シャープではCOCORO+コーナーを展開
<CEATEC>IoTや新4K8K衛星放送の期待高まる。オーディオパーツにも注目展示多数
IT・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2018」が、本日10月16日から19日まで開催される。本稿ではシャープブースのAIoTコーナー、エレコムのブースなどをレポートする。
今年のCEATECでは“新4K8K衛星放送” や “IoT” を掲げているブースが多かった。特にシャープのブースでは別項でレポートしている8K展示(関連ニュース)のほか、同社のAIoTサービス「COCORO+」のコーナーも展開されている。
COCORO+コーナーには、洗濯機と連携する「COCORO WASH」、エアコンや空気清浄機と連携する「COCORO AIR」、オーブンレンジや冷蔵庫と連携する「COCORO KITCHEN」に対応した製品が展示され、実際に連携を取れるようになっている。
さらに、2019年春を目標に実装予定の「タイムライン表示」が参考出展。まだ詳細は未確定だというが、COCORO WASH/AIR/KITCHENなどの各サービスの動作がテレビに表示されたタイムライン上に表示される様子が確認できた。この表示は各サービスを束ねるポータルのような扱いで、ほかにも接続機器の確認などが行える。
さらにスマホアプリも展示、テレビと同じように確認できる。後述するAIoTモジュールを搭載した製品であればこのタイムライン上に表示も可能で、会場ではアッサアブロイジャパン社のスマートロックが展示、解錠するとロボホンが「おかえり」と話し、解錠した通知がテレビのタイムライン上に映し出されていた。
説明員によると、シャープでは2012年からIoTの製品を展開しているが、当時はあまり売れていなかったとのこと。しかし、現在は多くの主力製品にAIoTを搭載しており、「搭載製品の売上は伸びているが、普及はこれから。普及していくとビックデータが蓄積されていくため、サービスがさらに便利になっていく」とコメントした。
また、シャープ製品に搭載するAIoTモジュールも展示、現状では搭載製品は先述のスマートロックのみだが、「年末頃には搭載製品が出てくるのでは」という。シャープのAIoTは「音声が特徴」とのことで、販売されるモジュールは「音声出力」「音声出力・入力」の2種類。展示では 鉢植えにこのモジュールが取り付けられ、鉢植えから音声による案内を実施。その横では日本気象協会がぜんそく予防アプリ「ぜんそくリスク予報」のデモを行っており、気象情報とシャープのAIoTを利用することで、週間気温を元にエアコンなどを動作させたり、問診を家電からの問いかけで行うといった取り組みを紹介していた。
IoTでは、関連部品やソリューションなどを展示するブースが多い中、株式会社アクセルラボがIoTキット「alyssa.play」を展示。昨日よりmakuakeにて出資受付が行なわれている。スターターキットはゲートウェイ、赤外線コントローラー、ドアセンサー、環境センサー、スイッチの5種類で、これらを組み合わせることで「帰宅時に電気を点灯」「エアコンの温度調節」といったことができる。なおAlexaとGoogleアシスタントの両方に対応している。
■新4K8K衛星放送の期待高まる
マスプロ電工では、新4K8K衛星放送に対応したブースターや分波器を展示。A-PAB/JEITAブースでも紹介されていたが、後述するように電波漏洩にもつながるため、こうした対応機器の必要性をアピールしている。
新4K8K衛星放送は、対応チューナーと4Kテレビがあれば一部チャンネルを視聴可能だが、全チャンネルを視聴するには左旋円偏波対応のアンテナなどの設置が必要。また、新4K8K衛星放送で扱う電波は3,224MHzと高い周波数のため、壁面コネクターであっても帯域が重複しているWi-Fiの影響を受けるほか、1つでも対応していないコネクターがあればそこから電波が漏洩するという。そのため、対応製品には厳重なシールドが施されている。これが非対応製品との大きな違いだという。
またブースでは、集合住宅向けのあらたな配線方法で、光ファイバーを用いたシステムを紹介。CATVの技術を利用したもので、主流の同軸ケーブルで配線した際に生じる可能性のある信号の減衰を抑えることができる。さらにこの技術の発展形として、「プラスティック光ファイバー」を用いた配線方法を参考展示。このプラスティック光ファイバーは慶應義塾大学と共同開発中であり、これが実用化すると安価で曲げに強い線材として期待できるとのことだ。
エレコムブースには子会社であるDXアンテナも出展しており、こちらでも新4K8K衛星放送に対応したブースターや分波器を展示していた。なお説明員によれば「新4K8K衛星放送が始まったあとは、電波関連製品の供給が追いつかなくなったり、工事の日程が混雑する可能性が高い」ということだった。
