ライン出力専用端子やUSB type C端子も搭載
Astell&Kern、“第3のライン” の新DAP「KANN」国内発表。AK380AMP相当のアンプ内蔵
アユートは本日、同社が取り扱うAstell&Kernの新製品発表会を開催。新たなハイレゾポータブルプレーヤー「KANN」を発表した。
本機は先行して米国で発表されていたが(関連ニュース)、日本国内でも発売がアナウンスされたかたち。カラーはAstro SilverとEos Blueの2色を用意する。
現時点で日本国内での販売価格および発売時期は未定。ただし発表会場では、Astro Silverが5月中旬、Eos Blueが6月に発売の見通しとコメント。グローバルでの販売価格は999ドルだが、国内では市場想定売価12万円前後になる見込みとも語られた。価格と発売時期は正式決定後改めてアナウンスされる。
Astell&Kernはこれまで、AK380やAK300などを含む「コア・ライン」、AK70を含む「カジュアル・ライン」の2ラインで製品を展開してきたが、このKANNは新しく立ち上げられた「パフォーマンス・ライン」に位置付けられる製品だ。
KANNのコンセプトは「1台で全てをまかなえる豊富な機能性」であり、「AK380AMP」相当という強力なヘッドホンアンプの内蔵、SDカードスロットやUSB端子の拡充、ライン出力専用端子の搭載などを実現。一方でこれまで旗艦機AK380のみが対応していたDSDのネイティブ再生に対応するなど、DAPとしての基本機能も向上させている。ボディにはアルミ押し出し材を用いた。以下に詳細を説明する。
DACは、旭化成エレクトロニクス(AKM)「AK4490」を1基搭載する。AK4490はAK380やAK300も採用しており、1基搭載という構成はAK300と同様。
一方、AK300がDSDはPCM変換再生、PCMもネイティブ再生が192kHz/24bitまでだったのに対して、KANNは最大11.2MHzのDSDおよび384kHz/32bitのPCMをネイティブ再生できる。
上位機と同様に、VCXOクロック(電圧制御水晶発振器)を搭載。200femto秒という超低ジッターも実現する。ソフトウェア、GUI(操作画面)は従来のAK380などと共通となる。
■外付けアンプ「AK380AMP」相当のヘッドホンアンプを搭載
ヘッドホン出力端子は3.5mmアンバランスと2.5mmバランスの2端子を搭載。いずれも低インピーダンス設計となっており、3.5mm端子は0.65Ω、2.5mm端子は1.3Ω。
強力なヘッドホンアンプを内蔵したことも特徴。KANNのヘッドホンアンプはAK380用の外付けヘッドホンアンプ「AK380AMP」に相当するものだという。具体的にはAK380アンプの最大出力が8.1V RMS(バランス)/4.1V RMS(アンバランス)に対して、KANNの最大出力は7.0V RMS(バランス)/4.0V RM2(アンバランス)となる。
ゲイン切替機能も備えており、ノーマル/ハイを切り替えることも可能。ハイインピーダンスなヘッドホンも駆動できるとしている。
■ライン出力専用端子を搭載。SDスロット&USB端子も拡充
ヘッドホン出力とは別に、3.5mmと2.5mmのライン出力(ボリューム固定)も搭載。こちらはボリュームおよびヘッドホンアンプをバイパスしてのライン出力となり、3.5mmはアンバランス、2.5mmはバランスとなる。3.5mm端子と2.5mm端子の両方を用いて接続する、XLRバランス出力用の専用ケーブルも使用することができる。
SDカードスロットは、フルサイズSDカード用とmicroSD用を独立して搭載。SDカードはそれぞれ256GBまで対応(512GBは検証中とのこと)。内蔵メモリーは64GBを搭載。最大で576GBまでの容量拡張が可能となる。
USB端子も、USB type C(充電/データ転送用)とUSB microB(USBオーディオ出力/USB-DAC入力/CDリッパー接続用)の2系統を備えている。USBオーディオ出力はクラス2.0仕様で、最大384kHz/32bit PCMおよび5.6MHz DSD(DoP出力)に対応。USB-DAC機能は、最大で384kHz/32bit PCMおよび5.6MHz DSDに対応する。
