Thunderbolt 2搭載NASなども紹介
QNAP、最新OS「QTS 4.2」や家庭用デュアルOS NASなどの説明会を開催
QNAP(株)は、テックウインド(株)と(株)フォースメディアと共同で、新製品発表会を開催した。
QNAP社は世界的なNASメーカーとして、北米や欧州など各国で高い支持を得ており、これまで600万台を超えるNASを世界で出荷してきた。
同社ではTurbo NAS シリーズの新製品開発を進めてきたが、今回、独自OSの最新バージョンとして「QTS4.2」を開発。すでに同OSをベースとした新製品を発表しており、家庭用機器では、AndroidとQTS 4.2を搭載し、2種類のOSが相互連携しつつ同時に動作する、“世界初”となるコンボシステム搭載NAS「TAS-168」「TAS-268」(関連ニュース)を発売開始した。
そのほか、これも世界で初めてThunderbolt2.0インターフェースを備え、動画編集にも適したNAS「TVS-871」も発表。今回の発表会では、このQTS 4.2とNAS新モデルについて、さらにはQNAPの近況について、詳しく紹介が行われた。
まず発表会では冒頭、QNAP CEOのTeddy Kuo氏が挨拶した。Teddy Kuo氏は、2000年にNASの販売をはじめ、現在では第4世代になったと同社の歩みを紹介。最新モデルはインターネット接続に対応し、IoTにも対応していることを特徴として挙げた。「最新NASでは仮想化技術やAndroidなどの最新技術も搭載している」とも述べ、さらに「オープンプラットフォーム化も果たしており、今後の拡張性は無限大だ」とした。
また親会社のiEiグループが大企業であることから、その技術力をベースに製品を開発できるメリットも強調。機器の信頼性やファームウェアアップデートによる長期サポートについても言及し、「ファームウェアアップデートは最低3年間は行われ、最新の機能を使って頂けます」とアピールした。
■QNAPの概要とQNAP JAPAN設立の経緯
さらに2015年10月21日に設立されたQNAP JAPANの設立について、QNAP Sales DirectorのGeorge Chen氏が説明を行った。Chen氏は、QNAPの概要についてあらためて紹介。QNAPは2004年4月に設立されたが、資本金は約48億円で、社員数は850名。そのうち約500名が研究開発に携わっている。
世界中に拠点を持ち、北米では米国、カナダ、ヨーロッパではドイツ、イギリス、フランス、イタリア、オランダに拠点を構える。アジアでは台湾や日本のほか、中国に3拠点を持ち、ほかにインドとタイにも拠点を持っている。
Chen氏は、QNAPの販売状況についても紹介した。QNAPのワールドワイドの販売は2012年の185億円から、2015年には240億円に伸張する見込み。日本市場についても、2012年の7億円から、2015年には12億円へと、約7割成長する予測となっている。
またChen氏は「QNAPのNASは各国市場で高い評価を受けているが、日本市場でもその存在感は年々高まっており、今後、コストパフォーマンスと機能性を武器にし、エンタープライズ市場にも積極進出したい」と豊富を述べた。
Chen氏はさらに、同社のNASが小社主催「VGP」や「iF product design award」など、様々なアワードを授賞していることも紹介した。
「世界一厳しいと言われる日本のお客様に認めて頂き、より製品を磨き上げ、販売を増やしていきたい」と抱負を述べるChen氏。日本法人ではこのほか、展示会やイベントでの広報活動、パートナー向けセミナーの開催なども行っていく。
■QNAP独自のNAS向けOS「QTS4.2」
製品関連では、まずQNAP独自のNAS向けOS「QTS4.2」について、QNAP Product Management Dept.Product ManagerのDavid Tsao氏が解説した。
QTS 4.2には強力な機能を搭載した、とTsao氏は強調。大まかに言うと「データプロテクション機能」「ストレージパフォーマンスの向上」「シンプルなQNAP NASの管理」「ストレージの仮想化」の4点となる。
データプロテクション機能では、スナップショット技術を改善。特にVolume/LUNの両方を取得できるようになったことが大きく、利用中のファイルについてもスナップショットの取得が可能になった。
また「スナップショットマネージャー」も改善して使いやすさを高めたほか、スナップショットクローンの生成も可能になった。またスナップショットのリモートレプリケーションもより効率的にし、リモートのQNAP Turbo NASに更新データだけを転送することをできるようにした。さらにスナップショットVaultにより複数のNASスナップショットを保管可能にするなど、機能を大幅に高めた。
QTS 4.2ではバックアップ機能も向上。新たに「バックアップバージョニング機能」によって複数のバックアップバージョンの作成が可能になったほか、Gmailバックアップ機能も追加。個人アカウントだけでなく法人アカウントのバックアップも可能となっている。
また同期機能では、「Qsync Central Station 2.0」について紹介。Qsync Central Stationは複数のデバイス間でファイルを同期するもので、スマホやタブレット、PCとNASを接続し、NASにバックアップフォルダを作るというもの。今回の2.0では、データベースを新設計したほか同期アルゴリズムも改善し、これまでにくらべ負荷を軽減しつつ、同期のスピードを大幅に高めた。また、同期に関する設定を、IT責任者が中央管理することも可能にした。
パフォーマンス向上では「Qtier」技術が強くアピールされた。Qtierはストレージを階層化してマネージメントするシステムで、たとえばSSDとSAS、SATAを組み合わせ、最もよく使うデータをより快速なドライブに置くといった最適化を自動的に行い、全体のパフォーマンスを高めるというもの。Tsao氏は「これは素晴らしい機能」と強調し、「通常はハイエンドNASでしか使えない技術」とアピールした。
そのほかパフォーマンスでは、SSDの読み取りと書き込みのキャッシュを工夫したことも訴求。最新バージョンでは読み取りだけで無く書き込みでもキャッシュを利用することが可能になり、よりスピーディーな記録が行えるようになった。
大規模システムを組んだ場合の機能向上も果たした。「Q' CenterCentralized NAS Management」は、大量のNASをウェブベースで統合的、集中的に一元管理できるというもの。さらに複数NASのファームウェアアップデートの管理、複数NASへ同じポリシーを同時に展開することも可能だ。
さらにNAS内のコンテンツ検索機能「Qsirch」も紹介。様々なファイルタイプについてインデックス作成が行え、かんたんに検索結果をプレビューできる。
最後にストレージの仮想化が紹介された。NAS内部にバーチャルマシンを内蔵し、LinuxやAndroid、UNIXな、Windowsなど複数のOSを同一のNASで切り替えて使用できる。
また仮想化では、バーチャルマシンとLXC、Dockerの3種類のソリューションを用意していることをアピール。それぞれのメリットやデメリットを勘案しながら選択できることを紹介した。
■Android+QTSのデュアルOS搭載NAS
実際のNAS製品については、まずAndroid+QTSのデュアルOSを搭載した「TAS-168」「TAS-268」について、QNAP JAPAN マーケティング部 部長の神崎尚君氏が紹介した。
「TAS-168」「TAS-268」は、Android 4.4.4 OSとQNAP独自のQTS 4.2 OSを両方備えているNAS。これは業界初で、「2TBのHDDを搭載しており、容量不足の心配も無い」と神崎氏はアピール。メモリは2GB DDR3を採用しているほか、USBは5系統(USB3.0×1/USB2.0×4)を備えており、キーボードはもちろん、将来的な拡張性にも配慮したという。LAN端子×1、HDMI×1を装備している。
本体にはリモコンも搭載しているが、ほかにHDMIを搭載したモニターやマウス、キーボードが必要。信頼性が高く、発熱も少なく、家庭用機器としての使い勝手に配慮したこともアピールした。
