ステンレス/カッパーの2機種を用意
Astell&Kernの新フラグシップDAP「A&ultima SP2000」、7月から順次発売。約48万円
アユートは、同社が取り扱うAstell&Kernブランドの新製品として、新フラグシップDAP「A&ultima SP2000」2モデルを、今夏より順次発売する。
ステンレス製ボディの「Stainless Steel」、銅製ボディの「Copper」の2モデルをラインナップし、Stainless Steelは7月、Copperは8月の発売を予定。価格はいずれもオープンで、市場では479,980円前後での実売を想定する。
A&ultima SP2000は今年5月、ドイツ・ミュンヘンで開催されたオーディオショウ「High End MUNICH 2019」にて世界初披露(関連ニュース)。従来モデル「A&ultima SP1000」を超える“NEXT LEVEL”のフラグシップDAPとして、国内で正式に発表されたかたちだ。
旭化成エレクトロニクス(AKM)のフラグシップDACチップ「AK4499EQ」をデュアル構成で搭載。それに合わせてアナログアンプのブロック構成やオペアンプを一から見直し、同社製品では初というバランス出力/アンバランス出力でオーディオチャンネルを完全に分離/独立させる設計を採用した。
これにより出力/歪率/SN比を従来モデルの「A&ultima SP1000」からさらに向上させており、アンバランス時は出力 3Vrms/歪率 0.0005%@1kHz/SN比 124dB@1kHz、バランス時は出力 6Vrms/歪率 0.0004%@1kHz/SN比 125dB@1kHzを実現。広大なサウンドステージと優れたセパレーションを提供するとしている。
オーディオフォーマットはPCM 768kHz/32bit、DSD 22.4MHzのネイティブ再生まで対応。MQA音源の再生にも対応する。クロックには200Fsとジッターの低いVCXO(電圧制御水晶発振器)を採用。512GBのストレージを内蔵するほか、microSDXCスロット1基も搭載。microSDXCカードの固定方式は、取り出しに細いピンが必要なトレー式ではなく、指で簡単にカードの抜き差しができるバネ式が採用された。
8コアCPUを搭載することで処理能力と反応速度にも優れるほか、Wi-Fi受信感度に優れる改良された3次元アンテナを搭載。IEEE802.11a/b/g/n/acに準拠し、2.4GHz/5GHzのデュアルバンドWi-Fiに対応する。また、音楽ストリーミングサービスなどのアプリをインストールできる「Open APP Service」もサポートする。
その他、イコライザー(EQ)設定をファイルにエクスポートし、PC経由などで他のSP2000ユーザーとEQ設定を共有できる「EQシェアリング」、カーステレオに接続するなど車中で操作する場合に最適なレイアウトで再生画面を表示する「カーモード」といった機能を搭載。
付属品として本革ケースが用意されているが、Stainless Steelはconceria WALPIER(コンチェリア・ワルピエ)社、CopperはTÄRNSJÖ(タンショー)社とそれぞれ異なるブランドの革を採用している。
連続再生時間は約8時間(ボリューム80、EQオフ、画面オフ、FLAC 44.1kHz/16bit再生時)で、急速充電に対応。Bluetoothはバージョン4.1、コーデックはaptX HD/aptX/SBCに対応する。
外形寸法は約76.3W×132H×15.7Dmm、質量はStainless Steelが約410.8g、Copperが約432.4g。
本日行われた発表会では、Astell&Kernで日本地域の営業を担当するソニア氏が、上記の製品特徴に加えて開発経緯や製品デザインについても解説を行った。
Astell&Kernではフラグシップを2年ごとに更新する方針を取っており、SP2000の開発が本格化したのは昨年6月。デザインはSP1000の“光と影”を発展させた“光の拡散”をテーマにしているとのこと。
今回、SP1000まで搭載していた専用アクセサリー用の拡張端子が廃止されたが、それはSP2000単体で充分な性能を持つと判断したため。今後開発するモデルにあらためて拡張端子を採用する可能性もあるという。
また、発表会にはAK4499EQの開発元である旭化成エレクトロニクスでオーディオマイスターを担当する佐藤友則氏も登壇。同社初の電流出力型DACであるAK4499EQの特徴を解説すると共に、Astell&KernとはAK4499EQのファースト・サンプルの提供や回路構成のテクニカルサポートまで綿密な関係を結び、SP2000の開発をバックアップしたことを語った。
発表会会場にて、SP2000のStainless StealとCopper、そしてSP1000の3機種のサウンドを、記者所有の「AK T8iE」で聴き比べた。
基本的には「HIGH END MUNICH 2019」レポートでお届けした通り、SP1000の時点で優れていた解像感、些細な音色まで描き分ける表現力、音の広がりが、SP2000では根本的なS/Nの向上もあって一段と高められている。また、アンプの強化によるものなのか、SP1000よりも低い帯域にグッと力が入ったようだ。
試聴曲にはジャズ、ロック、メタル、EDMなど幅広いジャンルを用意したが、ジャズではドラムスやコンガなど打楽器の胴鳴り、ロックではエレキギターのハムノイズ、EDMではエコーエフェクトの消え際など、メロディには直接関係のない音までSP1000以上に細かく聴き取ることができた。AK T8iEは飛び抜けて解像感に優れたイヤホンというわけではないにもかかわらず、SP2000につなぎ替えた途端、耳に飛び込む情報量が大幅に増えたように感じられるのだからさすがだ。
また、Stainless Steel/Copperのボディ素材の違いによる音質差はSP2000でも認められた。あくまで上述した特徴をベースとしつつ、Stainless Steelはボーカルから上、中高音域の通りの良さや残響の微細な表現に優れ、Copperはベースから下、低音域の重厚感が持ち味となる。もちろん、どちらを選ぶかはユーザーの音楽の好み次第だが、他では代えられない音色を味わえるモデルとしてStainless Steelを個人的には推したい。
以上のような音質面の違いに加え、内蔵メモリの増強、抜き差ししやすいmicroSDカードスロットの形状変更、デュアルバンドWi-Fiへの対応などハードウェア面でもSP1000から着実に強化が続けられており、まさしく次世代フラグシップモデルと呼んで差し支えない出来栄えだ。
ステンレス製ボディの「Stainless Steel」、銅製ボディの「Copper」の2モデルをラインナップし、Stainless Steelは7月、Copperは8月の発売を予定。価格はいずれもオープンで、市場では479,980円前後での実売を想定する。
A&ultima SP2000は今年5月、ドイツ・ミュンヘンで開催されたオーディオショウ「High End MUNICH 2019」にて世界初披露(関連ニュース)。従来モデル「A&ultima SP1000」を超える“NEXT LEVEL”のフラグシップDAPとして、国内で正式に発表されたかたちだ。
旭化成エレクトロニクス(AKM)のフラグシップDACチップ「AK4499EQ」をデュアル構成で搭載。それに合わせてアナログアンプのブロック構成やオペアンプを一から見直し、同社製品では初というバランス出力/アンバランス出力でオーディオチャンネルを完全に分離/独立させる設計を採用した。
これにより出力/歪率/SN比を従来モデルの「A&ultima SP1000」からさらに向上させており、アンバランス時は出力 3Vrms/歪率 0.0005%@1kHz/SN比 124dB@1kHz、バランス時は出力 6Vrms/歪率 0.0004%@1kHz/SN比 125dB@1kHzを実現。広大なサウンドステージと優れたセパレーションを提供するとしている。
オーディオフォーマットはPCM 768kHz/32bit、DSD 22.4MHzのネイティブ再生まで対応。MQA音源の再生にも対応する。クロックには200Fsとジッターの低いVCXO(電圧制御水晶発振器)を採用。512GBのストレージを内蔵するほか、microSDXCスロット1基も搭載。microSDXCカードの固定方式は、取り出しに細いピンが必要なトレー式ではなく、指で簡単にカードの抜き差しができるバネ式が採用された。
