「Water with Life in Taiwan」
デルタ電子/NHKによる長編8Kドキュメンタリー「Water with Life in Taiwan」を、300インチ超スクリーンで体験した
デルタ電子ファウンデーションは、同社がスポンサーとなって製作した8K映像によるドキュメンタリー「Water with Life in Taiwan」について、昨日17日に報道陣向け上映会を開催した。
■水がテーマのドキュメンタリー。NHKでも放送
Water with Life in Taiwanは、「貴重な資源である水の四季折々の美しい表情や海水温度上昇、サンゴの白化現象、豪雨の実態を高精細な映像で捉え、人類の活動が地球温暖化や水資源に与える影響について提起する」という作品。編集版は「水とめぐる四季」として、3月31日にNHK BS8Kチャンネルで放送。現在も定期的に再放送が行われている。
会場は、秋葉原・富士ソフトアキバプラザ 2Fの「アキバシアター」。この場所は同社のDLP 8Kレーザープロジェクター「INSIGHT Laser 8K」(関連ニュース)が体験できるショールームとなっており、320インチのスクリーンが設置されている。今回の上映会も、こちらの設備を使用して行われた。
■1億円以上の機材を使用。約2年をかけて制作
上映の前には、デルタ電子ジャパン代表の柯 進興氏が登壇。作品について「NHKエンタープライズに依頼し、2年の時間をかけて制作したもの。台湾各地の美しい自然とともに、8Kの高解像度で捉えたドキュメンタリー」と説明した。
続いてデルタ電子ファウンデーションの取締役 Shan-Shan Guo氏も登壇し、「デルタファウンデーションは『気候変動とエネルギー』『人材育成』『グリーンビルディング』を3つのテーマとして大きく挙げており、環境教育に重点を置いている」と今回の映像制作がCSR活動の一環であると話す。
同社では2008年には人類と自然の調和のとれたバランスを提唱する「Natural Formosa」、2010年には台湾から見た気候変動を取り上げたドキュメンタリー「Plus and Minus Two Degrees」、2012年には台湾を上空から捉えた「Taiwan From the Air」、2013年には航空写真家チー・ポーリン氏による「天空からの招待状」と、10年以上にわたって環境に関係するドキュメンタリーを制作してきた。
今回制作された「water with life in taiwan」は、世界初とする8Kの長編映像。45分という尺のなかで、台湾の水資源の問題を様々な角度から捉えたという。原題は「水起・台湾」。 “起” には“はじまり・みなもと” という意味が込められており、また “発生する・育成する・はぐくむ”、“復活する・好転する” という想いも込めていると同氏は語る。
映像は四季に分けて構成されており、夏は様々な植物が生い茂る原生林、秋は干し柿を作る過程、冬は雪や台湾から黒潮に乗って北海道へたどり着く氷、春は桜が有名な日月潭という湖にフォーカス。水を巡るサイクルで循環している様子がわかると説明する。
一方で、地下水の汲み上げによる沿岸部での地盤沈下、ダム建設によるタイワンマス絶滅の危機などのシーンも納められる。撮影には、8Kカメラ×2、4Kカメラ×2、ドローン×3、水中カメラ×2と、総額1億円に及ぶ機材を使用。また撮影にはNHKエンタープライズから40名、台湾のデルタ側から10名が参加し、1年9ヶ月をかけて行われたという。
プレゼンの最後には、「中国語版もあるが、中国版のナレーターは私が行った」と紹介。また同社の8Kプロジェクターについて、「こういった8Kの画像をCSR活動につなげるとともに、これまで見れなかった映像が8Kで改めて見れるという経験をしていただきたい」と話した。
■通常の8Kコンテンツと毛色がちがう作品
またゲストとして、撮影に協力した 株式会社NHKエンタープライズ エグゼクティブプロデューサー 佐藤一裕氏が登壇し、作品に対して「通常の8Kコンテンツと毛色がちがう」とコメント。「現在は8Kの解像度を強調するような、劇場、コンサート、自然なものなど、色彩の強いような物が多い。しかしこのドキュメンタリーでは綺麗でないところも描いていて、現時点での8Kコンテンツでは稀有な存在となっている」と説明する。