ARM v7デュアルコアプロセッサー、ビデオデコーダーなども備え、「重い処理は難しいが、Android搭載メディアプレーヤーとして便利にご使用いただける」と神崎氏はアピールした。
さらに特筆すべきは4Kにも対応したことで、H.265に対応。もちろんフルHDにも対応しており、最大30fpsまでの動画を再生できる。
またGoogle Playからアプリをダウンロードすることもでき、自由にアプリを落として使うことができる。なおアプリストアでは、QNAP独自のQmarketにもアクセス可能。QNAP純正のスマートテレビ向けアプリなどをダウンロード可能だ。
QTSを使ったNASとしての使い勝手では、ウェブブラウザからのアクセスが可能で、ファイル管理や共有、コンテンツの保存・編集、ファイルダウンロード操作などがかんたんに行える。
スマホ向けのアプリも多数用意。動画や音楽再生、ファイル操作、ファイルのダウンロードなどをアプリで操作できる。
■Thunderbolt 2.0対応NAS/DAS
続いて、Thunderbolt 2.0対応NASによるDAS+NASハイブリッドソリューション「TVS-871T」について、QNAP製品の販売代理店であるテックウインド(株)より、営業本部 PM二部の野嵜太郎氏が登壇し、説明を行った。
ThunderboltはMacやWindowsで使われているインターフェースで、その最新バージョンであるThunderbolt 2.0は20Gb/sの伝送速度を誇る。野嵜氏は「ネットワーク系で最も普及しているインターフェースはおそらくギガビットイーサネットで、速度は1Gb/sだが、これがボトルネックになっているケースがある」と説明した。
そこでQNAPが着目したのがThunderbolt。これまでThunderbolt対応ストレージは、すべてブロックベースのDAS(直接接続型ストレージ)だったが、QNAPでは世界初のThunderbolt 2.0対応NAS「TVS-871T」を開発。非常に高速なデータ伝送を可能にした。
USB 3.0で外付けHDDへ10GBのファイルをコピーした場合、約150秒かかるところ、Thunderbolt 2でDAS接続した際のコピーでは、約11秒で終了する。
具体的には、20Gb/sのThunderbolt 2ケーブルを介して、IP over Thunderboltプロトコルでデータ転送するユニークな製品。プロセッサーにはCore i7 4790S クアッドコア(3.2GHz)を備え、メモリは16GB。
Thunderbolt 2.0端子を2端子装備しているほか、通常のイーサネットインターフェースも備え、10Gbイーサネットポートも2端子、1Gbイーサネットポートも4系統を装備。「ちょっとオーバースペックなほどの仕様で、隙の無い構成になっている」(野嵜氏)とした。
拡張ユニットも用意し、最大6台のユニットをデイジーチェーン接続可能。最大448TBのシステムを構築できる。
さらに3通りの接続方法に対応したことも特徴で、DAS、NAS、iSCSI SANでの接続が行える。
活用シーンとしては、Mac Proと直接本機を接続し、保存したデータをイーサネットで他デバイスと共有したり、2台のMacやWindows PCで共同編集を行うなどのシナリオが紹介された。
最後に、自動ティアリング機能を搭載した12Gbps SASインターフェース対応NASについて、(株)フォースメディア ビジネス開発部の日置 敬介氏が紹介した。
日置氏はフォースメディアに入社してまだ1ヶ月程度とのことだが、「その間にも多数の製品が発表され、QNAPの開発力の高さを見せつけられた」と述べた。
日置氏が紹介したのはラックマウントタイプの製品で、「QNAPは実はラックマウントも豊富にラインナップしており、1Uの4ベイ製品から24ベイまで用意している」と紹介。中でも今回の新製品「ECx80-SAS」は最上位機にあたるモデルで、12Gb/sのSASを搭載したことが大きな特徴。これまでの製品に比べ37%のパフォーマンス向上を果たした。
ECx80-SASは、上述した「QTier」技術が利用可能。スピードの異なる複数のストレージデバイスを組み合わせ、OS側でデータの利用頻度に応じて自動的にデータの置き場所を変えることで、効率的なストレージ利用が行える。たとえば高速だが高価なSSDと、安価で大容量なHDDを組み合わせることで、高コストパフォーマンスなNAS構築が可能となる。
