4Kテレビは2ブランドで。次世代クアトロンも発表
【CES】シャープ、4Kテレビを2ブランドで展開 − “AQUOS”4Kテレビを下期に発売
シャープは、2013 International CESのプレスカンファレンスで、液晶テレビAQUOSの新モデルとなる8/7/6シリーズを発表した。また、4Kテレビは2ブランドで展開することを初めて表明。さらに新技術の開発も予告するなど、盛りだくさんの内容となった。
■4Kテレビは「AQUOS」「ICC PURIOS」の2ブランド展開
4Kテレビについて同社は、「2013年に2種類の大画面4Kモデルを投入する」と説明した。
一つは日本ですでに発表済の“ICC PURIOS”で、アイキューブド研究所が開発した映像処理エンジンを搭載したことが特徴。THX認証を取得した初の4Kテレビでもある。60インチモデルを今夏に米国で発売する計画だ。
そしてもう一つ、電撃的に発表されたのが“AQUOS”ブランドの4Kテレビだ。まだサイズは決まっていないとのことだが、カンファレンスには70インチの試作機が置かれていた。もちろん4Kアップスケーラ−を内蔵する。パネル駆動速度は240Hzで、アクティブ方式の3D映像に対応。Bluetoothの3Dメガネを利用する。
機能面では後述する今春の新フラグシップモデル、8シリーズの特徴を多く踏襲しており、スマートTV機能「Smart Central」などを利用可能。サブウーファーも内蔵する。発売は今年下半期で、価格は未定。説明員に日本でも発売するか尋ねたところ、「ICC PURIOSは位置づけも価格も特別な製品。より手に入れやすい4Kテレビを欲しがるお客様も多いだろう」と述べ、日本でも発売される可能性を示唆した。
■2014年に向けた新技術、次世代クアトロン
さらに同社は、2014年に向けた新技術も公開。一つは「モスアイ」パネルで、これは日本ですでに発売ずみの「XL9」シリーズに搭載されている。パネル表面に、蛾の目に似た微少な突起を加えることで、グレアパネルの精細感やコントラスト感と、ノングレアパネルの反射の少なさを両立させることが可能になる。
もう一つは今回初めて発表された「次世代クアトロン」技術だ。クアトロンはRGBに加えてイエローのサブピクセルを加えた、4原色の液晶パネル技術。すでに日本でもおなじみのものだが、この次世代版では、特別なサブピクセル信号処理を用いることで、4K解像度に近い精細感を、安価に、従来のパネル製造技術で実現できるという。
■AQUOSの2013年モデルを発表
同社はプレスカンファレンスの中で、液晶テレビAQUOSの2013年新モデル、8/7/6シリーズを発表した。
8シリーズはフラグシップという位置づけで、デザインはヘアライン仕上げを施したシルバーのアルミベゼルを採用したことが特徴。またバックライトを工夫することで、消費電力を抑えながら従来比50%も明るい画面を実現する「SUPER BRIGHT」機能にもシリーズ中唯一対応した。パネルはクアトロンで、アクティブ方式の3Dにも対応。60/70/80インチを揃え、3月に発売する。
7シリーズはブラックのアルミベゼルを採用。クアトロンパネルを搭載し、アクティブ3Dにも対応。ラインナップは60/70/80インチで、4月に発売予定だ。
エントリーモデルという位置づけの6シリーズも60/70/80インチを用意。2月に出荷を開始する。パネルはクアトロンではない。120Hz駆動のパネルだがアクティブ3Dに対応している。
3シリーズともデュアルコアプロセッサーを搭載し、Wi-Fiを内蔵。ネットワーク機能「SmartCentral」が利用可能だ。SmartCentralはHTML5/FlashをサポートするスマートTV機能で、iOSとAndroidによるリモートコントロールに対応するほか、VODなど様々なアプリも用意されている。また、スマートフォンで視聴しているNetflixの画面をテレビに表示する「セカンドスクリーン」機能にも対応している。
■60型以上の大型モデルに注力
同社が今回プレスカンファレンスで何度も強調したのが、60インチ超の大画面テレビにフォーカスし、そこで大きな存在感を発揮するという戦略だ。
同社は「2010年は60インチ、2011年は70インチ、80インチ、そして2012年には90インチと、かつてないスピードで大型化が進展している。2012年には60インチ以上の市場が、2010年比で5倍に伸長した」と、米国市場では大画面化が急速に進んでいることを説明。その上で、60インチ超のLEDテレビでは、同社がナンバーワンのシェアを持っていることをアピールし、今後もこの市場でリーダーシップを取るべく、新製品も大型モデルを取りそろえると強調。3シリーズ21モデルを投入すると述べた。
■IGZOも強力アピール
カンファレンスの中で長い時間を割いて説明されたのが「IGZO」。すでにおなじみの技術だが、プロモーションビデオを用意し、くわしく紹介した。
シャープ(株)副社長執行役員の高橋幸三氏は、「シャープは液晶技術のパイオニア。これまでに世界最大のLED液晶テレビを発売するなど、数々の様々なブレークスルーを成し遂げてきた」と述べ、さらに「シャープはスマートフォンやタブレット向けの、新たな液晶技術のリーダーでもある。これらのデバイスでは省電力かつ高解像度ということが求められるが、これを満たすためにIGZO技術を開発した」とした。
IGZOは酸化物半導体で、これまでのアモルファスシリコンを使った半導体に比べ電子の移動が20〜50倍程度速いことが特徴。これを利用し、高精細で低消費電力なディスプレイを実現できる。
同社はこのIGZOを使った液晶パネルを、世界で初めて量産化したことをアピール。32インチの4Kディスプレイ、4.9インチのIGZOディスプレイを搭載した“AQUOS PHONE ZETA”「SH-02E」、“AQUOS Tablet”など、IGZOパネルを搭載した製品をすでに日本で発売していることも強調した。
発表会には、ガラスメーカー大手の米コーニング社 コーニング ガラステクノロジーのプレジデント、ジェームス・クラッピン氏も登壇。同氏はシャープとコーニングが80年代から、約30年という長期間にわたって提携関係にあることを強調し、特にマザーガラスの大型化ではともに協力して進めてきたことを紹介した。
クラッピン氏はIGZOについても言及し、マザーガラスはさらなる大型化よりも、新たな技術的イノベーションに比重が移っていると説明。その上で、IGZO液晶ディスプレイに必要とされる熱や安定性を満たすガラス、「Lotus」を開発したと説明した。
■4Kテレビは「AQUOS」「ICC PURIOS」の2ブランド展開
4Kテレビについて同社は、「2013年に2種類の大画面4Kモデルを投入する」と説明した。
一つは日本ですでに発表済の“ICC PURIOS”で、アイキューブド研究所が開発した映像処理エンジンを搭載したことが特徴。THX認証を取得した初の4Kテレビでもある。60インチモデルを今夏に米国で発売する計画だ。
そしてもう一つ、電撃的に発表されたのが“AQUOS”ブランドの4Kテレビだ。まだサイズは決まっていないとのことだが、カンファレンスには70インチの試作機が置かれていた。もちろん4Kアップスケーラ−を内蔵する。パネル駆動速度は240Hzで、アクティブ方式の3D映像に対応。Bluetoothの3Dメガネを利用する。
機能面では後述する今春の新フラグシップモデル、8シリーズの特徴を多く踏襲しており、スマートTV機能「Smart Central」などを利用可能。サブウーファーも内蔵する。発売は今年下半期で、価格は未定。説明員に日本でも発売するか尋ねたところ、「ICC PURIOSは位置づけも価格も特別な製品。より手に入れやすい4Kテレビを欲しがるお客様も多いだろう」と述べ、日本でも発売される可能性を示唆した。
■2014年に向けた新技術、次世代クアトロン
さらに同社は、2014年に向けた新技術も公開。一つは「モスアイ」パネルで、これは日本ですでに発売ずみの「XL9」シリーズに搭載されている。パネル表面に、蛾の目に似た微少な突起を加えることで、グレアパネルの精細感やコントラスト感と、ノングレアパネルの反射の少なさを両立させることが可能になる。
もう一つは今回初めて発表された「次世代クアトロン」技術だ。クアトロンはRGBに加えてイエローのサブピクセルを加えた、4原色の液晶パネル技術。すでに日本でもおなじみのものだが、この次世代版では、特別なサブピクセル信号処理を用いることで、4K解像度に近い精細感を、安価に、従来のパネル製造技術で実現できるという。
