スピーカー設計と音のチューニングはメリディアン
<CES>LG、「α9」プロセッサー搭載の有機ELテレビや床置き4K/HDRプロジェクターを披露
CESに出展するLGエレクトロニクスのブースに足を踏み入れると、通路の左右一面に合計246枚の55型有機ELディスプレイをインストール、グランド・キャニオンをイメージしたという大迫力のOLEDウォールが迎えてくれる。
今年はCESの時点で有機ELパネルの刷新は行われなかった代わりに、有機ELテレビ専用の映像処理プロセッサー「α9」が華々しく発表された。既報のプレスカンファレポートで詳細が触れられているため、ここではその内容に踏み込むことまではしないが、フレーム単位の映像に超解像・ノイズ除去処理を4回かけることで自然な階調感とディティールの再現を可能にする。
2018年の有機ELテレビは、極薄のパネルを “壁に貼る” というコンセプトがヒットした2017年フラグシップモデルのコンセプトを継承する「W8」シリーズのほか、すべて「8」をナンバリングした「G/E/C/B」の5シリーズ展開だ。ブースでは120fpsの倍速表示技術による滑らかな動画再現や、HDR10にドルビービジョン、HLGとテクニカラー社によるHDRモードも対応する全方位体制をアピールしていた。
液晶テレビについても上位の「SK95/85/80」の3モデルが独自の「NANO CELL」技術による高画質再現を魅力としてうたっている。同技術はIPS方式の液晶パネルの1ドットずつに1ナノメートルの範囲で光の波長漏れを吸収・制御する特殊な素子を塗布して、あらゆる角度から画面をのぞき込んでも正確な色を再現し、ムラの発生を極限まで抑えるというもの。ブースでは斜め60度からパネルをのぞき込んでも、NANO CELLを搭載したLGのテレビが安定した色彩を再現できる優位性を体験型展示によりアピールしていた。
会場にはプロジェクター製品の専用試写室が設けられ、床置き型の4K対応プロジェクター「HU80KA」が鮮やかな映像を映し出していた(関連ニュース)。イメージ写真を見て受けた印象よりもずっと本体がコンパクトだったことに驚いた。テーブルの上にスペースをつくってからプロジェクターを置くというよりも、本体をまるごと持ち歩いて置き場所が決められる。これなら日本の家庭でも便利に使えそうだ。日本での発売は「検討中」だという。
LGが2018年に発売するwebOSのスマートプラットフォームとインターネットへの接続機能を搭載するテレビは、独自のAIアシスタントである「LG ThinQ(シンキュー)」と「Googleアシスタント」を発売時から搭載することが決まっている。前者についてはLGのスマート家電との連携操作がスムーズに行えることが特徴となるが、他社製のインターネット接続機能を持つスマート家電につながるオープン性も確保されている。アマゾンの「Alexa」と連携する機能についても、ブースで製品とサービスの説明を担当していたスタッフによれば、現在協議が進められている段階だという。
AIアシスタントはLGエレクトロニクスの白物系スマート家電だけでなく、オーディオ製品にも広がりそうだ。今年発売されるネックバンドスタイルのワイヤレスイヤホン「LG TONE」シリーズの上位機はGoogleアシスタント対応になる。
ブースでは本体のボタンをクリックしてGoogleアシスタントを呼び出して音声コマンドによる操作が体験できた。発売後には、グーグル翻訳によるほぼリアルタイムでの外国語の音声翻訳が可能になる。日本語から英語へ、イヤホンで入力した言葉をなかなかの精度と速さで翻訳して、ペアリングしたスマホ「V30」の画面に対訳を表示。スピーカーからは音声で結果を知らせる翻訳機能を確認した。
ワイヤレススピーカーはGoogleアシスタントを搭載する円筒型の「WK7」と、グーグルがCESのタイミングで発表した新カテゴリーの「Googleスマートディスプレイ」としてLGが発売を計画する「WK9」が今年の新製品として並べられている。