ほかにもエレコムブースでは、複数のNASのログをまとめて確認できるシステム、防犯カメラ、タフなWindowsタブレット「ZEROSHOCK」など業務用の製品を多数展示していた。その中でエレコム子会社、ロジテックによるデータ復旧サービスの展示があり、日本で10社ほどしかないハードディスクの物理損傷にも対応できるサービスだとアピール。担当者によると、PCだけでなく、SSDやオーディオ用のNAS・サーバーの復旧も受け付けているとのこと。復旧できるかの調査まで無料なことも大きな特徴で、個人からの申し込みも可能とのことだ。
■パーツメーカーが多数出展。オーディオ用の製品も
CEATECでは、一般向け店頭販売を行わないような部品メーカーの出展も多い。オーディオに関連するメーカーでいえば、アンプなどに搭載されるコンデンサーを製造するニチコンや、オペアンプ「MUSES」を製造する新日本無線、BAドライバーを製造するノウルズ・エレクトロニクスの出展もあった。
ノウルズ・エレクトロニクスのブースには、イヤホンに使用されるBAドライバーが展示。シングルドライバーからトリプルドライバーまで様々なドライバーが置かれていた。
また、イヤホン・スマートフォンなどに搭載されるMEMSマイクも展示。同社のMEMSマイクは、スマートフォンに搭載しているMEMSマイクで9割以上のシェアを誇るという。また、DSPを搭載したMEMSマイクはAmazon Echoなどに搭載しており、DSPによりコマンドの発話によって動作させるということが可能。消費電力が少ないので、ワイヤレスイヤホンにも搭載されているとアピールしていた。
ロームのブースでは、8月に国内で披露された(関連ニュース)、「MUS-IC」シリーズのオーディオ用電源IC「BD37210MUV/BD37215MUV」がデモ展示。同社のサウンドプロセッサーIC「BD34704KS2」と組み合わせた基板が用意され、通常の電源と音質が比較できるようになっていた。
京セラブースでは多数の技術・部品が公開されていたなか、「リアルタイム画像補正技術」「オーディオ・振動アクチュエーター」に目が止まった。リアルタイム画像補正技術は京セラとKDDI総合研究所の共同研究で、移動中の車の中でブレない映像を楽しむための技術。加速度センサーとジャイロを用いることで実現している。この技術はスマートフォンでの動画再生や、車のリアモニターでの使用が期待されるという。
オーディオ・振動アクチュエーターは、アクチュエーター(ピエゾ素子)と専用のデジタルアンプをあわせることで音声を再生するもの。従来から低音の再生能力を向上させたという。低音を向上させたことで、骨伝導ヘッドセットや、VR・AR用の振動を感じるイヤホンなどでの活用が期待されるとのことだった。
今年のCEATECでは“新4K8K衛星放送” や “IoT” を掲げているブースが多かった。特にシャープのブースでは別項でレポートしている8K展示(関連ニュース)のほか、同社のAIoTサービス「COCORO+」のコーナーも展開されている。
COCORO+コーナーには、洗濯機と連携する「COCORO WASH」、エアコンや空気清浄機と連携する「COCORO AIR」、オーブンレンジや冷蔵庫と連携する「COCORO KITCHEN」に対応した製品が展示され、実際に連携を取れるようになっている。
さらに、2019年春を目標に実装予定の「タイムライン表示」が参考出展。まだ詳細は未確定だというが、COCORO WASH/AIR/KITCHENなどの各サービスの動作がテレビに表示されたタイムライン上に表示される様子が確認できた。この表示は各サービスを束ねるポータルのような扱いで、ほかにも接続機器の確認などが行える。
さらにスマホアプリも展示、テレビと同じように確認できる。後述するAIoTモジュールを搭載した製品であればこのタイムライン上に表示も可能で、会場ではアッサアブロイジャパン社のスマートロックが展示、解錠するとロボホンが「おかえり」と話し、解錠した通知がテレビのタイムライン上に映し出されていた。
説明員によると、シャープでは2012年からIoTの製品を展開しているが、当時はあまり売れていなかったとのこと。しかし、現在は多くの主力製品にAIoTを搭載しており、「搭載製品の売上は伸びているが、普及はこれから。普及していくとビックデータが蓄積されていくため、サービスがさらに便利になっていく」とコメントした。
また、シャープ製品に搭載するAIoTモジュールも展示、現状では搭載製品は先述のスマートロックのみだが、「年末頃には搭載製品が出てくるのでは」という。シャープのAIoTは「音声が特徴」とのことで、販売されるモジュールは「音声出力」「音声出力・入力」の2種類。展示では 鉢植えにこのモジュールが取り付けられ、鉢植えから音声による案内を実施。その横では日本気象協会がぜんそく予防アプリ「ぜんそくリスク予報」のデモを行っており、気象情報とシャープのAIoTを利用することで、週間気温を元にエアコンなどを動作させたり、問診を家電からの問いかけで行うといった取り組みを紹介していた。
