4K AQUOS生産ラインなど披露
シャープ、テレビ開発・製造拠点の矢板工場内部を公開。「今後ますます重要な存在に」
また、可能な限り自動化や省力化を進めていることも矢板工場の強みだと紹介。自動化によって人の手による工数を減らすことでコスト削減を図っているという。
なお、こうした自動化・省力化は「できるだけお金をかけないことがコンセプト」だとのこと。中古の機械を購入し、どのように動かすかを自分たちでプログラミングしているという。こうした取り組みで若手技術者の育成も狙い、「設備投資が非常に厳しい状況下でも、知恵と工夫を入れることで生産性が上がった」とした。
■4Kアクオスはこうして作られる
メディアに公開されたのは、「60XD35」を生産するAラインと、「60US30」を生産するBラインのふたつ。どのように自動化・省力化が図られているか、また、品質を確保するためにどんな検査が行われているのかなどを披露した。
例えばモジュール部分の組み立て自動化では、アームロボット3基を活用。パネル部材が積み重なった山からまず1台目のアームが保護紙を取り、2台目のアームがパネルを持ち上げてセット、さらに3台目のアームがパネルを回転させて次の工程に流すといった具合に、すべて機械の手で作業が行われる。
こうした機械の動きは「どうすれば自分たちが活動しやすいかを考え、プログラムを自分たちで作っている」とのことで「仮に人の手で同じことをやった場合、4〜5人が必要な作業だ」という。また、自動化はコスト削減とともに、液晶パネルの大敵であるゴミや静電気にも対策できるメリットがあることも紹介した。
こうして人による工程を極力省きながら組み上げた機体だが、最後の段階に人の目による最終チェックを実施。画面を叩いてショックを与えた後も正常に動作するかなどのテストを行う。また、機体に不具合がないかを様々な角度から入念に目視するスタッフも配置されており、「お客様目線で様々な部分を検査している」という。
加えて、製品が不具合を起こさないか、電源のオンオフなどを何百時間も続ける「エージング槽」も公開。量産前の“量試”と呼ばれる機体は組み上がったすべての機体を300時間、量産品のファーストロットは最初の100台ほどを500時間テストする。なお、テストは室温40度と0度の両方で実施。暑い環境、寒い環境それぞれで不具合を起こさないかをチェックするという。