アトモス収録の最新BDも再生
<音展>デノン、旗艦AVアンプ「AVR-X7200WA」によるDTS:X再生を“国内初”披露
本日16日より開幕した“音展”「オーディオ&ホームシアター展 2015」にて、デノンは旗艦AVアンプ「AVR-X7200WA」(関連ニュース)を用いて、同社として国内初となる「DTS:X」の再生デモを行った。
デノンは、各社のAVアンプがオブジェクトオーディオ再生デモを行う「ホームシアター体験デモ」ブースに出展。同社デモは初回の11時半開始だったが、いち早く実施されるDTS:Xのデモがお目当てなのだろう、多くの来場者が行列をつくっていた。
会場に用意されたAVR-X7200WAは、今回のイベントに合わせて特別にファームウェア・アップデートを行ってDTS:Xに対応した個体。試聴イベントの進行を務めたディーアンドエムホールディングスの川北裕司氏は「開発陣が“音展”直前までファームウェアの開発を行い、ぎりぎり間に合わせることができました。まだ試作のファームウェアであり最終版ではないですが、国内はもちろん世界でも、デノンがDTS:Xのデモを行うのは昨日の米国CEDIAに続いて2回目となります」とDTS:Xデモの貴重な機会であることを紹介していた。
ちなみに「ホームシアター体験デモ」ブースには、各社共通のオブジェクトオーディオ再生システムが用意された。具体的には、B&W「CM S2」シリーズによる7chスピーカーシステム、パイオニア「S-CN301-LR」によるトップフロント/トップリアスピーカー、ヤマハのサブウーファー「NS-SW1000」によって、「7.1.4」システムを構築。デノンもこの構成でデモを行った。BDプレーヤーはパイオニアの旗艦機「BDP-LX88」だ
DTS:Xは、DTSによるオブジェクトオーディオ・フォーマット。DTS-HDマスターオーディオが再生できるBDプレーヤーならば再生が可能で、この点はアトモスと同様。DTS:X非対応のAVアンプと組み合わせた場合は、DTS-HDマスターオーディオとして再生される。現時点では最大11.2chまでがサポートされているが、規格上は最大32のスピーカーの使用が定義されている(サブウーファー2基含む)。非DTS:Xコンテンツに対するアップミックス再生機能「DTS Neural:X」も用意している。
DTS:Xのデモでは、まずはDTSがCESで配布したデモディスクを使用。収録されたショートフィルム『LOCKED UP』、映画『DIVERGENT』の再生を行った。『LOCKED UP』はCES 2015のDTS:Xデモでも使われていたコンテンツで、水辺のカエルの動きを追ったCGアニメ。水の流れやカエルの鳴き声など自然音で構成されたサウンドなのだが、CESで聴いた際の印象以上に各スピーカーのつながりが自然で、周囲を旋回するハエの羽音やカエルの動きの定位も非常に生々しい。スピーカーの存在を感じさせない再現だった。
『DIVERGENT』については川北氏が、「通常BDをドルビーアトモスでアップミックス再生してもかなり良い印象だったのでちょっと心配だったのですが、DTS:X収録の本ディスクで再生すると天井方向の定位などが格段に優れていることがわかります」とコメント。オブジェクトオーディオの優位性を強調していた。
また現時点で唯一のDTS:X収録BDである『Ex Machina』を用いたDTS:X再生も実施された。デモに使われたシーンは派手な動きのないドラマシーンなのだが、密室の空間の緊迫感が伝わってくる。川北氏は「DTS:Xだけでなくアトモスも同様ですが、オブジェクトオーディオは“空気感”をリアルに描き出してくれます。それは派手なシーンだけではなく、むしろ落ち着いたシーンで大きな効果があります」と説明していた。
川北氏はDTS:Xとドルビーアトモスの違いについても改めて紹介。DTS:Xはドルビーアトモスのようにスピーカーの推奨位置を明示しておらず「いかなる場所にスピーカーを配置しても環境にあわせて再生する」という考え方を取っている。またアトモスが必ずトップスピーカー(イネーブルドスピーカー含む)を必要とするのに対して、DTS:Xは2chであってもレンダリングが可能だ。