■AQUOSの2013年モデルを発表
同社はプレスカンファレンスの中で、液晶テレビAQUOSの2013年新モデル、8/7/6シリーズを発表した。
8シリーズはフラグシップという位置づけで、デザインはヘアライン仕上げを施したシルバーのアルミベゼルを採用したことが特徴。またバックライトを工夫することで、消費電力を抑えながら従来比50%も明るい画面を実現する「SUPER BRIGHT」機能にもシリーズ中唯一対応した。パネルはクアトロンで、アクティブ方式の3Dにも対応。60/70/80インチを揃え、3月に発売する。
7シリーズはブラックのアルミベゼルを採用。クアトロンパネルを搭載し、アクティブ3Dにも対応。ラインナップは60/70/80インチで、4月に発売予定だ。
エントリーモデルという位置づけの6シリーズも60/70/80インチを用意。2月に出荷を開始する。パネルはクアトロンではない。120Hz駆動のパネルだがアクティブ3Dに対応している。
3シリーズともデュアルコアプロセッサーを搭載し、Wi-Fiを内蔵。ネットワーク機能「SmartCentral」が利用可能だ。SmartCentralはHTML5/FlashをサポートするスマートTV機能で、iOSとAndroidによるリモートコントロールに対応するほか、VODなど様々なアプリも用意されている。また、スマートフォンで視聴しているNetflixの画面をテレビに表示する「セカンドスクリーン」機能にも対応している。
■60型以上の大型モデルに注力
同社が今回プレスカンファレンスで何度も強調したのが、60インチ超の大画面テレビにフォーカスし、そこで大きな存在感を発揮するという戦略だ。
同社は「2010年は60インチ、2011年は70インチ、80インチ、そして2012年には90インチと、かつてないスピードで大型化が進展している。2012年には60インチ以上の市場が、2010年比で5倍に伸長した」と、米国市場では大画面化が急速に進んでいることを説明。その上で、60インチ超のLEDテレビでは、同社がナンバーワンのシェアを持っていることをアピールし、今後もこの市場でリーダーシップを取るべく、新製品も大型モデルを取りそろえると強調。3シリーズ21モデルを投入すると述べた。
■IGZOも強力アピール
カンファレンスの中で長い時間を割いて説明されたのが「IGZO」。すでにおなじみの技術だが、プロモーションビデオを用意し、くわしく紹介した。
シャープ(株)副社長執行役員の高橋幸三氏は、「シャープは液晶技術のパイオニア。これまでに世界最大のLED液晶テレビを発売するなど、数々の様々なブレークスルーを成し遂げてきた」と述べ、さらに「シャープはスマートフォンやタブレット向けの、新たな液晶技術のリーダーでもある。これらのデバイスでは省電力かつ高解像度ということが求められるが、これを満たすためにIGZO技術を開発した」とした。
IGZOは酸化物半導体で、これまでのアモルファスシリコンを使った半導体に比べ電子の移動が20〜50倍程度速いことが特徴。これを利用し、高精細で低消費電力なディスプレイを実現できる。
同社はこのIGZOを使った液晶パネルを、世界で初めて量産化したことをアピール。32インチの4Kディスプレイ、4.9インチのIGZOディスプレイを搭載した“AQUOS PHONE ZETA”「SH-02E」、“AQUOS Tablet”など、IGZOパネルを搭載した製品をすでに日本で発売していることも強調した。
発表会には、ガラスメーカー大手の米コーニング社 コーニング ガラステクノロジーのプレジデント、ジェームス・クラッピン氏も登壇。同氏はシャープとコーニングが80年代から、約30年という長期間にわたって提携関係にあることを強調し、特にマザーガラスの大型化ではともに協力して進めてきたことを紹介した。
クラッピン氏はIGZOについても言及し、マザーガラスはさらなる大型化よりも、新たな技術的イノベーションに比重が移っていると説明。その上で、IGZO液晶ディスプレイに必要とされる熱や安定性を満たすガラス、「Lotus」を開発したと説明した。