「火花」は半分が海外からの視聴
NetflixのCEOが来日、「火花」成功に自信を見せる。下半期の独自コンテンツも発表
Netflixは本日、六本木のニコファーレでプレスを対象とした特別プレゼンテーション&イベントを実施。豪華出演者による下半期のコンテンツ発表会を実施した。6月3日より配信を開始したNetflixオリジナルドラマで、ピース・又吉直樹原作『火花』の視聴数の半数が海外からの視聴ということも明らかにされた。
■リード・ヘイスティングスCEOは日本を「ネット大国」と絶賛
プレゼンテーションの最初に登壇したのは、NetflixのCEOであるリード・ヘイスティングス氏。氏は「ここに来られて光栄」と挨拶し、北海道・利尻島を訪れても70Mbpsの高速インターネットが使えるとして日本のネット環境の整備を絶賛。「19年前、1997年にインターネットがダイヤルアップだった時代に映像ストリーミングの未来が来ることを予見し、“DVD by Mail"ではなく“Netflix"という社名にした」と振り返った。
また同氏は「NetflixによりインターネットTVはよりパーソナルなものになった。HDはもちろん、4Kというさらなる上の画質を楽しむこともできる。そして『マルコポーロ』のようなコンテンツでは20カ国語の字幕や音声で楽しめる。非常に高い自由度を持ったサービス」とアピール。「TSUTAYA」「Hulu」「Amazon」「NHK」「テレビ朝日」らがインターネットサービスを手掛ける日本の市場の素晴らしさを語ると共に、全世界8,100万人の会員を擁するNetflixの規模を強調した。
■テッド・サランドスCOOがNetflixの新作とコンテンツネットワークを紹介
続いて登壇した、同社COOでコンテンツ部門最高責任者のテッド・サランドス氏は、同社のメディアビジネスについて言及。
「Netflixはケビン・スペイシーとロビン・ライト主演『ハウス・オブ・カード 野望の階段』でエミー賞を獲得してから、4年間で150ものオリジナル作品がエミー賞にノミネートされた。ドキュメンタリー映画でも4つのノミネートを獲得した」と多彩な番組展開を紹介した。
Netflixでは現在連続ドラマは40本、ドキュメンタリーは65本を制作中とのこと。「我々は優れた脚本家を見つけて、彼らが自由に創作できる環境を提供したい」と同氏は語る。
その一例として、バズ・ラーマン監督の新作『ゲット・ダウン』、スティーブン・ダルドリー監督『ザ・クラウン』が11月から公開になることが挙げられた。韓国のポン・ジュノ監督作品や、カンボジアで制作したアンジェリーナ・ジョリー監督作品、さらにブラッド・ピッドやウィル・スミス主演の作品も手掛ける予定と明かした。
■MARVEL作品『Marvel ルーク・ケイジ』の主演俳優マイク・コルターが登壇
続いて、9月30日から配信予定のNetflixオリジナル作品『Marvel ルーク・ケイジ』の主演俳優であるマイク・コルター氏が登場。
自身の演じるルーク・ケイジについて、「超人的な耐久力と力を手に入れ、過去から逃げるため戦おうとするキャラクターだ」と紹介。作品のアクションシーンについて「この頭(スキンヘッド)ではウィッグを被ってのスタントもできないから(笑)、90%が自分のままで演じることになって嬉しかった。ただ、鋼鉄の皮膚を持つルーク・ケイジとはちがって自分は生身なので、顔をバットで殴られるという場面の撮影では、割れたバットの破片が顔にあたったときに、ルークのキャラを忘れて思わず『痛い』という顔をしてしまった」と撮影時のエピソードを語った。
■『オレンジ・イズ・ニューブラック』の主演俳優らが登壇
6月17日からシーズン4が配信中のNetflixオリジナル作品『オレンジ・イズ・ニューブラック』のキャストから、ウゾ・アドゥーバ(スーザン役)と、ルビー・ローズ(ステラ役)も登壇した。