QNAP社は世界的なNASメーカーとして、北米や欧州など各国で高い支持を得ており、これまで600万台を超えるNASを世界で出荷してきた。
同社ではTurbo NAS シリーズの新製品開発を進めてきたが、今回、独自OSの最新バージョンとして「QTS4.2」を開発。すでに同OSをベースとした新製品を発表しており、家庭用機器では、AndroidとQTS 4.2を搭載し、2種類のOSが相互連携しつつ同時に動作する、“世界初”となるコンボシステム搭載NAS「TAS-168」「TAS-268」(関連ニュース)を発売開始した。
そのほか、これも世界で初めてThunderbolt2.0インターフェースを備え、動画編集にも適したNAS「TVS-871」も発表。今回の発表会では、このQTS 4.2とNAS新モデルについて、さらにはQNAPの近況について、詳しく紹介が行われた。
まず発表会では冒頭、QNAP CEOのTeddy Kuo氏が挨拶した。Teddy Kuo氏は、2000年にNASの販売をはじめ、現在では第4世代になったと同社の歩みを紹介。最新モデルはインターネット接続に対応し、IoTにも対応していることを特徴として挙げた。「最新NASでは仮想化技術やAndroidなどの最新技術も搭載している」とも述べ、さらに「オープンプラットフォーム化も果たしており、今後の拡張性は無限大だ」とした。
また親会社のiEiグループが大企業であることから、その技術力をベースに製品を開発できるメリットも強調。機器の信頼性やファームウェアアップデートによる長期サポートについても言及し、「ファームウェアアップデートは最低3年間は行われ、最新の機能を使って頂けます」とアピールした。
■QNAPの概要とQNAP JAPAN設立の経緯
さらに2015年10月21日に設立されたQNAP JAPANの設立について、QNAP Sales DirectorのGeorge Chen氏が説明を行った。Chen氏は、QNAPの概要についてあらためて紹介。QNAPは2004年4月に設立されたが、資本金は約48億円で、社員数は850名。そのうち約500名が研究開発に携わっている。
世界中に拠点を持ち、北米では米国、カナダ、ヨーロッパではドイツ、イギリス、フランス、イタリア、オランダに拠点を構える。アジアでは台湾や日本のほか、中国に3拠点を持ち、ほかにインドとタイにも拠点を持っている。
Chen氏は、QNAPの販売状況についても紹介した。QNAPのワールドワイドの販売は2012年の185億円から、2015年には240億円に伸張する見込み。日本市場についても、2012年の7億円から、2015年には12億円へと、約7割成長する予測となっている。
またChen氏は「QNAPのNASは各国市場で高い評価を受けているが、日本市場でもその存在感は年々高まっており、今後、コストパフォーマンスと機能性を武器にし、エンタープライズ市場にも積極進出したい」と豊富を述べた。
Chen氏はさらに、同社のNASが小社主催「VGP」や「iF product design award」など、様々なアワードを授賞していることも紹介した。
「世界一厳しいと言われる日本のお客様に認めて頂き、より製品を磨き上げ、販売を増やしていきたい」と抱負を述べるChen氏。日本法人ではこのほか、展示会やイベントでの広報活動、パートナー向けセミナーの開催なども行っていく。
■QNAP独自のNAS向けOS「QTS4.2」
製品関連では、まずQNAP独自のNAS向けOS「QTS4.2」について、QNAP Product Management Dept.Product ManagerのDavid Tsao氏が解説した。
QTS 4.2には強力な機能を搭載した、とTsao氏は強調。大まかに言うと「データプロテクション機能」「ストレージパフォーマンスの向上」「シンプルなQNAP NASの管理」「ストレージの仮想化」の4点となる。
データプロテクション機能では、スナップショット技術を改善。特にVolume/LUNの両方を取得できるようになったことが大きく、利用中のファイルについてもスナップショットの取得が可能になった。
