Astell&Kern発表会詳細
「KANN」発表会レポート − 新CEOがHigh Endでの新モデル発表について言及
アユートは本日13日、Astell&Kernの新コンセプトDAP「KANN」を発表した。発表会では、今年新たにAstell&KernのCEOに就任したジェームス・リー氏が挨拶。また、サニーデイ・サービスの曽我部恵一さんと音楽評論家の小野島大さんによるトークセッションも行われた。
発表会冒頭では、創立から今年で5周年を迎えたAstell&Kernより、KANNの発表に加えて、ジェームス・リー氏のCEO就任、そして新しいロゴが発表された。
ジェームス・リー氏はKANNについて「英語の“Can”から名付けました、あとはジンギス・カンの“カン”ですね」とコメント。KANNは、日本のユーザーや市場からのフィードバックに答えるべく作ったという意味合いが大きいと述べた。一方で、実際に完成したKANNが諸外国でも好評で、ワールドワイドで展開するに至ったという。
発表会では、今後の展開についても言及。まずMQAへの対応について、すでに技術面での課題はクリアしており、近い将来における採用を予定しているとした。
一方で、LDACや4.4mm5極バランス端子の採用の予定はないのかという質問については、現状では「ない」とのこと。LDACは「ソニーの規格だから」、4.4mm5極バランス端子については「ポータブル機には大きすぎる。実際に2.5mmに追随している他社のDAPが多いことからもわかるだろう」と述べていた。
また、5月16日にミュンヘンで開催される世界最大規模のオーディオショウ High Endにて、「アルティメットなモデル」を発表することも明かした。どのようなモデルになるのかなど多くは語らなかったが、ファイルウェブではHigh Endについても現地からレポートを行うので、そちらで詳細をお伝えしたい。
発表会の後半では、サニーデイ・サービスの曽我部恵一さんと音楽評論家の小野島大さんによるトークセッションが行われた。
アユートはディスクユニオンと共に、「Talkin' Loud & Sayin’ Music」というイベントを展開。小野島大さんを聴き手に、これまでも砂原良徳、向井秀徳、中村弘二、テイ・トウワと豪華なゲストを迎えて、「ミュージシャンが考える良い音とは何か」をテーマにトークショウを行ってきた。今回はその最新&番外編として、曽我部恵一さんがゲストに迎えられた。
曽我部さんは「良い音をどう考えているか」という質問に対して、「良い音にはいろいろな要素があるけれど、僕は、音楽をやっているその人そのものが伝わってくるのが良い音だと思う」と回答。「録音がいかにクリアであるかという以上に、こんな空間で、こんな明るさで、こんな気持ちで歌っている、というのが伝わってくることはさらに大事。人間性がいかに見えてくるか」と語った。
実際、サニーデイサービスではこうした雰囲気が伝わることを大事にするために、クリックを聴きながら各パートごとに多重録音をするような方法は採らなかったと曽我部氏。同じ空間で同時に演奏して、あえてマイクに異なる楽器の音がかぶってしまうような環境で、音楽の空間を成り立たせてきたのだという。
曽我部さんは、CD、ハイレゾ、ストリーミング、アナログというフォーマットごとにマスタリングを変えるという自身のこだわりについても紹介。アナログについては、デジタルデータを一度アナログテープにダビングして、それをマスターにカッティングを行っているとのこと。
また曽我部氏は、プロツールズのようなデジタルワークステーションに頼りきらないことを心がけ、デジタル音源をいちどアナログテープにダビングするなどの手法も用いると語る。印象的だったのは「完全なプロツールズの音にならないように、何かアナログ的なアクシデントが起こるように、想定外なことが起こるような仕掛けをして録音するのです。そもそもバンド自体が、アクシデントを求めてやっているものだから」という言葉だった。
KANNのサウンドについては、曽我部さんは「色づきが全然ないのがすごくいい。信頼できる音」と表現。ちなみにふだんはAK70を使っているのだという。また、会場に用意されたKANN+マークレビンソン+JBL「S9900」のシステムで聴いた「恋に落ちたら」には、「24歳のときに、スタジオで聴いたのはこんな音だったと記憶が蘇った」と語った。