ウゾ氏は作品の魅力を「年齢、性別、体のサイズまで異なるキャラクターが多数登場していて、それぞれに自分と同じところを見つけられる。リアルな人間の物語」と語った。
シーズン4からの新キャストであるルビー氏は「本当に『ハンガー・ゲーム』のような現場でみんな自分のことばかり考えていて……というのは冗談で(笑)、本当に家族のような現場。自分も作品の大ファンなので嬉しい』と新シーズンへの期待を語った。
さらにイベント会場には、ファン代表として歌手のBENIさんが登場、主題歌「You've Got Time」のミニライブを披露した。
■70年代ニューヨークのディスコを舞台にした『ゲット・ダウン』
Netflixオリジナル作品として8月12日よりパート1が公開されるバズ・ラーマン監督の『ゲットダウン』からが、アソシエイトプロデューサー兼振付師のリッチ&トーン・タローガ氏が登場。「バズ・ラーマン監督の『ロミオ&ジュリエット』は過去で見た映画で一番の作品で、彼ほど物語を語る才能に優れた人はいない」と絶賛した。
ジャパン・アンバサダーに就任したEXILEのUSA氏から「70年台のディスコのダンスをどのように再現したのか」とダンサーらしい鋭い質問を受けると、「70年代は自分たちが見ていた時代というのもあるし、インターネットによるリサーチだけでなく、当時活躍したダンサーから人から話を聴いた」とその過程を細かく語った。
■日本のアニメコンテンツも世界に発信。『シドニアの騎士』は8割海外視聴
Netflix 日本法人社長のグレッグ・ピーターズ氏も登場。「世界中の人々に、世界各地で作られた、世界最高の作品を配信する」という同社コンテンツ提供の考え方を紹介した。そこにはもちろん日本で制作されたものも含まれ、『テラスハウス』『アンダーウェア』といった日本のNetflix作品は台湾、香港、フィリピン、そしてヨーロッパやアメリカでも見られていると紹介した。
アニメ作品についてもコメント。Netflixが日本でサービスインする前から米国で配信されていた『シドニアの騎士』については、80%が日本国外から観られていると紹介。今年配信がスタートした『亜人』についても同じ割合になることを期待しているという。他にも石ノ森章太郎作品の『サイボーグ009 VS デビルマン』、『クロムクロ』、『マギ シンドバッドの冒険』などの作品も配信。新作『パーフェクト・ボーンズ』ではプロダクジョンIGと組むことで、アニメ作品としては初めて、世界同時配信を行っていくという。
世界中で大ヒットとなった『火花』も、「4K/HDR画質で配信するために映画のような撮影を行った。日本的な作品だが台湾、香港、東南アジア、メキシコ、カナダ、ドイツ、アメリカと世界中に配信している。その鍵となるのはNetflixのレコメンド機能だ」と語った。
なお10月21日には『深夜食堂』の新シーズンが世界190カ国の作品が配信される予定となっているという。
■『火花』の主要男性キャストが集合
最後に『火花』のキャストから林 遣都さん、波岡一喜さん、好井まさおさん、村田秀亮さんらが登場。主役の林 遣都さんは、視聴者の半分が海外からということについて感想を聞かれると「撮影が始まる前はそんなこと想像していなくて、いつもと変わらずがむしゃらにやっていました。今日海外に活躍されているアーティストさん、俳優さんと一緒にイベントに出席できて本当に驚きです」とコメント。
波岡一喜氏は「いま渋谷が『火花』でジャックされているんですけど、4人で写真を撮ってきたら写真をお願いした人に『火花全話観ました』と言われて。近くにも見ている人がいました」「ツイッターに英語でリプライがあったんですよ。ダーっと書いている一番下にHibanaと書いてあった」と反響を語った。
