マランツ、市場シェアNo.1の“薄型”AVアンプが「NR1710」へ刷新。Bluetooth送信機能を搭載

今回のNR1710ではさらに、Dolby Atmos Height Virtualizerに今後のアップデートで対応予定。本機能はサラウンド/トップスピーカーを設定していない2ch、あるいはトップスピーカーを設置していない5.1chや7.1chといった環境でも、バーチャルによって3Dサラウンドを再現する機能だ。また、2chや5.1chなどのコンテンツを3Dサラウンド化することも可能。

従来から同様の機能としてDTS Virtual:Xを搭載していたが、こちらはDolby系のコンテンツへの適用が非対応だったため、Dolby Atmos Height Virtualizerによってあらゆるコンテンツを、あらゆる環境で3Dサラウンドで楽しめるようになったとする。


■eARCに対応。テレビで再生したアトモス/DTS:XもAVアンプから再生

NR1710はeARCにも対応。ARC（オーディオ・リターン・チャンネル）はテレビの音声をHDMI経由でAVアンプに “リターン” させ、AVアンプから再生する機能。最新のeARCでは、テレビに内蔵されたプレーヤー機能で再生されたコンテンツのドルビーアトモスやDTS:X音声も、AVアンプから再生することが可能になる。

現時点でAmazonプライムビデオ、iTunes Video、Netflix、U-NEXT、ビデオマーケットなどの映像配信サービスがドルビーアトモスによる配信も行っている。映像配信がますますコンテンツの主流になるなかで、eARCは重宝する機能になるはずだ。

また、ひとつのHDMI入力を同時に複数の入力にアサインする「HDMIマルチインプットアサイン」にも対応する。これにより、例えば別入力で再生中の音楽を流しながら、スポーツ中継を観戦するといったことが可能になる。


■Bluetooth送信機能も搭載

もうひとつの新機能となるのが、Bluetooth送信機能の搭載だ。従来からBluetooth受信機能は搭載しており、スマートフォンなどのコンテンツをNRシリーズから再生することはできた。Bluetooth送信機能により、NR1710で再生中の映画や音楽の音声を、Bluetoothヘッドホンで楽しむといったことが可能になった。

なお、Bluetooth送信時の音量は固定で、ヘッドホンなどのBluetooth受信機側で調整するかたちになる。スピーカー再生とBluetooth出力を同時に行うことも可能だ。


■音質面もさらに進化。回路パターンを全面見直し

NR1710は音質面でもさらなる進化を遂げたとのこと。NRシリーズは毎年のモデルチェンジごとに、着々と音質向上の施策を行ってきた。新フォーマットへの対応など機能面の開発にも時間を割く必要があるAVアンプにとって、音質面の改良への取り組みは時間にも制約があり、結果として毎年のモデルごとに音質の見直しを行ってきたという。

前モデルのNR1609は、サラウンドフォーマットやHDMI関連の新規格が一段落していたタイミングの製品ということで、音質面に開発リソースを集中できた。音質チューニングの域にとどまらないオーディオ回路や電源の全面的な刷新、音質パーツのグレードアップが可能になったという。

NR1710では、このNR1609でのグレードアップをベースに、主要回路から周辺に至るまでのブラッシュアップを実施。音質に関わる主要回路の回路パターンの全面的な見直しを行い、回路も新たに書き直したとのこと。

具体的には、デジタル回路やプリ/パワーアンプで回路・定数・パーツ変更等の見直しを行い、DAC回路とパワーアンプ用電源では、構造やパーツのグレードアップにまで踏みこむ見直しが行われた。

DAC回路は従来、HDMIを含むデジタル基板上に配置されていた。NR1710ではDAC回路をデジタル基板から分離・独立させ、デジタル基板に縦付けで配置する形に変更された。レイアウトやパターンもこれに合わせて最適化。なお、DACは引き続きAKM製「AK4458VN」を用いている。