また「スナップショットマネージャー」も改善して使いやすさを高めたほか、スナップショットクローンの生成も可能になった。またスナップショットのリモートレプリケーションもより効率的にし、リモートのQNAP Turbo NASに更新データだけを転送することをできるようにした。さらにスナップショットVaultにより複数のNASスナップショットを保管可能にするなど、機能を大幅に高めた。
QTS 4.2ではバックアップ機能も向上。新たに「バックアップバージョニング機能」によって複数のバックアップバージョンの作成が可能になったほか、Gmailバックアップ機能も追加。個人アカウントだけでなく法人アカウントのバックアップも可能となっている。
また同期機能では、「Qsync Central Station 2.0」について紹介。Qsync Central Stationは複数のデバイス間でファイルを同期するもので、スマホやタブレット、PCとNASを接続し、NASにバックアップフォルダを作るというもの。今回の2.0では、データベースを新設計したほか同期アルゴリズムも改善し、これまでにくらべ負荷を軽減しつつ、同期のスピードを大幅に高めた。また、同期に関する設定を、IT責任者が中央管理することも可能にした。
パフォーマンス向上では「Qtier」技術が強くアピールされた。Qtierはストレージを階層化してマネージメントするシステムで、たとえばSSDとSAS、SATAを組み合わせ、最もよく使うデータをより快速なドライブに置くといった最適化を自動的に行い、全体のパフォーマンスを高めるというもの。Tsao氏は「これは素晴らしい機能」と強調し、「通常はハイエンドNASでしか使えない技術」とアピールした。
そのほかパフォーマンスでは、SSDの読み取りと書き込みのキャッシュを工夫したことも訴求。最新バージョンでは読み取りだけで無く書き込みでもキャッシュを利用することが可能になり、よりスピーディーな記録が行えるようになった。
大規模システムを組んだ場合の機能向上も果たした。「Q' CenterCentralized NAS Management」は、大量のNASをウェブベースで統合的、集中的に一元管理できるというもの。さらに複数NASのファームウェアアップデートの管理、複数NASへ同じポリシーを同時に展開することも可能だ。
さらにNAS内のコンテンツ検索機能「Qsirch」も紹介。様々なファイルタイプについてインデックス作成が行え、かんたんに検索結果をプレビューできる。
最後にストレージの仮想化が紹介された。NAS内部にバーチャルマシンを内蔵し、LinuxやAndroid、UNIXな、Windowsなど複数のOSを同一のNASで切り替えて使用できる。
また仮想化では、バーチャルマシンとLXC、Dockerの3種類のソリューションを用意していることをアピール。それぞれのメリットやデメリットを勘案しながら選択できることを紹介した。
■Android+QTSのデュアルOS搭載NAS
実際のNAS製品については、まずAndroid+QTSのデュアルOSを搭載した「TAS-168」「TAS-268」について、QNAP JAPAN マーケティング部 部長の神崎尚君氏が紹介した。
「TAS-168」「TAS-268」は、Android 4.4.4 OSとQNAP独自のQTS 4.2 OSを両方備えているNAS。これは業界初で、「2TBのHDDを搭載しており、容量不足の心配も無い」と神崎氏はアピール。メモリは2GB DDR3を採用しているほか、USBは5系統(USB3.0×1/USB2.0×4)を備えており、キーボードはもちろん、将来的な拡張性にも配慮したという。LAN端子×1、HDMI×1を装備している。
本体にはリモコンも搭載しているが、ほかにHDMIを搭載したモニターやマウス、キーボードが必要。信頼性が高く、発熱も少なく、家庭用機器としての使い勝手に配慮したこともアピールした。
ARM v7デュアルコアプロセッサー、ビデオデコーダーなども備え、「重い処理は難しいが、Android搭載メディアプレーヤーとして便利にご使用いただける」と神崎氏はアピールした。