なおNetflixはグローバルでコンテンツを制作し、会員を増やすために投資している額が60億ドル以上と、TV局の1時間番組にはない巨額の予算が費やされていることも紹介かれた。日本発の作品も含め、Netflixによるオリジナル作品に今後とも注目だ。
■リード・ヘイスティングスCEOは日本を「ネット大国」と絶賛
プレゼンテーションの最初に登壇したのは、NetflixのCEOであるリード・ヘイスティングス氏。氏は「ここに来られて光栄」と挨拶し、北海道・利尻島を訪れても70Mbpsの高速インターネットが使えるとして日本のネット環境の整備を絶賛。「19年前、1997年にインターネットがダイヤルアップだった時代に映像ストリーミングの未来が来ることを予見し、“DVD by Mail"ではなく“Netflix"という社名にした」と振り返った。
また同氏は「NetflixによりインターネットTVはよりパーソナルなものになった。HDはもちろん、4Kというさらなる上の画質を楽しむこともできる。そして『マルコポーロ』のようなコンテンツでは20カ国語の字幕や音声で楽しめる。非常に高い自由度を持ったサービス」とアピール。「TSUTAYA」「Hulu」「Amazon」「NHK」「テレビ朝日」らがインターネットサービスを手掛ける日本の市場の素晴らしさを語ると共に、全世界8,100万人の会員を擁するNetflixの規模を強調した。
■テッド・サランドスCOOがNetflixの新作とコンテンツネットワークを紹介
続いて登壇した、同社COOでコンテンツ部門最高責任者のテッド・サランドス氏は、同社のメディアビジネスについて言及。
「Netflixはケビン・スペイシーとロビン・ライト主演『ハウス・オブ・カード 野望の階段』でエミー賞を獲得してから、4年間で150ものオリジナル作品がエミー賞にノミネートされた。ドキュメンタリー映画でも4つのノミネートを獲得した」と多彩な番組展開を紹介した。
Netflixでは現在連続ドラマは40本、ドキュメンタリーは65本を制作中とのこと。「我々は優れた脚本家を見つけて、彼らが自由に創作できる環境を提供したい」と同氏は語る。
その一例として、バズ・ラーマン監督の新作『ゲット・ダウン』、スティーブン・ダルドリー監督『ザ・クラウン』が11月から公開になることが挙げられた。韓国のポン・ジュノ監督作品や、カンボジアで制作したアンジェリーナ・ジョリー監督作品、さらにブラッド・ピッドやウィル・スミス主演の作品も手掛ける予定と明かした。
■MARVEL作品『Marvel ルーク・ケイジ』の主演俳優マイク・コルターが登壇
続いて、9月30日から配信予定のNetflixオリジナル作品『Marvel ルーク・ケイジ』の主演俳優であるマイク・コルター氏が登場。
自身の演じるルーク・ケイジについて、「超人的な耐久力と力を手に入れ、過去から逃げるため戦おうとするキャラクターだ」と紹介。作品のアクションシーンについて「この頭(スキンヘッド)ではウィッグを被ってのスタントもできないから(笑)、90%が自分のままで演じることになって嬉しかった。ただ、鋼鉄の皮膚を持つルーク・ケイジとはちがって自分は生身なので、顔をバットで殴られるという場面の撮影では、割れたバットの破片が顔にあたったときに、ルークのキャラを忘れて思わず『痛い』という顔をしてしまった」と撮影時のエピソードを語った。
■『オレンジ・イズ・ニューブラック』の主演俳優らが登壇
6月17日からシーズン4が配信中のNetflixオリジナル作品『オレンジ・イズ・ニューブラック』のキャストから、ウゾ・アドゥーバ(スーザン役)と、ルビー・ローズ(ステラ役)も登壇した。
ウゾ氏は作品の魅力を「年齢、性別、体のサイズまで異なるキャラクターが多数登場していて、それぞれに自分と同じところを見つけられる。リアルな人間の物語」と語った。