それぞれスピーカー設計と音のチューニングを英メリディアン・オーディオが手がけたことも特徴だ。aptX HD対応による高品位なBluetooth再生が楽しめるワイヤレススピーカー「PK7」、サウンドバー「SK10Y」もLGとメリディアンのコラボレーションによるものだ。
(山本 敦)
今年はCESの時点で有機ELパネルの刷新は行われなかった代わりに、有機ELテレビ専用の映像処理プロセッサー「α9」が華々しく発表された。既報のプレスカンファレポートで詳細が触れられているため、ここではその内容に踏み込むことまではしないが、フレーム単位の映像に超解像・ノイズ除去処理を4回かけることで自然な階調感とディティールの再現を可能にする。
2018年の有機ELテレビは、極薄のパネルを “壁に貼る” というコンセプトがヒットした2017年フラグシップモデルのコンセプトを継承する「W8」シリーズのほか、すべて「8」をナンバリングした「G/E/C/B」の5シリーズ展開だ。ブースでは120fpsの倍速表示技術による滑らかな動画再現や、HDR10にドルビービジョン、HLGとテクニカラー社によるHDRモードも対応する全方位体制をアピールしていた。
液晶テレビについても上位の「SK95/85/80」の3モデルが独自の「NANO CELL」技術による高画質再現を魅力としてうたっている。同技術はIPS方式の液晶パネルの1ドットずつに1ナノメートルの範囲で光の波長漏れを吸収・制御する特殊な素子を塗布して、あらゆる角度から画面をのぞき込んでも正確な色を再現し、ムラの発生を極限まで抑えるというもの。ブースでは斜め60度からパネルをのぞき込んでも、NANO CELLを搭載したLGのテレビが安定した色彩を再現できる優位性を体験型展示によりアピールしていた。
会場にはプロジェクター製品の専用試写室が設けられ、床置き型の4K対応プロジェクター「HU80KA」が鮮やかな映像を映し出していた(関連ニュース)。イメージ写真を見て受けた印象よりもずっと本体がコンパクトだったことに驚いた。テーブルの上にスペースをつくってからプロジェクターを置くというよりも、本体をまるごと持ち歩いて置き場所が決められる。これなら日本の家庭でも便利に使えそうだ。日本での発売は「検討中」だという。
LGが2018年に発売するwebOSのスマートプラットフォームとインターネットへの接続機能を搭載するテレビは、独自のAIアシスタントである「LG ThinQ(シンキュー)」と「Googleアシスタント」を発売時から搭載することが決まっている。前者についてはLGのスマート家電との連携操作がスムーズに行えることが特徴となるが、他社製のインターネット接続機能を持つスマート家電につながるオープン性も確保されている。アマゾンの「Alexa」と連携する機能についても、ブースで製品とサービスの説明を担当していたスタッフによれば、現在協議が進められている段階だという。
AIアシスタントはLGエレクトロニクスの白物系スマート家電だけでなく、オーディオ製品にも広がりそうだ。今年発売されるネックバンドスタイルのワイヤレスイヤホン「LG TONE」シリーズの上位機はGoogleアシスタント対応になる。
ブースでは本体のボタンをクリックしてGoogleアシスタントを呼び出して音声コマンドによる操作が体験できた。発売後には、グーグル翻訳によるほぼリアルタイムでの外国語の音声翻訳が可能になる。日本語から英語へ、イヤホンで入力した言葉をなかなかの精度と速さで翻訳して、ペアリングしたスマホ「V30」の画面に対訳を表示。スピーカーからは音声で結果を知らせる翻訳機能を確認した。
ワイヤレススピーカーはGoogleアシスタントを搭載する円筒型の「WK7」と、グーグルがCESのタイミングで発表した新カテゴリーの「Googleスマートディスプレイ」としてLGが発売を計画する「WK9」が今年の新製品として並べられている。
それぞれスピーカー設計と音のチューニングを英メリディアン・オーディオが手がけたことも特徴だ。aptX HD対応による高品位なBluetooth再生が楽しめるワイヤレススピーカー「PK7」、サウンドバー「SK10Y」もLGとメリディアンのコラボレーションによるものだ。
(山本 敦)