8コアCPUを搭載することで処理能力と反応速度にも優れるほか、Wi-Fi受信感度に優れる改良された3次元アンテナを搭載。IEEE802.11a/b/g/n/acに準拠し、2.4GHz/5GHzのデュアルバンドWi-Fiに対応する。また、音楽ストリーミングサービスなどのアプリをインストールできる「Open APP Service」もサポートする。
その他、イコライザー(EQ)設定をファイルにエクスポートし、PC経由などで他のSP2000ユーザーとEQ設定を共有できる「EQシェアリング」、カーステレオに接続するなど車中で操作する場合に最適なレイアウトで再生画面を表示する「カーモード」といった機能を搭載。
付属品として本革ケースが用意されているが、Stainless Steelはconceria WALPIER(コンチェリア・ワルピエ)社、CopperはTÄRNSJÖ(タンショー)社とそれぞれ異なるブランドの革を採用している。
連続再生時間は約8時間(ボリューム80、EQオフ、画面オフ、FLAC 44.1kHz/16bit再生時)で、急速充電に対応。Bluetoothはバージョン4.1、コーデックはaptX HD/aptX/SBCに対応する。
外形寸法は約76.3W×132H×15.7Dmm、質量はStainless Steelが約410.8g、Copperが約432.4g。
本日行われた発表会では、Astell&Kernで日本地域の営業を担当するソニア氏が、上記の製品特徴に加えて開発経緯や製品デザインについても解説を行った。
Astell&Kernではフラグシップを2年ごとに更新する方針を取っており、SP2000の開発が本格化したのは昨年6月。デザインはSP1000の“光と影”を発展させた“光の拡散”をテーマにしているとのこと。
今回、SP1000まで搭載していた専用アクセサリー用の拡張端子が廃止されたが、それはSP2000単体で充分な性能を持つと判断したため。今後開発するモデルにあらためて拡張端子を採用する可能性もあるという。
また、発表会にはAK4499EQの開発元である旭化成エレクトロニクスでオーディオマイスターを担当する佐藤友則氏も登壇。同社初の電流出力型DACであるAK4499EQの特徴を解説すると共に、Astell&KernとはAK4499EQのファースト・サンプルの提供や回路構成のテクニカルサポートまで綿密な関係を結び、SP2000の開発をバックアップしたことを語った。
発表会会場にて、SP2000のStainless StealとCopper、そしてSP1000の3機種のサウンドを、記者所有の「AK T8iE」で聴き比べた。
基本的には「HIGH END MUNICH 2019」レポートでお届けした通り、SP1000の時点で優れていた解像感、些細な音色まで描き分ける表現力、音の広がりが、SP2000では根本的なS/Nの向上もあって一段と高められている。また、アンプの強化によるものなのか、SP1000よりも低い帯域にグッと力が入ったようだ。
試聴曲にはジャズ、ロック、メタル、EDMなど幅広いジャンルを用意したが、ジャズではドラムスやコンガなど打楽器の胴鳴り、ロックではエレキギターのハムノイズ、EDMではエコーエフェクトの消え際など、メロディには直接関係のない音までSP1000以上に細かく聴き取ることができた。AK T8iEは飛び抜けて解像感に優れたイヤホンというわけではないにもかかわらず、SP2000につなぎ替えた途端、耳に飛び込む情報量が大幅に増えたように感じられるのだからさすがだ。
また、Stainless Steel/Copperのボディ素材の違いによる音質差はSP2000でも認められた。あくまで上述した特徴をベースとしつつ、Stainless Steelはボーカルから上、中高音域の通りの良さや残響の微細な表現に優れ、Copperはベースから下、低音域の重厚感が持ち味となる。もちろん、どちらを選ぶかはユーザーの音楽の好み次第だが、他では代えられない音色を味わえるモデルとしてStainless Steelを個人的には推したい。
以上のような音質面の違いに加え、内蔵メモリの増強、抜き差ししやすいmicroSDカードスロットの形状変更、デュアルバンドWi-Fiへの対応などハードウェア面でもSP1000から着実に強化が続けられており、まさしく次世代フラグシップモデルと呼んで差し支えない出来栄えだ。