さらに特筆すべきは4Kにも対応したことで、H.265に対応。もちろんフルHDにも対応しており、最大30fpsまでの動画を再生できる。
またGoogle Playからアプリをダウンロードすることもでき、自由にアプリを落として使うことができる。なおアプリストアでは、QNAP独自のQmarketにもアクセス可能。QNAP純正のスマートテレビ向けアプリなどをダウンロード可能だ。
QTSを使ったNASとしての使い勝手では、ウェブブラウザからのアクセスが可能で、ファイル管理や共有、コンテンツの保存・編集、ファイルダウンロード操作などがかんたんに行える。
スマホ向けのアプリも多数用意。動画や音楽再生、ファイル操作、ファイルのダウンロードなどをアプリで操作できる。
■Thunderbolt 2.0対応NAS/DAS
続いて、Thunderbolt 2.0対応NASによるDAS+NASハイブリッドソリューション「TVS-871T」について、QNAP製品の販売代理店であるテックウインド(株)より、営業本部 PM二部の野嵜太郎氏が登壇し、説明を行った。
ThunderboltはMacやWindowsで使われているインターフェースで、その最新バージョンであるThunderbolt 2.0は20Gb/sの伝送速度を誇る。野嵜氏は「ネットワーク系で最も普及しているインターフェースはおそらくギガビットイーサネットで、速度は1Gb/sだが、これがボトルネックになっているケースがある」と説明した。
そこでQNAPが着目したのがThunderbolt。これまでThunderbolt対応ストレージは、すべてブロックベースのDAS(直接接続型ストレージ)だったが、QNAPでは世界初のThunderbolt 2.0対応NAS「TVS-871T」を開発。非常に高速なデータ伝送を可能にした。
USB 3.0で外付けHDDへ10GBのファイルをコピーした場合、約150秒かかるところ、Thunderbolt 2でDAS接続した際のコピーでは、約11秒で終了する。
具体的には、20Gb/sのThunderbolt 2ケーブルを介して、IP over Thunderboltプロトコルでデータ転送するユニークな製品。プロセッサーにはCore i7 4790S クアッドコア(3.2GHz)を備え、メモリは16GB。
Thunderbolt 2.0端子を2端子装備しているほか、通常のイーサネットインターフェースも備え、10Gbイーサネットポートも2端子、1Gbイーサネットポートも4系統を装備。「ちょっとオーバースペックなほどの仕様で、隙の無い構成になっている」(野嵜氏)とした。
拡張ユニットも用意し、最大6台のユニットをデイジーチェーン接続可能。最大448TBのシステムを構築できる。
さらに3通りの接続方法に対応したことも特徴で、DAS、NAS、iSCSI SANでの接続が行える。
活用シーンとしては、Mac Proと直接本機を接続し、保存したデータをイーサネットで他デバイスと共有したり、2台のMacやWindows PCで共同編集を行うなどのシナリオが紹介された。
最後に、自動ティアリング機能を搭載した12Gbps SASインターフェース対応NASについて、(株)フォースメディア ビジネス開発部の日置 敬介氏が紹介した。
日置氏はフォースメディアに入社してまだ1ヶ月程度とのことだが、「その間にも多数の製品が発表され、QNAPの開発力の高さを見せつけられた」と述べた。
日置氏が紹介したのはラックマウントタイプの製品で、「QNAPは実はラックマウントも豊富にラインナップしており、1Uの4ベイ製品から24ベイまで用意している」と紹介。中でも今回の新製品「ECx80-SAS」は最上位機にあたるモデルで、12Gb/sのSASを搭載したことが大きな特徴。これまでの製品に比べ37%のパフォーマンス向上を果たした。
ECx80-SASは、上述した「QTier」技術が利用可能。スピードの異なる複数のストレージデバイスを組み合わせ、OS側でデータの利用頻度に応じて自動的にデータの置き場所を変えることで、効率的なストレージ利用が行える。たとえば高速だが高価なSSDと、安価で大容量なHDDを組み合わせることで、高コストパフォーマンスなNAS構築が可能となる。