iPhoneが発売されれば比率は80%台に入るかもしれない」としつつ、「その後もガラケー自体の販売数が減っていることもあるのでそのまま8割台を維持するかもしれないが、それ以上の伸長はあまり考えられない。スマートフォンは成長期から成熟期へ切り替わりつつあるのではないか」とした。
また、タブレット製品については右肩上がりで拡大が続いており、「新製品が出れば動きがある」と今後の伸長が期待される市場であると発表。メーカー別の販売台数シェアではアップルが6割を占め独走状態で、残りの4割を29社ものメーカーが争っている。この状態について森氏は「今後Windows 8が登場すると、急激ではないだろうが徐々にアップルの独走状態が変わってくるのではないか」と分析。また「amazonのKindleが国内展開された場合、さらに動きが出てくるだろう」とした。
また、電子書籍リーダーについても「黎明期の市場であり、カギを握る新製品の動向が注目される」とコメントした。