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量産出荷時期は2018年11月を予定

ソニー、遠近距離の高精度測定が可能な小型ToF方式距離画像センサーを商品化

公開日 2017/12/20 12:51 編集部:押野 由宇
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ソニーは、測距性能の向上と併せて一層の小型化を実現した1/2型でVGAの解像度をもつ裏面照射型Time of Flight方式(以下、ToF方式)距離画像センサー「IMX456QL」を商品化し、2018年4月からサンプル出荷を開始する。サンプル価格は3,000円(税抜)で、量産出荷時期は2018年11月を予定。

「IMX456QL」

自律的な動作が必要となるロボットやドローン、VR(バーチャルリアリティ)、AR(拡張現実)/MR(ミックスドリアリティ)などの市場では、ジェスチャー認識や物体認識、障害物検知のために、小型で正確な距離画像の取得ができるセンサーが求められる。本センサーは、10μm角画素の開発により小型を実現し、さらに遠距離から近距離まで高精度な測距を可能にすることで、これらの領域における応用の幅を広げるとしている。

ToF方式を採用したイメージセンサーは、画素ごとに距離情報を検出し、高精度な距離画像を取得できるが、遠距離から近距離にわたってさらなる精度向上を図るためには、反射光を効率よく捉えるとともに、より高速に距離測定の処理を行う必要がある。

本センサーは、反射光信号の読出し精度を上げるための画素技術と、裏面照射型CMOSイメージセンサーの画素技術を融合させることで、集光効率の向上と、測距のための高速な処理を可能にしたという。これにより、従来のToF方式では距離の測定が難しかった約10mの遠距離においては、感度を高める駆動モードの搭載により高い検出率を実現でき、約30cmから約1mの近距離では、VGAの解像度で高精度な距離画像の取得が可能となる。

CMOSイメージセンサーによる撮影画像(左上)、本センサーによる取得距離画像(右上)、距離画像と白黒画像を合成した3Dモデル画像(下)

ほか本センサーは距離画像をフレーム単位で取得するため、レーザーで対象物をスキャンして測距する方式に比べて、高フレームレートでの撮像が可能。動く対象物の撮像では距離画像の歪みを抑えることができるという。

またサンプル出荷にあわせて、カメラ開発を容易にするためのソフトウェア開発キット(ハードウェア、ソフトウェア)が提供される。

有効画素数は640(H)×480(V)の30.7万画素で、測距フレームレートは120fps。

同社では測距技術を使った距離画像センサーを「DepthSense」商品群と呼んでおり、本商品は裏面照射型ToF方式を採用した初めてのDepthSense商品となる。

なお、2015年の買収以降、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社の子会社としてToF方式距離画像センサーの技術開発を行ってきたSoftkinetic Systems S.A. (ソフトキネティックシステムズ社)は、12月18日付でSony Depthsensing Solutions Holding SA/NV(ソニーデプスセンシングソリューションズホールディング社)に社名変更している。これは技術開発の融合が加速し、本センサーを皮切りにソニーブランドでのDepthSenseの商品化の目処がついたこと、また、同社を測距ソリューションの開発拠点に特化させ、より一層の商品力強化に繋げることを目的と説明されている。

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