なお、充電/伝送用USB端子とオーディオ用USB端子が別系統になっているので、充電を行いながらUSBオーディオ出力を行うといった使い方も可能だ。
■6,200mAhの大容量バッテリーを内蔵。急速充電にも対応
6,200mAhの大容量バッテリーを内蔵したことも特徴(AK380のバッテリー容量は3,400mAh)。最大14時間の再生が行える。通常充電(5V 2A)に加えて、急速充電(9V 1.67A)にも対応し、1時間の充電で焼く6.5時間の再生が可能となる。
ディスプレイは4インチ・タッチスクリーンで、解像度は800×400。物理ボタンはディスプレイ下に配置し、再生・曲送り・曲戻しに加えて、ホームボタン(〇ボタン)も物理ボタンとして搭載している。本体右側面に備えたジョグダイヤルが、ボリュームノブとなる。
BluetoothはaptX HDに対応。Wi-Fiを内蔵しており、本機をDLNAのプレーヤー/サーバーとしてネットワーク再生ができるAKコネクトにも対応している。
ボディにはアルミ押し出し材を採用。特徴的なボディの形状を備えるが、特に背面の凹凸については「そびえ立つ氷壁」をイメージしてデザインされたという。ボリュームノブも新たな形状を採用。横方向に回転させて音量を調整できる。
外形寸法は71.23W×115.8H×25.6Dmm、質量は278.7g。ちなみにAK380の質量は230g、AK380+AK380AMPの質量は395gとなっている。
発表会には、Astell&KernのCEOに就任したジェームス・リー氏が登場。KANNという名前は、英語の「Can」から採ったもので、「何でもできる」ことを目指した本機の特徴をひとことで表すものだと述べた。
また、ジェームス・リー氏は、Astell&Kernのプレーヤーが近い将来、MQAに対応する用意があることも明言。LDACや4.4mm5極端子についても質問を向けたが、現時点で採用する予定はないという。
さらにリー氏は、今年5月にミュンヘンで開催されるオーディオショウ“High END”にて、「アルティメットなモデルを発表する」ことも明かしてくれた。
なお、発表会で開催された曽我部恵一さんと小野島大さんのトークセッション、ジェームス・リー氏のコメントの詳細については別記事でお伝えする。
本機は先行して米国で発表されていたが(関連ニュース)、日本国内でも発売がアナウンスされたかたち。カラーはAstro SilverとEos Blueの2色を用意する。
現時点で日本国内での販売価格および発売時期は未定。ただし発表会場では、Astro Silverが5月中旬、Eos Blueが6月に発売の見通しとコメント。グローバルでの販売価格は999ドルだが、国内では市場想定売価12万円前後になる見込みとも語られた。価格と発売時期は正式決定後改めてアナウンスされる。
Astell&Kernはこれまで、AK380やAK300などを含む「コア・ライン」、AK70を含む「カジュアル・ライン」の2ラインで製品を展開してきたが、このKANNは新しく立ち上げられた「パフォーマンス・ライン」に位置付けられる製品だ。
KANNのコンセプトは「1台で全てをまかなえる豊富な機能性」であり、「AK380AMP」相当という強力なヘッドホンアンプの内蔵、SDカードスロットやUSB端子の拡充、ライン出力専用端子の搭載などを実現。一方でこれまで旗艦機AK380のみが対応していたDSDのネイティブ再生に対応するなど、DAPとしての基本機能も向上させている。ボディにはアルミ押し出し材を用いた。以下に詳細を説明する。
DACは、旭化成エレクトロニクス(AKM)「AK4490」を1基搭載する。AK4490はAK380やAK300も採用しており、1基搭載という構成はAK300と同様。
一方、AK300がDSDはPCM変換再生、PCMもネイティブ再生が192kHz/24bitまでだったのに対して、KANNは最大11.2MHzのDSDおよび384kHz/32bitのPCMをネイティブ再生できる。
上位機と同様に、VCXOクロック(電圧制御水晶発振器)を搭載。200femto秒という超低ジッターも実現する。ソフトウェア、GUI(操作画面)は従来のAK380などと共通となる。