AR-X7200WAの正式なDTS:X対応の日程については、決定し次第発表されるとのこと。アトモスと共にコンテンツの充実には期待したいところだが、家庭でDTS:Xのサウンドを楽しめる日も近そうだ。
デノンは、各社のAVアンプがオブジェクトオーディオ再生デモを行う「ホームシアター体験デモ」ブースに出展。同社デモは初回の11時半開始だったが、いち早く実施されるDTS:Xのデモがお目当てなのだろう、多くの来場者が行列をつくっていた。
会場に用意されたAVR-X7200WAは、今回のイベントに合わせて特別にファームウェア・アップデートを行ってDTS:Xに対応した個体。試聴イベントの進行を務めたディーアンドエムホールディングスの川北裕司氏は「開発陣が“音展”直前までファームウェアの開発を行い、ぎりぎり間に合わせることができました。まだ試作のファームウェアであり最終版ではないですが、国内はもちろん世界でも、デノンがDTS:Xのデモを行うのは昨日の米国CEDIAに続いて2回目となります」とDTS:Xデモの貴重な機会であることを紹介していた。
ちなみに「ホームシアター体験デモ」ブースには、各社共通のオブジェクトオーディオ再生システムが用意された。具体的には、B&W「CM S2」シリーズによる7chスピーカーシステム、パイオニア「S-CN301-LR」によるトップフロント/トップリアスピーカー、ヤマハのサブウーファー「NS-SW1000」によって、「7.1.4」システムを構築。デノンもこの構成でデモを行った。BDプレーヤーはパイオニアの旗艦機「BDP-LX88」だ
DTS:Xは、DTSによるオブジェクトオーディオ・フォーマット。DTS-HDマスターオーディオが再生できるBDプレーヤーならば再生が可能で、この点はアトモスと同様。DTS:X非対応のAVアンプと組み合わせた場合は、DTS-HDマスターオーディオとして再生される。現時点では最大11.2chまでがサポートされているが、規格上は最大32のスピーカーの使用が定義されている(サブウーファー2基含む)。非DTS:Xコンテンツに対するアップミックス再生機能「DTS Neural:X」も用意している。
DTS:Xのデモでは、まずはDTSがCESで配布したデモディスクを使用。収録されたショートフィルム『LOCKED UP』、映画『DIVERGENT』の再生を行った。『LOCKED UP』はCES 2015のDTS:Xデモでも使われていたコンテンツで、水辺のカエルの動きを追ったCGアニメ。水の流れやカエルの鳴き声など自然音で構成されたサウンドなのだが、CESで聴いた際の印象以上に各スピーカーのつながりが自然で、周囲を旋回するハエの羽音やカエルの動きの定位も非常に生々しい。スピーカーの存在を感じさせない再現だった。
『DIVERGENT』については川北氏が、「通常BDをドルビーアトモスでアップミックス再生してもかなり良い印象だったのでちょっと心配だったのですが、DTS:X収録の本ディスクで再生すると天井方向の定位などが格段に優れていることがわかります」とコメント。オブジェクトオーディオの優位性を強調していた。
また現時点で唯一のDTS:X収録BDである『Ex Machina』を用いたDTS:X再生も実施された。デモに使われたシーンは派手な動きのないドラマシーンなのだが、密室の空間の緊迫感が伝わってくる。川北氏は「DTS:Xだけでなくアトモスも同様ですが、オブジェクトオーディオは“空気感”をリアルに描き出してくれます。それは派手なシーンだけではなく、むしろ落ち着いたシーンで大きな効果があります」と説明していた。
川北氏はDTS:Xとドルビーアトモスの違いについても改めて紹介。DTS:Xはドルビーアトモスのようにスピーカーの推奨位置を明示しておらず「いかなる場所にスピーカーを配置しても環境にあわせて再生する」という考え方を取っている。またアトモスが必ずトップスピーカー(イネーブルドスピーカー含む)を必要とするのに対して、DTS:Xは2chであってもレンダリングが可能だ。
AR-X7200WAの正式なDTS:X対応の日程については、決定し次第発表されるとのこと。アトモスと共にコンテンツの充実には期待したいところだが、家庭でDTS:Xのサウンドを楽しめる日も近そうだ。