月刊「AVレビュー」連動企画
【短期集中連載】コレが我が社の4K/8K技術(6)ソニー「4K SXRDプロジェクター」
映画用カメラから制作用モニター、劇場用プロジェクターを手がけ、家庭用ではテレビ・プロジェクターを発売、そしてグループには映画製作会社を抱えるなど、これほどまでに様々な分野で「4K」に密着しているメーカーは他に無い。次の一手は何か? その一挙手一投足に注目が集まっている。ここでは劇場用4K SXRDプロジェクターを中心に、家庭用モデル、そして8Kに対する考えを聞いた。
■国内では劇場導入数1位の4K SXRDプロジェクター
山之内 業務用の撮影・編集機材から上映システム、そして家庭用のディスプレイまで、非常に幅広い分野で「4K」を推進している数少ないメーカーですが、今回は「4K SXRDプロジェクター」に焦点を絞ってお話を伺いたいと思います。
相澤 我々は2002年に4K SXRDの開発をスタートさせました。開発当初から、ターゲットとした市場は劇場用のシネマプロジェクターでした。2004年には4Kパネルの量産化に成功、2006年にはDCI仕様に準拠した第1世代機を発売しました。現行の「SRX-R320」は第3世代機であり、国内でもNO.1のシェアを獲得しております。また4K SXRDプロジェクターが果たした長年の功績が認められ、昨年「第58回大河内記念生産賞」を受賞しました。
山之内 4K SXRDプロジェクターは、どのシネマコンプレックス(以下シネコン)で体感できますか?
相澤 国内では「T・ジョイ」、「TOHOシネマズ」、「109シネマズ」、「ユナイテッド・シネマ」といった大手シネコンが運営している劇場に導入されています。
山之内 劇場におけるデジタル化はかなり進んでいるのですか?
相澤 投写システムのデジタル化は、シネコンではほぼ終息に近い状況です。そのような背景から、中小・独立系の劇場を対象とした「SRX-R515P」を今年2月に投入しました。従来モデルと同じ4K SXRDデバイスを搭載しつつ、操作性の向上や小型化・低価格化を実現しています。
山之内 この新モデルはキセノンランプではなく、高圧水銀ランプが使われていますね。
相澤 これまでシネマプロジェクターにはキセノンランプが使われてきましたが、キセノンは高価なうえ、交換には専門の映写技師が防護服を身に着けるなどの必要がありました。高圧水銀であれば、交換も容易でランニングコストも低く抑えることができます。
山之内 従来モデルと比べ、画質面で遜色は無いのでしょうか?
相澤 新モデルには新世代の4K SXRDデバイスと新しい光学エンジンを採用していますので、コントラスト値は従来モデルよりも優れています。もちろん、高圧水銀ランプでもDCI準拠の色再現が得られるように工夫しています。
■SXRDの強みは優れた階調特性とコントラスト
山之内 日本のみならずアメリカでも、4K SXRDプロジェクターが劇場で広く普及した理由はどこにあると考えていますか?
相澤 まずは「4Kの将来性」だと思います。広く普及したのは、国内外を含めて大手シネコンに採用されたからなのですが、一度導入したシステムは1〜2年で入れ替わるものではありません。長くシステムを運用することになる劇場にとって、4Kという将来を見据えたスペックは非常に魅力的だったと考えます。また、35mmフィルムでの上映と同じ映像クオリティを表示するには、4K解像度が必要だと映画業界で言われてきたことも普及した理由の1つと思います。
山之内 4Kという解像度以外で、他方式よりもSXRDが画質面で優れるところはどこでしょう?
相澤 DLP方式のシステムと比べた場合、圧倒的にコントラストが異なりますね。特に新モデルのコントラスト比は8000対1を実現しており、これは業界トップクラスの性能です。またシネマ機のSXRDはアナログ駆動ですから、暗部階調まで滑らかに表現できます。加えて画素ピッチが狭く、メッシュ感が少ないというメリットもあります。例えば300インチで投写した場合、DLP(2K)に比べて画素ピッチで2倍、画素ギャップは2.5倍にもなります。
山之内 4K解像度で配給・上映されている映画作品は、実際にはどれくらいあるのでしょうか?
相澤 現在は、超大作と呼ばれるハリウッド作品しか4K配給はされていません。これは配給元の意向によるものです。しかし、近年は4K相当の解像度で撮影されることも多くなりましたので、4K配給・4K上映はこれから増えてくると期待しています。
■国内では劇場導入数1位の4K SXRDプロジェクター
山之内 業務用の撮影・編集機材から上映システム、そして家庭用のディスプレイまで、非常に幅広い分野で「4K」を推進している数少ないメーカーですが、今回は「4K SXRDプロジェクター」に焦点を絞ってお話を伺いたいと思います。
相澤 我々は2002年に4K SXRDの開発をスタートさせました。開発当初から、ターゲットとした市場は劇場用のシネマプロジェクターでした。2004年には4Kパネルの量産化に成功、2006年にはDCI仕様に準拠した第1世代機を発売しました。現行の「SRX-R320」は第3世代機であり、国内でもNO.1のシェアを獲得しております。また4K SXRDプロジェクターが果たした長年の功績が認められ、昨年「第58回大河内記念生産賞」を受賞しました。
山之内 4K SXRDプロジェクターは、どのシネマコンプレックス(以下シネコン)で体感できますか?
相澤 国内では「T・ジョイ」、「TOHOシネマズ」、「109シネマズ」、「ユナイテッド・シネマ」といった大手シネコンが運営している劇場に導入されています。
山之内 劇場におけるデジタル化はかなり進んでいるのですか?
相澤 投写システムのデジタル化は、シネコンではほぼ終息に近い状況です。そのような背景から、中小・独立系の劇場を対象とした「SRX-R515P」を今年2月に投入しました。従来モデルと同じ4K SXRDデバイスを搭載しつつ、操作性の向上や小型化・低価格化を実現しています。
山之内 この新モデルはキセノンランプではなく、高圧水銀ランプが使われていますね。
相澤 これまでシネマプロジェクターにはキセノンランプが使われてきましたが、キセノンは高価なうえ、交換には専門の映写技師が防護服を身に着けるなどの必要がありました。高圧水銀であれば、交換も容易でランニングコストも低く抑えることができます。
山之内 従来モデルと比べ、画質面で遜色は無いのでしょうか?
相澤 新モデルには新世代の4K SXRDデバイスと新しい光学エンジンを採用していますので、コントラスト値は従来モデルよりも優れています。もちろん、高圧水銀ランプでもDCI準拠の色再現が得られるように工夫しています。
■SXRDの強みは優れた階調特性とコントラスト
山之内 日本のみならずアメリカでも、4K SXRDプロジェクターが劇場で広く普及した理由はどこにあると考えていますか?
相澤 まずは「4Kの将来性」だと思います。広く普及したのは、国内外を含めて大手シネコンに採用されたからなのですが、一度導入したシステムは1〜2年で入れ替わるものではありません。長くシステムを運用することになる劇場にとって、4Kという将来を見据えたスペックは非常に魅力的だったと考えます。また、35mmフィルムでの上映と同じ映像クオリティを表示するには、4K解像度が必要だと映画業界で言われてきたことも普及した理由の1つと思います。
山之内 4Kという解像度以外で、他方式よりもSXRDが画質面で優れるところはどこでしょう?
相澤 DLP方式のシステムと比べた場合、圧倒的にコントラストが異なりますね。特に新モデルのコントラスト比は8000対1を実現しており、これは業界トップクラスの性能です。またシネマ機のSXRDはアナログ駆動ですから、暗部階調まで滑らかに表現できます。加えて画素ピッチが狭く、メッシュ感が少ないというメリットもあります。例えば300インチで投写した場合、DLP(2K)に比べて画素ピッチで2倍、画素ギャップは2.5倍にもなります。
山之内 4K解像度で配給・上映されている映画作品は、実際にはどれくらいあるのでしょうか?
相澤 現在は、超大作と呼ばれるハリウッド作品しか4K配給はされていません。これは配給元の意向によるものです。しかし、近年は4K相当の解像度で撮影されることも多くなりましたので、4K配給・4K上映はこれから増えてくると期待しています。
本記事は月刊「AVレビュー」2013年5月号(4月17日発売)の特集「4Kのすべて」からの抄録です。誌面では、この記事の倍のインタビュー全文がお読み頂けます。「続きが読みたい!」「特集をすべて読みたい!」という方、「AVレビュー」のご購入はこちらからどうぞ。 |