バイアンプ駆動の検証も
2chじゃダメなんですか? マランツ「NR1609」で5.1.2chと2chの映画再生をガチ比較
■多様なソースを楽しむなら、AVアンプが「最適解」だからこそ
今、家庭で楽しむ映像コンテンツに目を向けると、Ultra HD Blu-rayのようなディスクメディアや地デジ放送に加え、Netflixなどの映像配信サービスも人気だ。音楽ではCD、ハイレゾに加え、音楽ストリーミングも台頭。Wi-FiやBluetoothなどワイヤレス再生もますます身近になっている。コンテンツや再生方法が多様化する中で、これらを統合して楽しめる「メディアセンター」の役割を担うAVアンプの導入は自然な流れ。HDMIにもワイヤレスにも対応するAVアンプは、最適解と言ってもいいはずだ。
それなのに、AVアンプの導入に心理的ハードルを感じる方が少なくないと感じる。テレビラックに収まりにくいサイズ、接続や設定が難しそうに感じることが主な理由に挙げられるだろうが、オーディオ評論をメインで行っている筆者の感覚からすると、あと2つ大きな理由がある。
ひとつは(特にオーディオファイルが)「AVアンプは、ステレオアンプに比べて音質重視ではない」という漠然としたイメージ。もうひとつは、「AVアンプを導入するなら、5.1chスピーカーも用意しないと」という先入観ではないか。
今回取り上げるマランツのAVアンプ「NR1609」がモデル別でトップの売上を記録している(GFK調べ、2018年7月〜9月単品AVアンプ)というのも、音質を妥協せずに「サイズ」というハードルを取り除くことで、潜在層にまでAVアンプの魅力が届いたからだと思う。
だからこそ本記事では上記の2つの先入観に対しても、NR1609の「ステレオ再生の実力の検証」と、「必ずしも5.1chスピーカーを用意しなくても、サラウンドは楽しめる」という実験を通じて答えたい。
■ “薄型”デザインのAVアンプ。 マランツ「NR1609」
NR1609は、リビングに設置しやすい “薄型” のデザインが最大の特徴だ。テレビラックの中に設置できるスリムなサイズで、テレビやBDレコーダーはもちろん、スマホ、PC、ゲーム機などさまざまなデバイスを接続して、リビングで多様なエンタメコンテンツを楽しむことができる。
しかも、薄型ながら仕様は本格派。ドルビーアトモス/DTS:Xなどのオブジェクトオーディオや、従来の5.1ch環境であっても高さ方向の音声をバーチャル生成する最新技術「DTS Virtual:X」など、最新トレンドにしっかり対応している。アンプは7chを装備。全チャンネル同一クオリティのフルディスクリート構成で、1chあたり50W(8Ω)のパワーを確保。10万円以下クラスのAVアンプとして、スペックはパーフェクトと言ってよいだろう。
前モデルから音楽再生能力を大幅にブラッシュアップした点も見逃せない。というのも、通常AVアンプの開発は最新の映像規格への対応が中心となり、音にまで手が回りづらいことが多い。しかし最新映像規格への対応が前モデルで一段落したため、今回のNR1609は音楽再生クオリティの向上に、開発リソースを集中できたのだそうだ。「リビングに置きやすくて、本格的な音楽再生も楽しめるAVアンプ」を実現した1台と言える。
このような特徴を備えたNR1609だからこそ、「2チャンネル再生の実力」と「リビングで使いやすいスピーカー配置」という2点を検証するに値するのだ。
■2チャンネル再生の実力
まずは、ピュアオーディオファイルの視点で、NR1609の2チャンネル再生時の音質を確認していこう。
今、家庭で楽しむ映像コンテンツに目を向けると、Ultra HD Blu-rayのようなディスクメディアや地デジ放送に加え、Netflixなどの映像配信サービスも人気だ。音楽ではCD、ハイレゾに加え、音楽ストリーミングも台頭。Wi-FiやBluetoothなどワイヤレス再生もますます身近になっている。コンテンツや再生方法が多様化する中で、これらを統合して楽しめる「メディアセンター」の役割を担うAVアンプの導入は自然な流れ。HDMIにもワイヤレスにも対応するAVアンプは、最適解と言ってもいいはずだ。
それなのに、AVアンプの導入に心理的ハードルを感じる方が少なくないと感じる。テレビラックに収まりにくいサイズ、接続や設定が難しそうに感じることが主な理由に挙げられるだろうが、オーディオ評論をメインで行っている筆者の感覚からすると、あと2つ大きな理由がある。
ひとつは(特にオーディオファイルが)「AVアンプは、ステレオアンプに比べて音質重視ではない」という漠然としたイメージ。もうひとつは、「AVアンプを導入するなら、5.1chスピーカーも用意しないと」という先入観ではないか。
今回取り上げるマランツのAVアンプ「NR1609」がモデル別でトップの売上を記録している(GFK調べ、2018年7月〜9月単品AVアンプ)というのも、音質を妥協せずに「サイズ」というハードルを取り除くことで、潜在層にまでAVアンプの魅力が届いたからだと思う。
だからこそ本記事では上記の2つの先入観に対しても、NR1609の「ステレオ再生の実力の検証」と、「必ずしも5.1chスピーカーを用意しなくても、サラウンドは楽しめる」という実験を通じて答えたい。
■ “薄型”デザインのAVアンプ。 マランツ「NR1609」
NR1609は、リビングに設置しやすい “薄型” のデザインが最大の特徴だ。テレビラックの中に設置できるスリムなサイズで、テレビやBDレコーダーはもちろん、スマホ、PC、ゲーム機などさまざまなデバイスを接続して、リビングで多様なエンタメコンテンツを楽しむことができる。
しかも、薄型ながら仕様は本格派。ドルビーアトモス/DTS:Xなどのオブジェクトオーディオや、従来の5.1ch環境であっても高さ方向の音声をバーチャル生成する最新技術「DTS Virtual:X」など、最新トレンドにしっかり対応している。アンプは7chを装備。全チャンネル同一クオリティのフルディスクリート構成で、1chあたり50W(8Ω)のパワーを確保。10万円以下クラスのAVアンプとして、スペックはパーフェクトと言ってよいだろう。
前モデルから音楽再生能力を大幅にブラッシュアップした点も見逃せない。というのも、通常AVアンプの開発は最新の映像規格への対応が中心となり、音にまで手が回りづらいことが多い。しかし最新映像規格への対応が前モデルで一段落したため、今回のNR1609は音楽再生クオリティの向上に、開発リソースを集中できたのだそうだ。「リビングに置きやすくて、本格的な音楽再生も楽しめるAVアンプ」を実現した1台と言える。
このような特徴を備えたNR1609だからこそ、「2チャンネル再生の実力」と「リビングで使いやすいスピーカー配置」という2点を検証するに値するのだ。
■2チャンネル再生の実力
まずは、ピュアオーディオファイルの視点で、NR1609の2チャンネル再生時の音質を確認していこう。