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HDR動画の記録/再生が1台のスマホで実現

<レポート>クアルコムの最新SoC「Snapdragon 845」で、モバイルAV体験はこう変わる

公開日 2017/12/07 20:18 山本 敦
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米クアルコムが次世代のモバイル向けチップセットの新しいフラグシップSoCとなる「Snapdragon 845」シリーズを正式発表した(関連ニュース)。最新のチップセットが今後スマートフォンをはじめとするスマートデバイスの体験をどのように変えていくのか?特にオーディオ・ビジュアルに深く関わる革新技術を中心に解き明かしてみたい。

赤いボードの中心に乗っているのがSnapdragon 845のICチップの実物

Snapdragon 845シリーズは、10nmプロセスルールにより製造された4基の高性能コアと同じく、4基の高効率コアを組み合わせた8コア構成のCPU「Kyro 385」と、4K/HDR動画データのキャプチャと再生をサポートする画像処理プロセッサー「Spactra 280」、シームレスなVR/ARグラフィックスの描画を実現するGPU「Adreno 630」、AI関連の高精度な処理に対応したDSP「Hexagon 685」、ギガビットLTE通信をサポートするモデムチップ「X20 LTE modem」を中核とした異なる種類の基幹プロセッサーを、個別にではなく一緒に動かしながら高速・高効率な処理を実現するアーキテクチャーを採用している。

ハワイ・マウイ島で開催されたSnapdragonの発表会イベントでは、クアルコム テクノロジーズのSVP兼プロダクトマネージャーのKeith Kressin氏が、新しいチップセットの開発コンセプトを「次世代のAIと没入感豊かなコンテンツ体験を実現すること」と説いている。

新たに開発されたSnapdragon 845シリーズが搭載する基幹プロセッサーの特徴を解説する、クアルコムテクノロジーのKeith Kressin氏

最新のSnapdragon 845シリーズは、現行のフラグシップSoCであるSnapdragon 835シリーズからほぼ1年のインターバルを開けて正式に発表された格好になるが、これを搭載するスマートフォンやその他のデバイスが商品として発売される時期については、2018年前半を見込んでいる。既にサムスン電子とシャオミがSnapdragon 845シリーズを搭載した製品開発に名乗りを挙げている。

Snapdragon 835シリーズはモバイルデバイスのメーカーがそれぞれの上位モデルに採用。現在120におよぶ製品がローンチ、または開発されている

Snapdragon 835シリーズに比べると、新開発の画像処理プロセッサーとGPUの組み合わせにより、約30%もの消費電力の効率化が図れるという。仮にバッテリー残量が尽きた場合も、クアルコムの急速充電技術「Quick Charge 4」により15分間の充電で0%から50%にまで回復できる。モバイルコンピューティングの時代のニーズに合わせてより効率良く、より高いパフォーマンスを発揮できるフラグシップSoCが誕生したというわけだ。

Snapdragon 845シリーズの柱となる5つのコンセプトは「コンテンツ再生の没入感」「AI」「セキュリティ」「通信精度」「バッテリーなどのパフォーマンス」をそれぞれ高めることだとした

15分の充電でバッテリーゼロから50%まで急速に充電できる「Qalcomm Quick Charge 4」はSnapdragon 845シリーズのフィーチャーとしても含まれている

Snapdragon 845シリーズを搭載したデバイスでは、特にオーディオ・ビジュアルまわりにおいて、どのように画期的な体験ができるようになるのだろうか。SoCを構成する基幹プロセッサーの特徴を見ながら説明していきたい。

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