HOME > ニュース > パナソニック液晶ディスプレイから3名が文部科学大臣表彰科学技術賞受賞

「広視野角で低消費電力を実現したIPS方式液晶パネルの開発」で受賞

パナソニック液晶ディスプレイから3名が文部科学大臣表彰科学技術賞受賞

公開日 2015/04/16 20:30 編集部:近藤 貴彦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
パナソニック液晶ディスプレイ(株)は、同社のPLD 商品開発センター 顧問の小野記久雄氏、PLD 商品開発センター 先行開発部 次世代LCD開発課 課長の桶隆太郎氏、PLD 戦略事業統括部 商品設計部 第2商品設計課 課長の今城育子氏の3名が平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)を受賞したことを発表した。受賞内容のテーマは「広視野角で低消費電力を実現したIPS方式液晶パネルの開発」。

左から今城氏、小野氏、桶氏

開発内容としては、視野角及び画素の透過率(開口率)性能を向上することにより、IPS(インプレーン・スイッチング)方式液晶パネルの高性能化を実現した。開発技術は、モバイル機器や高精細モニター用途を中心に、世界的なデファクトスタンダードになり、液晶パネルを用いたフラットパネル産業の発展に貢献しているとのこと。

本開発では、広視野角化のために、棒状液晶分子を画面横方向に配置し、これを画素内で相殺するように2つの回転方向を持たせる平面構造を開発した。さらに、高透過率化のために、配線からのノイズ電界を透明電極でシールドする断面構造を開発した。

本開発により、従来のIPS液晶パネルと比較して、左右45度から見た時と正面から見た時の色変化差を半減した。さらに、配線へのシールド構造を使用していないIPS液晶パネルと比較して、透過率を1.5倍に高める効果が得られたとのこと。

上記の成果は、2005年に販売を開始した32型テレビ用液晶パネルを筆頭に、現在までに発売されたIPS方式のモバイル機器(特にスマートフォンやタブレット端末)や高精細モニターなど多数の機器へ適用されているという。

同社では、本開発技術を用い、8Kなどさらなる高解像度の液晶パネルを開発中とのこと。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック