鍵を握るのは「フュージョン」
スカパー新社長に米倉氏が就任。「動画配信が席巻している状況だとは思っていない」
株式会社スカパーJSAT ホールディングス、および、同社100%子会社であるスカパーJSAT 株式会社は、4月1日付の代表取締役人事を下記の通り決定し、2月6日に発表したが、本日、高田氏、米倉氏の会見が行われた。
異動の内容
株式会社スカパーJSAT ホールディングス
代表取締役会長 高田 真治(代表取締役社長)
代表取締役社長 米倉 英一(代表取締役副社長)
スカパーJSAT 株式会社
代表取締役 執行役員会長 高田 真治(代表取締役 執行役員社長)
代表取締役 執行役員社長 米倉 英一(代表取締役 執行役員副社長)
インタラクティブなサービスを提供する
会見の冒頭、高田真治社長は「私が社長になったのが2011年4月1日でまもなく8年、就任が決まったのが3月10日で、翌日が東日本大震災だ。業務を維持するのも極めて厳しい状況にさらされ、早々に放送通信事業の公共性の高さを改めて思い知らされた」と社長就任当初を振り返った。
この度の社長交代を、「スマホの登場にはじまりデジタル社会の急激な進展、衛星事業では衛星技術が格段に向上したが、これからの10年、さらに大きな変化がある。既存事業を守るだけではやっていけない。新たな領域にどんどんチャレンジしていく。そのために昨年、新たな会社としてのグループのミッションを全社で確認した。社内もポジティブな姿勢になり、ひとつ区切りがついた」と説明した。
米倉氏については、「伊藤忠商事出身で幅広いビジネス経験をされ、海外ビジネスや経営企画も担当されている、まさに経営のプロであり、今後の舵取りを担っていただける」と紹介。「これから大きな変革があり、もっともっとスピード感をもった経営が求められ、戦いはグローバルになる。まさに米倉新社長の持ち味が十二分に発揮できると思う」と大きな期待を寄せた。
続いてあいさつに立った米倉氏は入社から7カ月、いろいろな問題点に対し、「私なりに整理ができている」と高田社長からのバトンを受ける。厳しい経営環境に置かれる放送事業に対しては、「今までひとりのユーザーとしてスカパーの契約者だったが、見るチャンネルは限られており、チャンネルが多いことが魅力ではない。これからリビングルームには、4K・8Kの大きなインフラとしてのスクリーンがあり、そこへ、AIをはじめとするテクノロジーを駆使し、よりインタラクティブなツールとしてのサービスを提供できるかが鍵になる」と断言した。
そのためのキーワードとして挙げたのは「フュージョン」。「動画や映画を見るだけではダメ。異業種・異分野とどれだけ融合し、サービスを組み合わせていけるかが重要になる」と語る。海外へも視野を広げるが、「まずは日本国内でのサービスを充実させ、契約者減に歯止めをかける。足固めをした上で、アジアを考えていきたい」と説明した。
スマホやタブレットが台頭するが、高齢化が進む中で、高齢者にとってそれらは目が疲れると指摘。「単に番組を見るだけではなく、生活サービスの質をより上げるソフト供給にチャレンジしていくことも大事。OTTの脅威に対抗できる収益力ある独自のモデルをつくっていきたい」と自信を示した。
コンテンツ・ビジネスを取り巻く環境は急速に変化を遂げているが、「脅威と言われる動画配信が必ずしも席巻している状況だとは思っていない」と語る米倉氏。「そこには日本の民度やカルチャーがあり、欧米とは事情が異なる。少子化で日本市場がシュリンクしていると指摘されるが、他の先進国よりレベルが高い位置に推移していると考えている。そこをしっかりと狙い、集客し、売上げをあげることに知恵を絞っていきたい」と力を込めた。
異動の内容
株式会社スカパーJSAT ホールディングス
代表取締役会長 高田 真治(代表取締役社長)
代表取締役社長 米倉 英一(代表取締役副社長)
スカパーJSAT 株式会社
代表取締役 執行役員会長 高田 真治(代表取締役 執行役員社長)
代表取締役 執行役員社長 米倉 英一(代表取締役 執行役員副社長)
インタラクティブなサービスを提供する
会見の冒頭、高田真治社長は「私が社長になったのが2011年4月1日でまもなく8年、就任が決まったのが3月10日で、翌日が東日本大震災だ。業務を維持するのも極めて厳しい状況にさらされ、早々に放送通信事業の公共性の高さを改めて思い知らされた」と社長就任当初を振り返った。
この度の社長交代を、「スマホの登場にはじまりデジタル社会の急激な進展、衛星事業では衛星技術が格段に向上したが、これからの10年、さらに大きな変化がある。既存事業を守るだけではやっていけない。新たな領域にどんどんチャレンジしていく。そのために昨年、新たな会社としてのグループのミッションを全社で確認した。社内もポジティブな姿勢になり、ひとつ区切りがついた」と説明した。
米倉氏については、「伊藤忠商事出身で幅広いビジネス経験をされ、海外ビジネスや経営企画も担当されている、まさに経営のプロであり、今後の舵取りを担っていただける」と紹介。「これから大きな変革があり、もっともっとスピード感をもった経営が求められ、戦いはグローバルになる。まさに米倉新社長の持ち味が十二分に発揮できると思う」と大きな期待を寄せた。
続いてあいさつに立った米倉氏は入社から7カ月、いろいろな問題点に対し、「私なりに整理ができている」と高田社長からのバトンを受ける。厳しい経営環境に置かれる放送事業に対しては、「今までひとりのユーザーとしてスカパーの契約者だったが、見るチャンネルは限られており、チャンネルが多いことが魅力ではない。これからリビングルームには、4K・8Kの大きなインフラとしてのスクリーンがあり、そこへ、AIをはじめとするテクノロジーを駆使し、よりインタラクティブなツールとしてのサービスを提供できるかが鍵になる」と断言した。
そのためのキーワードとして挙げたのは「フュージョン」。「動画や映画を見るだけではダメ。異業種・異分野とどれだけ融合し、サービスを組み合わせていけるかが重要になる」と語る。海外へも視野を広げるが、「まずは日本国内でのサービスを充実させ、契約者減に歯止めをかける。足固めをした上で、アジアを考えていきたい」と説明した。
スマホやタブレットが台頭するが、高齢化が進む中で、高齢者にとってそれらは目が疲れると指摘。「単に番組を見るだけではなく、生活サービスの質をより上げるソフト供給にチャレンジしていくことも大事。OTTの脅威に対抗できる収益力ある独自のモデルをつくっていきたい」と自信を示した。
コンテンツ・ビジネスを取り巻く環境は急速に変化を遂げているが、「脅威と言われる動画配信が必ずしも席巻している状況だとは思っていない」と語る米倉氏。「そこには日本の民度やカルチャーがあり、欧米とは事情が異なる。少子化で日本市場がシュリンクしていると指摘されるが、他の先進国よりレベルが高い位置に推移していると考えている。そこをしっかりと狙い、集客し、売上げをあげることに知恵を絞っていきたい」と力を込めた。