ゲームは大幅減益
ソニー、12年度3Q業績を発表 − テレビ事業の収益改善が進む
2012年度通期の業績予想は従来予想を据え置いた。売上高6兆6,000億円、営業利益1,300億円、純利益200億円を見込む。ただし事業別に見ていくと、MP&C分野、HE&S分野、ゲーム分野は、いずれも11月時点の想定を下回る。
MP&C分野は主にPCの年間販売台数見通しを下方修正したことが収益面のマイナスとなる。HE&S分野も、液晶テレビとBDプレーヤー/レコーダーの年間販売台数の見通しを下方修正したことで、分野全体の売上高と営業損益は、11月時点の想定より下回る見込み。
またゲーム分野はPS Vitaの立ち上がりが遅れ、ハードの年間販売台数の見通しを1,000万台から700万台に下方修正する。なお、年末商戦でゲームが苦戦した背景については、前年はPS3の値下げに伴い販売が伸びたが、今回は値下げを行わなかったことなどがあると説明。
こうした決算内容について加藤氏は「前年同期比で増収増益とかなり改善できたことは結構なことだが、足元を見るとエレクトロニクス事業の環境は楽観できるものではない」とコメント。「金融やエンターテイメントが好調である一方、エレクトロニクスは課題を残しているという認識だ」とし、「エレクトロニクスは依然として厳しいが、円安の影響や、資産売却を進めていることもあり、通期見通しは据え置く」と述べた。
そして今後については、「2012年度中に色々な施策を断行してきたが、その成果を出すのが2013年度の課題」とコメント。「平井による新体制になって10ヶ月経つが、その間にも様々な施策を打ってきた。ソニー史上、この短い間にこれだけ様々なことをやってきたのは歴史にない」と述べ、「新体制で10ヶ月色々やってきたスピード感を落とさずに今後も邁進していきたい」と言葉を続けた。
また、テレビ事業についても、「平井は『“場を変える”戦いをしたい』と言っている。4Kなどソニーの持っているハイエンドの技術を集結した、お客様に価値を認めていただけるものを作っていく」と説明。
そしてそのほかも含めて様々な分野で行っている施策について、「結果が出ているもの、これからのものなどいろいろあるが手応え感は結構ある」とし、「来年度は今行っているものの成果が出せるのではないかという手応えがある」と述べた。