ハイビジョン登場時と同様に、今回の8Kでも、新しい技術が生まれるときならではのコンテンツ不足にも言及。ここから1歩踏み出すことが必要だとして、「考えさせられるようなドキュメンタリーが必要」と話す。「4月にも再放送が行われたが、これから幾度となく放送されていくと思う。そういったことがオリンピックに向けて普及していく8Kの起爆剤になると信じている」と今回のドキュメンタリーへの期待も表した。
■記者が視聴。高精細な映像とリアルな色合い
上映が行われた「Water with Life in Taiwan」は、英語音声・日本語字幕のオリジナル版。実際に記者も視聴したが、8Kだからこその高精細な映像に圧倒される。苔や岩などにクローズアップした描写も多いのだが、8Kならではのリアルな質感表現が味わえる。干潟のシーンでは、画面内に映る多くの生き物の様子がそれぞれ確認できるほどだ。
また佐藤氏が説明していたように、鮮やかな色彩を強調したよううな色合いではなく、あくまで自然であることにこだわった色調にも好感を持った。時には暗いシーンもあり、そこにまたリアリティがある。ダイヤモンドダストが輝くシーンなどでは、HDRも活かされていた。ピントの合い具合が詳細にわかってしまうのも、8Kならではだ。
■現場の苦労が凝縮されたコンテンツ
上映のあとには、この8Kプロジェクターの開発に関わったDelta Electronics, inc. Kengo Ka氏が登壇。本機について「デルタ電子とデジタルプロジェクション、アストロデザインの3社で共同開発によってできたもの」「いつも10分・15分の映像を見ていたが、ここまでの長さの8K映像は初めて見た」「(開発には)2年間かかったが、苦労したかいがあった」と述べた。
また最後の質問で、佐藤氏が撮影に苦労した点について尋ねられると、「いままでの8K映像ではこれほど大きなスクリーンを想定していなかったので、ピントの合わせ方がシビアだった」と回答。「100・150インチでみるとピントが合っているが、300インチクラスで確認すると、合っていないということもあり苦労した」と語った。
「撮影・コンテンツの作り方を含めて、今までにない現場の苦労が凝縮された」と話す今回の作品。編集版「水とめぐる四季」は、NHK BS8Kおいて4月17日・19日、また6月にも再放送が予定されているそうなので、まだ見ていない方はぜひその映像を確認してみてほしい。
■水がテーマのドキュメンタリー。NHKでも放送
Water with Life in Taiwanは、「貴重な資源である水の四季折々の美しい表情や海水温度上昇、サンゴの白化現象、豪雨の実態を高精細な映像で捉え、人類の活動が地球温暖化や水資源に与える影響について提起する」という作品。編集版は「水とめぐる四季」として、3月31日にNHK BS8Kチャンネルで放送。現在も定期的に再放送が行われている。
会場は、秋葉原・富士ソフトアキバプラザ 2Fの「アキバシアター」。この場所は同社のDLP 8Kレーザープロジェクター「INSIGHT Laser 8K」(関連ニュース)が体験できるショールームとなっており、320インチのスクリーンが設置されている。今回の上映会も、こちらの設備を使用して行われた。
■1億円以上の機材を使用。約2年をかけて制作
上映の前には、デルタ電子ジャパン代表の柯 進興氏が登壇。作品について「NHKエンタープライズに依頼し、2年の時間をかけて制作したもの。台湾各地の美しい自然とともに、8Kの高解像度で捉えたドキュメンタリー」と説明した。
続いてデルタ電子ファウンデーションの取締役 Shan-Shan Guo氏も登壇し、「デルタファウンデーションは『気候変動とエネルギー』『人材育成』『グリーンビルディング』を3つのテーマとして大きく挙げており、環境教育に重点を置いている」と今回の映像制作がCSR活動の一環であると話す。
同社では2008年には人類と自然の調和のとれたバランスを提唱する「Natural Formosa」、2010年には台湾から見た気候変動を取り上げたドキュメンタリー「Plus and Minus Two Degrees」、2012年には台湾を上空から捉えた「Taiwan From the Air」、2013年には航空写真家チー・ポーリン氏による「天空からの招待状」と、10年以上にわたって環境に関係するドキュメンタリーを制作してきた。
