ブース全体は“AI推し”で展開
<IFA>LGの88型・8K有機ELとマイクロLEDディスプレイを見てきた。気になる商品化時期は?
LGエレクトロニクスがIFA2018に88型の8K有機ELテレビを出展することは既にファイルウェブのニュースで報じられている通りだが、実際にブースに足を運んで画質を確かめてきた。
■88型・8K有機ELの実力は?テレビも強力にAI対応を推進
LGは今年のCESで有機ELテレビの新製品として、すべて型番に「8」を関するW/G/E/C/Bの5シリーズを発表している。IFAのタイミングでは欧州向けとしてそれぞれのシリーズが商品として発売されたことをアピールした。
またAIアシスタントについてはLG独自の「ThinQ(シンキュー)」とグーグルの「Googleアシスタント」をハイブリッドで搭載していることも大きな特徴になる。
前者についてはテレビの音量やチャンネル切り替えが音声入力によってできるだけでなく、映像モードや入力ソースの切り替えなどにも対応している。同じLGのThinQプラットフォームに対応するロボット掃除機やエアコン、空気清浄機などのスマート家電の遠隔操作もテレビから行える。
Googleアシスタントはリモコンのボタンを押して話しかければ、現在日本でも発売されているスマートスピーカーに似たスマートな使い方ができるようになる。
テレビは着実な「8シリーズ」のローンチ以外にも、IFAでは88型・8K高解像度の有機ELを世界で初めて披露した。映像処理プロセッサー「α9」のほか、チューナーやソフトウェアなどをフルに組み込んだ“テレビ”として組み上げられた試作機がブースの入口で来場者を誇らしげに迎えていた。
LGエレクトロニクス本社Broadcast/Global Communications Team Corporate Communications, Senior DirectorのKEN HONG氏は“8K OLED”をIFAに出展した意図について「既に私たちが88型サイズの8K有機ELを“テレビ”として発売できる技術とノウハウを持っていることを紹介するため」であると説いている。
価格や発売時期の検討も進んでいるのだろうか。HONG氏は次のように答えている。
「その点については正直なところ、まだ本格的な議論を煮詰めていない段階だ。というのも、皆様がご存知の通り8Kについてはまだ必要なコンテンツが十分に供給されていないため、いま急いで商品をローンチするよりも、市場のニーズを見極めながら完成度をじっくりと練り上げるべきという選択肢についても検討する価値があると考えているからだ。
ただし、例年当社がIFAで発表したフラグシップテクノロジー、あるいはそれを搭載する試作機については、だいたい翌年のIFAまでには“商品”になっていることを思い出していただければ、この8Kテレビについても同様のサイクルに乗る可能性は十分にあるだろう」
ただ、HONG氏は繰り返し「このテレビは商品化を焦って判断するべきではない」と述べている。
「8K映像の没入感を満喫するためには88型前後の大きな画面サイズがベストであることは間違いないし、小型画面の8Kテレビを作ることにあまり意味はないと思っている。ところが88型となれば、今度は一般家庭にインストールするには大きすぎて持て余してしまう。このままコンシューマ向けのテレビとして発売する道筋がよいのか、あるいはサイネージなど業務用途からスタートするべきなのかについて、もう少し様子を見ていきたい」
88型・8Kテレビの画質は、有機ELらしい深い黒色の沈み込みに煌びやかな明部の鮮やかなコントラスト感がさすがに際立っていた。色彩については若干派手めな印象を受けたが、これからテレビとして練度を高めて行く段階に期待が持てるレベルまで十分到達していたように思う。
LGのブースにはこのほかにもマイクロLEDディスプレイの試作機が出展されていた。特別に設置されたシアタールームの中がカメラによる撮影禁止だったため、あいにく試作機の写真はお見せできないのだが、173インチという大型のマイクロLEDディスプレイは鮮やかに色彩感豊かな映像を再現していた。
HONG氏はマイクロLEDディスプレイの今後の可能性についてもコメントしてくれた。
「現在の技術では1画素単位のマイクロLEDのセルをこれ以上小さくできないという課題がある。つまり民生用のディスプレイにサイズ感を落とし込むことが困難なのだ。商品化を実現するためには、今後セルを小さくできるかという点がカギを握っている」
■スマートテクノロジーと融合するワイヤレススピーカー&イヤホン
オーディオは今年のCESのブースにも並べられていたスマートスピーカー「WK7」や、スマートディスプレイ「WK9」を目玉として紹介していた。ともにサウンドのチューニングを英メリディアン・オーディオが手がけたシグネチャーモデルだ。AIアシスタントはGoogleのほかにもLG独自のThinQに対応している。
イヤホンはこちらもCESに出展されたネックバンドタイプのワイヤレスイヤホン「LG TONE」シリーズの上位機が並べられていた。音声操作を使いながら、グーグル翻訳によるリアルタイム外国語翻訳ができるデモンストレーションにスポットが当てられていた。
■AIアシスタントロボット「CLOi」が韓国で発売へ
AIとロボティクスはLGのスマートロボット「CLOi(クロイ)Home Bot」がついに商品として韓国で発売される。欧州も来年の発売予定だ。価格は650米ドル(約72,000円前後)になる見込みだ。
LGにとって独自に開発を進めるAIアシスタントサービスは「ThinQ」であり、CLOiはハードウェアとしてのロボットのシリーズになる。IFAの会場には道案内やレストランでウェイターの役割を果たせるQLOiシリーズの業務用ロボットも多数展示されていた。