■外付けアンプ「AK380AMP」相当のヘッドホンアンプを搭載
ヘッドホン出力端子は3.5mmアンバランスと2.5mmバランスの2端子を搭載。いずれも低インピーダンス設計となっており、3.5mm端子は0.65Ω、2.5mm端子は1.3Ω。
強力なヘッドホンアンプを内蔵したことも特徴。KANNのヘッドホンアンプはAK380用の外付けヘッドホンアンプ「AK380AMP」に相当するものだという。具体的にはAK380アンプの最大出力が8.1V RMS(バランス)/4.1V RMS(アンバランス)に対して、KANNの最大出力は7.0V RMS(バランス)/4.0V RM2(アンバランス)となる。
ゲイン切替機能も備えており、ノーマル/ハイを切り替えることも可能。ハイインピーダンスなヘッドホンも駆動できるとしている。
■ライン出力専用端子を搭載。SDスロット&USB端子も拡充
ヘッドホン出力とは別に、3.5mmと2.5mmのライン出力(ボリューム固定)も搭載。こちらはボリュームおよびヘッドホンアンプをバイパスしてのライン出力となり、3.5mmはアンバランス、2.5mmはバランスとなる。3.5mm端子と2.5mm端子の両方を用いて接続する、XLRバランス出力用の専用ケーブルも使用することができる。
SDカードスロットは、フルサイズSDカード用とmicroSD用を独立して搭載。SDカードはそれぞれ256GBまで対応(512GBは検証中とのこと)。内蔵メモリーは64GBを搭載。最大で576GBまでの容量拡張が可能となる。
USB端子も、USB type C(充電/データ転送用)とUSB microB(USBオーディオ出力/USB-DAC入力/CDリッパー接続用)の2系統を備えている。USBオーディオ出力はクラス2.0仕様で、最大384kHz/32bit PCMおよび5.6MHz DSD(DoP出力)に対応。USB-DAC機能は、最大で384kHz/32bit PCMおよび5.6MHz DSDに対応する。
なお、充電/伝送用USB端子とオーディオ用USB端子が別系統になっているので、充電を行いながらUSBオーディオ出力を行うといった使い方も可能だ。
■6,200mAhの大容量バッテリーを内蔵。急速充電にも対応
6,200mAhの大容量バッテリーを内蔵したことも特徴(AK380のバッテリー容量は3,400mAh)。最大14時間の再生が行える。通常充電(5V 2A)に加えて、急速充電(9V 1.67A)にも対応し、1時間の充電で焼く6.5時間の再生が可能となる。
ディスプレイは4インチ・タッチスクリーンで、解像度は800×400。物理ボタンはディスプレイ下に配置し、再生・曲送り・曲戻しに加えて、ホームボタン(〇ボタン)も物理ボタンとして搭載している。本体右側面に備えたジョグダイヤルが、ボリュームノブとなる。
BluetoothはaptX HDに対応。Wi-Fiを内蔵しており、本機をDLNAのプレーヤー/サーバーとしてネットワーク再生ができるAKコネクトにも対応している。
ボディにはアルミ押し出し材を採用。特徴的なボディの形状を備えるが、特に背面の凹凸については「そびえ立つ氷壁」をイメージしてデザインされたという。ボリュームノブも新たな形状を採用。横方向に回転させて音量を調整できる。
外形寸法は71.23W×115.8H×25.6Dmm、質量は278.7g。ちなみにAK380の質量は230g、AK380+AK380AMPの質量は395gとなっている。
発表会には、Astell&KernのCEOに就任したジェームス・リー氏が登場。KANNという名前は、英語の「Can」から採ったもので、「何でもできる」ことを目指した本機の特徴をひとことで表すものだと述べた。
また、ジェームス・リー氏は、Astell&Kernのプレーヤーが近い将来、MQAに対応する用意があることも明言。LDACや4.4mm5極端子についても質問を向けたが、現時点で採用する予定はないという。
さらにリー氏は、今年5月にミュンヘンで開催されるオーディオショウ“High END”にて、「アルティメットなモデルを発表する」ことも明かしてくれた。
なお、発表会で開催された曽我部恵一さんと小野島大さんのトークセッション、ジェームス・リー氏のコメントの詳細については別記事でお伝えする。