今回制作された「water with life in taiwan」は、世界初とする8Kの長編映像。45分という尺のなかで、台湾の水資源の問題を様々な角度から捉えたという。原題は「水起・台湾」。 “起” には“はじまり・みなもと” という意味が込められており、また “発生する・育成する・はぐくむ”、“復活する・好転する” という想いも込めていると同氏は語る。
映像は四季に分けて構成されており、夏は様々な植物が生い茂る原生林、秋は干し柿を作る過程、冬は雪や台湾から黒潮に乗って北海道へたどり着く氷、春は桜が有名な日月潭という湖にフォーカス。水を巡るサイクルで循環している様子がわかると説明する。
一方で、地下水の汲み上げによる沿岸部での地盤沈下、ダム建設によるタイワンマス絶滅の危機などのシーンも納められる。撮影には、8Kカメラ×2、4Kカメラ×2、ドローン×3、水中カメラ×2と、総額1億円に及ぶ機材を使用。また撮影にはNHKエンタープライズから40名、台湾のデルタ側から10名が参加し、1年9ヶ月をかけて行われたという。
プレゼンの最後には、「中国語版もあるが、中国版のナレーターは私が行った」と紹介。また同社の8Kプロジェクターについて、「こういった8Kの画像をCSR活動につなげるとともに、これまで見れなかった映像が8Kで改めて見れるという経験をしていただきたい」と話した。
■通常の8Kコンテンツと毛色がちがう作品
またゲストとして、撮影に協力した 株式会社NHKエンタープライズ エグゼクティブプロデューサー 佐藤一裕氏が登壇し、作品に対して「通常の8Kコンテンツと毛色がちがう」とコメント。「現在は8Kの解像度を強調するような、劇場、コンサート、自然なものなど、色彩の強いような物が多い。しかしこのドキュメンタリーでは綺麗でないところも描いていて、現時点での8Kコンテンツでは稀有な存在となっている」と説明する。
ハイビジョン登場時と同様に、今回の8Kでも、新しい技術が生まれるときならではのコンテンツ不足にも言及。ここから1歩踏み出すことが必要だとして、「考えさせられるようなドキュメンタリーが必要」と話す。「4月にも再放送が行われたが、これから幾度となく放送されていくと思う。そういったことがオリンピックに向けて普及していく8Kの起爆剤になると信じている」と今回のドキュメンタリーへの期待も表した。
■記者が視聴。高精細な映像とリアルな色合い
上映が行われた「Water with Life in Taiwan」は、英語音声・日本語字幕のオリジナル版。実際に記者も視聴したが、8Kだからこその高精細な映像に圧倒される。苔や岩などにクローズアップした描写も多いのだが、8Kならではのリアルな質感表現が味わえる。干潟のシーンでは、画面内に映る多くの生き物の様子がそれぞれ確認できるほどだ。
また佐藤氏が説明していたように、鮮やかな色彩を強調したよううな色合いではなく、あくまで自然であることにこだわった色調にも好感を持った。時には暗いシーンもあり、そこにまたリアリティがある。ダイヤモンドダストが輝くシーンなどでは、HDRも活かされていた。ピントの合い具合が詳細にわかってしまうのも、8Kならではだ。
■現場の苦労が凝縮されたコンテンツ
上映のあとには、この8Kプロジェクターの開発に関わったDelta Electronics, inc. Kengo Ka氏が登壇。本機について「デルタ電子とデジタルプロジェクション、アストロデザインの3社で共同開発によってできたもの」「いつも10分・15分の映像を見ていたが、ここまでの長さの8K映像は初めて見た」「(開発には)2年間かかったが、苦労したかいがあった」と述べた。
また最後の質問で、佐藤氏が撮影に苦労した点について尋ねられると、「いままでの8K映像ではこれほど大きなスクリーンを想定していなかったので、ピントの合わせ方がシビアだった」と回答。「100・150インチでみるとピントが合っているが、300インチクラスで確認すると、合っていないということもあり苦労した」と語った。
「撮影・コンテンツの作り方を含めて、今までにない現場の苦労が凝縮された」と話す今回の作品。編集版「水とめぐる四季」は、NHK BS8Kおいて4月17日・19日、また6月にも再放送が予定されているそうなので、まだ見ていない方はぜひその映像を確認してみてほしい。