LGは今年の7月のプレスリリースで北米から1社、韓国から3社のロボティクス関連の企業を買収したことを伝えている。HONG氏は「これからますます加速するLGのAIやロボティクスへの取り組みにぜひ注目してほしい」と語っていた。
■88型・8K有機ELの実力は?テレビも強力にAI対応を推進
LGは今年のCESで有機ELテレビの新製品として、すべて型番に「8」を関するW/G/E/C/Bの5シリーズを発表している。IFAのタイミングでは欧州向けとしてそれぞれのシリーズが商品として発売されたことをアピールした。
またAIアシスタントについてはLG独自の「ThinQ(シンキュー)」とグーグルの「Googleアシスタント」をハイブリッドで搭載していることも大きな特徴になる。
前者についてはテレビの音量やチャンネル切り替えが音声入力によってできるだけでなく、映像モードや入力ソースの切り替えなどにも対応している。同じLGのThinQプラットフォームに対応するロボット掃除機やエアコン、空気清浄機などのスマート家電の遠隔操作もテレビから行える。
Googleアシスタントはリモコンのボタンを押して話しかければ、現在日本でも発売されているスマートスピーカーに似たスマートな使い方ができるようになる。
テレビは着実な「8シリーズ」のローンチ以外にも、IFAでは88型・8K高解像度の有機ELを世界で初めて披露した。映像処理プロセッサー「α9」のほか、チューナーやソフトウェアなどをフルに組み込んだ“テレビ”として組み上げられた試作機がブースの入口で来場者を誇らしげに迎えていた。
LGエレクトロニクス本社Broadcast/Global Communications Team Corporate Communications, Senior DirectorのKEN HONG氏は“8K OLED”をIFAに出展した意図について「既に私たちが88型サイズの8K有機ELを“テレビ”として発売できる技術とノウハウを持っていることを紹介するため」であると説いている。
価格や発売時期の検討も進んでいるのだろうか。HONG氏は次のように答えている。
「その点については正直なところ、まだ本格的な議論を煮詰めていない段階だ。というのも、皆様がご存知の通り8Kについてはまだ必要なコンテンツが十分に供給されていないため、いま急いで商品をローンチするよりも、市場のニーズを見極めながら完成度をじっくりと練り上げるべきという選択肢についても検討する価値があると考えているからだ。
ただし、例年当社がIFAで発表したフラグシップテクノロジー、あるいはそれを搭載する試作機については、だいたい翌年のIFAまでには“商品”になっていることを思い出していただければ、この8Kテレビについても同様のサイクルに乗る可能性は十分にあるだろう」
ただ、HONG氏は繰り返し「このテレビは商品化を焦って判断するべきではない」と述べている。
「8K映像の没入感を満喫するためには88型前後の大きな画面サイズがベストであることは間違いないし、小型画面の8Kテレビを作ることにあまり意味はないと思っている。ところが88型となれば、今度は一般家庭にインストールするには大きすぎて持て余してしまう。このままコンシューマ向けのテレビとして発売する道筋がよいのか、あるいはサイネージなど業務用途からスタートするべきなのかについて、もう少し様子を見ていきたい」
88型・8Kテレビの画質は、有機ELらしい深い黒色の沈み込みに煌びやかな明部の鮮やかなコントラスト感がさすがに際立っていた。色彩については若干派手めな印象を受けたが、これからテレビとして練度を高めて行く段階に期待が持てるレベルまで十分到達していたように思う。
LGのブースにはこのほかにもマイクロLEDディスプレイの試作機が出展されていた。特別に設置されたシアタールームの中がカメラによる撮影禁止だったため、あいにく試作機の写真はお見せできないのだが、173インチという大型のマイクロLEDディスプレイは鮮やかに色彩感豊かな映像を再現していた。
HONG氏はマイクロLEDディスプレイの今後の可能性についてもコメントしてくれた。
「現在の技術では1画素単位のマイクロLEDのセルをこれ以上小さくできないという課題がある。つまり民生用のディスプレイにサイズ感を落とし込むことが困難なのだ。商品化を実現するためには、今後セルを小さくできるかという点がカギを握っている」
■スマートテクノロジーと融合するワイヤレススピーカー&イヤホン
オーディオは今年のCESのブースにも並べられていたスマートスピーカー「WK7」や、スマートディスプレイ「WK9」を目玉として紹介していた。ともにサウンドのチューニングを英メリディアン・オーディオが手がけたシグネチャーモデルだ。AIアシスタントはGoogleのほかにもLG独自のThinQに対応している。
イヤホンはこちらもCESに出展されたネックバンドタイプのワイヤレスイヤホン「LG TONE」シリーズの上位機が並べられていた。音声操作を使いながら、グーグル翻訳によるリアルタイム外国語翻訳ができるデモンストレーションにスポットが当てられていた。
■AIアシスタントロボット「CLOi」が韓国で発売へ
AIとロボティクスはLGのスマートロボット「CLOi(クロイ)Home Bot」がついに商品として韓国で発売される。欧州も来年の発売予定だ。価格は650米ドル(約72,000円前後)になる見込みだ。
LGにとって独自に開発を進めるAIアシスタントサービスは「ThinQ」であり、CLOiはハードウェアとしてのロボットのシリーズになる。IFAの会場には道案内やレストランでウェイターの役割を果たせるQLOiシリーズの業務用ロボットも多数展示されていた。
LGは今年の7月のプレスリリースで北米から1社、韓国から3社のロボティクス関連の企業を買収したことを伝えている。HONG氏は「これからますます加速するLGのAIやロボティクスへの取り組みにぜひ注目してほしい」と語っていた。