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Netflixでのドルビービジョン/アトモス配信が開始

ドルビービジョン/アトモスは『BLAME!』をどう彩った? 吉平副監督が明かす3DCGアニメのこだわり

公開日 2017/08/04 10:46 編集部:小野佳希
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例えば、手描きの場合はデザイナーからキャラデザイン画が仕上がってくればそのまま各アニメーターらが作業に入れるが、フル3DCGの場合はそのデザイン画を3DCGに起こし(モデリング)、さらにはそのCGを動かすための関節など可動部のデータを付与する(リギング)などといった作業が必要になる。

デザイン画を3DCGへと起こすモデリング

こうした作業は各工程ごとに専門のスタッフがいて、1つのキャラをつくるのに2〜3ヶ月かかるという。実際にアニメとして動きをつけていく前工程にこれだけの手間が必要なのだ。

また、例えばリギングの場合であれば、肩や肘など実際の人間と同じような関節部分を動くようにすればいいというわけではない。表情を変えられるように目や眉、口に頬なども動かせるようにするなど、膨大な数のリグを設定することが必要だ。

可動部を設定していくリギング行程

さらに、実際にCGにして動かそうとすると、服や防具のパーツが可動域とバッティングするといったケースも多く、その調整も必要になる。「BLAME!であればサナカンは硬い鎧のようなパーツが多いキャラだが、硬いままでは動かないし、かといって柔らかくしすぎるとゴムのように見えてロボっぽさが感じられなくなってしまう。特に肩はジオメトリーが集中していて、そこをどう回避するかの工夫が難しかった」という。

装飾が多い部分は動かす際の整合性をとるのに工夫が必要

作中のヒロインであるシボもリギングに苦労したキャラだとのこと。背中からヒップにかけて背びれのような補強パーツがあるため、しゃがんだり腰を捻ったりといった動作との整合性をどうとるかを考えなくてはならず、そうしたパーツの機構をリギング担当者が考案しながら3DCGが出来上がっていった。

シボの背中のパーツをどう処理するかにも制作陣の工夫が込められている

(C)弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

■カットごとにフレームレートを変えてジャパニメーション特有の表現も実現

モデリングやリギングが済んだあとは、キャラの演技や細かな演出部分をアニメーションディレクターが決め、いよいよ各アニメーターがアニメーション制作に着手。各種行程を経て、最後に「ライト&コンポジット」という作業でライティングを決めて最終的な画を完成させる。

アニメーションディレクターを担当したスタッフは「BLAME!ではカメラワークに一番こだわった」と説明。「作品の世界観を表現するため、3Dならではのステディカムを細かな部分で採り入れることを意識した」という。

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