シーズン4からの新キャストであるルビー氏は「本当に『ハンガー・ゲーム』のような現場でみんな自分のことばかり考えていて……というのは冗談で(笑)、本当に家族のような現場。自分も作品の大ファンなので嬉しい』と新シーズンへの期待を語った。
さらにイベント会場には、ファン代表として歌手のBENIさんが登場、主題歌「You've Got Time」のミニライブを披露した。
■70年代ニューヨークのディスコを舞台にした『ゲット・ダウン』
Netflixオリジナル作品として8月12日よりパート1が公開されるバズ・ラーマン監督の『ゲットダウン』からが、アソシエイトプロデューサー兼振付師のリッチ&トーン・タローガ氏が登場。「バズ・ラーマン監督の『ロミオ&ジュリエット』は過去で見た映画で一番の作品で、彼ほど物語を語る才能に優れた人はいない」と絶賛した。
ジャパン・アンバサダーに就任したEXILEのUSA氏から「70年台のディスコのダンスをどのように再現したのか」とダンサーらしい鋭い質問を受けると、「70年代は自分たちが見ていた時代というのもあるし、インターネットによるリサーチだけでなく、当時活躍したダンサーから人から話を聴いた」とその過程を細かく語った。
■日本のアニメコンテンツも世界に発信。『シドニアの騎士』は8割海外視聴
Netflix 日本法人社長のグレッグ・ピーターズ氏も登場。「世界中の人々に、世界各地で作られた、世界最高の作品を配信する」という同社コンテンツ提供の考え方を紹介した。そこにはもちろん日本で制作されたものも含まれ、『テラスハウス』『アンダーウェア』といった日本のNetflix作品は台湾、香港、フィリピン、そしてヨーロッパやアメリカでも見られていると紹介した。
アニメ作品についてもコメント。Netflixが日本でサービスインする前から米国で配信されていた『シドニアの騎士』については、80%が日本国外から観られていると紹介。今年配信がスタートした『亜人』についても同じ割合になることを期待しているという。他にも石ノ森章太郎作品の『サイボーグ009 VS デビルマン』、『クロムクロ』、『マギ シンドバッドの冒険』などの作品も配信。新作『パーフェクト・ボーンズ』ではプロダクジョンIGと組むことで、アニメ作品としては初めて、世界同時配信を行っていくという。
世界中で大ヒットとなった『火花』も、「4K/HDR画質で配信するために映画のような撮影を行った。日本的な作品だが台湾、香港、東南アジア、メキシコ、カナダ、ドイツ、アメリカと世界中に配信している。その鍵となるのはNetflixのレコメンド機能だ」と語った。
なお10月21日には『深夜食堂』の新シーズンが世界190カ国の作品が配信される予定となっているという。
■『火花』の主要男性キャストが集合
最後に『火花』のキャストから林 遣都さん、波岡一喜さん、好井まさおさん、村田秀亮さんらが登場。主役の林 遣都さんは、視聴者の半分が海外からということについて感想を聞かれると「撮影が始まる前はそんなこと想像していなくて、いつもと変わらずがむしゃらにやっていました。今日海外に活躍されているアーティストさん、俳優さんと一緒にイベントに出席できて本当に驚きです」とコメント。
波岡一喜氏は「いま渋谷が『火花』でジャックされているんですけど、4人で写真を撮ってきたら写真をお願いした人に『火花全話観ました』と言われて。近くにも見ている人がいました」「ツイッターに英語でリプライがあったんですよ。ダーっと書いている一番下にHibanaと書いてあった」と反響を語った。
なおNetflixはグローバルでコンテンツを制作し、会員を増やすために投資している額が60億ドル以上と、TV局の1時間番組にはない巨額の予算が費やされていることも紹介かれた。日本発の作品も含め、Netflixによるオリジナル作品に今後とも注目だ。