IoTでは、関連部品やソリューションなどを展示するブースが多い中、株式会社アクセルラボがIoTキット「alyssa.play」を展示。昨日よりmakuakeにて出資受付が行なわれている。スターターキットはゲートウェイ、赤外線コントローラー、ドアセンサー、環境センサー、スイッチの5種類で、これらを組み合わせることで「帰宅時に電気を点灯」「エアコンの温度調節」といったことができる。なおAlexaとGoogleアシスタントの両方に対応している。
■新4K8K衛星放送の期待高まる
マスプロ電工では、新4K8K衛星放送に対応したブースターや分波器を展示。A-PAB/JEITAブースでも紹介されていたが、後述するように電波漏洩にもつながるため、こうした対応機器の必要性をアピールしている。
新4K8K衛星放送は、対応チューナーと4Kテレビがあれば一部チャンネルを視聴可能だが、全チャンネルを視聴するには左旋円偏波対応のアンテナなどの設置が必要。また、新4K8K衛星放送で扱う電波は3,224MHzと高い周波数のため、壁面コネクターであっても帯域が重複しているWi-Fiの影響を受けるほか、1つでも対応していないコネクターがあればそこから電波が漏洩するという。そのため、対応製品には厳重なシールドが施されている。これが非対応製品との大きな違いだという。
またブースでは、集合住宅向けのあらたな配線方法で、光ファイバーを用いたシステムを紹介。CATVの技術を利用したもので、主流の同軸ケーブルで配線した際に生じる可能性のある信号の減衰を抑えることができる。さらにこの技術の発展形として、「プラスティック光ファイバー」を用いた配線方法を参考展示。このプラスティック光ファイバーは慶應義塾大学と共同開発中であり、これが実用化すると安価で曲げに強い線材として期待できるとのことだ。
エレコムブースには子会社であるDXアンテナも出展しており、こちらでも新4K8K衛星放送に対応したブースターや分波器を展示していた。なお説明員によれば「新4K8K衛星放送が始まったあとは、電波関連製品の供給が追いつかなくなったり、工事の日程が混雑する可能性が高い」ということだった。
ほかにもエレコムブースでは、複数のNASのログをまとめて確認できるシステム、防犯カメラ、タフなWindowsタブレット「ZEROSHOCK」など業務用の製品を多数展示していた。その中でエレコム子会社、ロジテックによるデータ復旧サービスの展示があり、日本で10社ほどしかないハードディスクの物理損傷にも対応できるサービスだとアピール。担当者によると、PCだけでなく、SSDやオーディオ用のNAS・サーバーの復旧も受け付けているとのこと。復旧できるかの調査まで無料なことも大きな特徴で、個人からの申し込みも可能とのことだ。
■パーツメーカーが多数出展。オーディオ用の製品も
CEATECでは、一般向け店頭販売を行わないような部品メーカーの出展も多い。オーディオに関連するメーカーでいえば、アンプなどに搭載されるコンデンサーを製造するニチコンや、オペアンプ「MUSES」を製造する新日本無線、BAドライバーを製造するノウルズ・エレクトロニクスの出展もあった。
ノウルズ・エレクトロニクスのブースには、イヤホンに使用されるBAドライバーが展示。シングルドライバーからトリプルドライバーまで様々なドライバーが置かれていた。
また、イヤホン・スマートフォンなどに搭載されるMEMSマイクも展示。同社のMEMSマイクは、スマートフォンに搭載しているMEMSマイクで9割以上のシェアを誇るという。また、DSPを搭載したMEMSマイクはAmazon Echoなどに搭載しており、DSPによりコマンドの発話によって動作させるということが可能。消費電力が少ないので、ワイヤレスイヤホンにも搭載されているとアピールしていた。
ロームのブースでは、8月に国内で披露された(関連ニュース)、「MUS-IC」シリーズのオーディオ用電源IC「BD37210MUV/BD37215MUV」がデモ展示。同社のサウンドプロセッサーIC「BD34704KS2」と組み合わせた基板が用意され、通常の電源と音質が比較できるようになっていた。
京セラブースでは多数の技術・部品が公開されていたなか、「リアルタイム画像補正技術」「オーディオ・振動アクチュエーター」に目が止まった。リアルタイム画像補正技術は京セラとKDDI総合研究所の共同研究で、移動中の車の中でブレない映像を楽しむための技術。加速度センサーとジャイロを用いることで実現している。この技術はスマートフォンでの動画再生や、車のリアモニターでの使用が期待されるという。
オーディオ・振動アクチュエーターは、アクチュエーター(ピエゾ素子)と専用のデジタルアンプをあわせることで音声を再生するもの。従来から低音の再生能力を向上させたという。低音を向上させたことで、骨伝導ヘッドセットや、VR・AR用の振動を感じるイヤホンなどでの活用が期待されるとのことだった。