ロングセラーモデルAH-C710の後継機種が登場
デノン、特許機構“デュアルエアーコンプレッションドライバー”採用イヤホン「AH-C820」など3機種
AH-C820は、デノンのイヤホン・ラインナップ全体においても最上位のモデルとなる。新開発の11.5mmダイナミック型ネオジウムドライバー2基を用いた「デュアルエアーコンプレッションドライバー」方式を採用する。
このデュアルエアーコンプレッションドライバーは、2基のドライバーを1つのハウジング内で対向配置して、同相で接続。これにより振動板面積が2倍となり、動かされる空気の量も倍増、豊かな低音再生を実現するという。
本技術はデノンの特許技術とのことだが、2基のダイナミックドライバーを対向配置させたイヤホンは他社にも存在している。成沢氏は、こうした他社イヤホンに対するデュアルエアーコンプレッションドライバー方式の優位性について以下のように説明する。
「2基のダイナミックドライバーを対向配置させる他社のイヤホンには、2基のドライバーを逆相で接続するプッシュプル方式を採用しているものがあります。この方法にはいくつかの欠点があります。まず、ドライバーの背面からアウトプットを取らなくてはいけないため、中高域の鮮度が失われてしまいます。さらにプッシュプル方式では、駆動時の振動板面積はドライバー1基分になってしまうのです」(成沢氏)。
また、本機の2基のドライバーには、2本のケーブルがそれぞれ直接接続される「デュアルダイレクトケーブル」仕様を採用する(片chに2本のケーブルが接続されているかたちになる)。この方法では各々のドライバーに対してグランド線/信号線をダイレクト接続することになるため、相互干渉を最小限に抑えるができる。成沢氏は「スピーカーシステムで言うところのバイワイヤリングと同じです」と説明する。
なお、ケーブルは着脱には非対応で、ケーブル部には耐久性に優れたハイグレードOFCケーブルを用いている。
イヤホン振動板の前後の音圧バランスを調整することによって最適な音響特性を実現するデュアル・アコースティック・オプティマイザーも搭載している。
筐体については、耳孔にジャストフィットすることが配慮されたエルゴノミクス・デザインを採用。
ハウジングはアルミダイキャストによるハイブリット構造として、不要振動を排除している。具体的には、2基のユニットを備えるハウジング部に樹脂とアルミダイキャストを、ハウジングを支えるアーム部にアルミダイキャストが用いている。
イヤーチップは、2層シリコン製イヤーチップが4サイズ(XS、S、M、L)に加えて、低反発素材のコンプライ製イヤーチップが付属する。新開発の巻き付け型キャリングケースも付属している。
インピーダンスは16Ω、感度は115dB/mW、最大入力は250mW、周波数特性は4Hz〜40kHz、質量は10.4g(ケーブル含まず)となる。
■「AH-C720」 - 11.5mmネオジウムドライバー/OFCケーブルを採用したスタンダード機
AH-C720は、新開発11.5mmダイナミック型ネオジウム・ドライバーを1基搭載したイヤホン。本機も振動板の前後の音圧バランスを調整するアコースティックオプティマイザーを採用する。
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関連リンク
- ジャンルヘッドホン(単体)
- ブランドDENON
- 型番AH-C820
- 発売日2016年9月上旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格22,000円前後)
【SPEC】●ドライバー:φ11.5mmダイナミック型ネオジウムドライバー×2 ●インピーダンス:16Ω ●感度:115dB/mW ●最大入力:250mW ●周波数特性:4Hz〜40kHz ●質量:10.4g(ケーブル含まず)
- ジャンルヘッドホン(単体)
- ブランドDENON
- 型番AH-C720
- 発売日2016年9月上旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格15,000円前後)
【SPEC】●ドライバー:φ11.5mmダイナミック型ネオジウムドライバー ●インピーダンス:16Ω ●感度:110dB/mW ●最大入力:250mW ●周波数特性:5Hz〜40kHz ●質量:8.6g(ケーブル含まず)
- ジャンルヘッドホン(単体)
- ブランドDENON
- 型番AH-C620R
- 発売日2016年9月上旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格10,000円前後)
【SPEC】●ドライバー:φ11.5mmダイナミック型ネオジウムドライバー ●インピーダンス:16Ω ●感度:110dB/mW ●最大入力:250mW ●周波数特性:6Hz〜40kHz ●質量:6.6g(ケーブル含まず)