小野島さんは「アーティストの意図を色づけなくい聴けることは重要」と語り、「KANNはAK380などに比べると大きいけれど、使い勝手はこれまでのモデルよりも上。クリアで雑味がない音で、ライン出力も音に安定感がある」と感想を語っていた。
発表会冒頭では、創立から今年で5周年を迎えたAstell&Kernより、KANNの発表に加えて、ジェームス・リー氏のCEO就任、そして新しいロゴが発表された。
ジェームス・リー氏はKANNについて「英語の“Can”から名付けました、あとはジンギス・カンの“カン”ですね」とコメント。KANNは、日本のユーザーや市場からのフィードバックに答えるべく作ったという意味合いが大きいと述べた。一方で、実際に完成したKANNが諸外国でも好評で、ワールドワイドで展開するに至ったという。
発表会では、今後の展開についても言及。まずMQAへの対応について、すでに技術面での課題はクリアしており、近い将来における採用を予定しているとした。
一方で、LDACや4.4mm5極バランス端子の採用の予定はないのかという質問については、現状では「ない」とのこと。LDACは「ソニーの規格だから」、4.4mm5極バランス端子については「ポータブル機には大きすぎる。実際に2.5mmに追随している他社のDAPが多いことからもわかるだろう」と述べていた。
また、5月16日にミュンヘンで開催される世界最大規模のオーディオショウ High Endにて、「アルティメットなモデル」を発表することも明かした。どのようなモデルになるのかなど多くは語らなかったが、ファイルウェブではHigh Endについても現地からレポートを行うので、そちらで詳細をお伝えしたい。
発表会の後半では、サニーデイ・サービスの曽我部恵一さんと音楽評論家の小野島大さんによるトークセッションが行われた。
アユートはディスクユニオンと共に、「Talkin' Loud & Sayin’ Music」というイベントを展開。小野島大さんを聴き手に、これまでも砂原良徳、向井秀徳、中村弘二、テイ・トウワと豪華なゲストを迎えて、「ミュージシャンが考える良い音とは何か」をテーマにトークショウを行ってきた。今回はその最新&番外編として、曽我部恵一さんがゲストに迎えられた。
曽我部さんは「良い音をどう考えているか」という質問に対して、「良い音にはいろいろな要素があるけれど、僕は、音楽をやっているその人そのものが伝わってくるのが良い音だと思う」と回答。「録音がいかにクリアであるかという以上に、こんな空間で、こんな明るさで、こんな気持ちで歌っている、というのが伝わってくることはさらに大事。人間性がいかに見えてくるか」と語った。
実際、サニーデイサービスではこうした雰囲気が伝わることを大事にするために、クリックを聴きながら各パートごとに多重録音をするような方法は採らなかったと曽我部氏。同じ空間で同時に演奏して、あえてマイクに異なる楽器の音がかぶってしまうような環境で、音楽の空間を成り立たせてきたのだという。
曽我部さんは、CD、ハイレゾ、ストリーミング、アナログというフォーマットごとにマスタリングを変えるという自身のこだわりについても紹介。アナログについては、デジタルデータを一度アナログテープにダビングして、それをマスターにカッティングを行っているとのこと。
また曽我部氏は、プロツールズのようなデジタルワークステーションに頼りきらないことを心がけ、デジタル音源をいちどアナログテープにダビングするなどの手法も用いると語る。印象的だったのは「完全なプロツールズの音にならないように、何かアナログ的なアクシデントが起こるように、想定外なことが起こるような仕掛けをして録音するのです。そもそもバンド自体が、アクシデントを求めてやっているものだから」という言葉だった。
KANNのサウンドについては、曽我部さんは「色づきが全然ないのがすごくいい。信頼できる音」と表現。ちなみにふだんはAK70を使っているのだという。また、会場に用意されたKANN+マークレビンソン+JBL「S9900」のシステムで聴いた「恋に落ちたら」には、「24歳のときに、スタジオで聴いたのはこんな音だったと記憶が蘇った」と語った。
小野島さんは「アーティストの意図を色づけなくい聴けることは重要」と語り、「KANNはAK380などに比べると大きいけれど、使い勝手はこれまでのモデルよりも上。クリアで雑味がない音で、ライン出力も音に安定感がある」と感想を語っていた。