据え置き型システムにも注目
<ヘッドフォン祭>STAXの真空管・半導体アンプ聴き比べ/FitEarハイブリッド「FitEar DC」発売
11月2日・3日と東京・中野サンプラザで開催しているフジヤエービック主催「秋のヘッドフォン祭2019」。本記事では、STAXブースや、据え置き型やアナログオーディオメーカーなどが集まった “エトワール” ルームなどの模様をレポートする。
■STAX
超弩級「SRM-T8000」と下位モデル「SRM-727A」「SRM-007tA」の間に位置づけられるハイクラスのイヤースピーカードライバーとして、「SRM-700T」(真空管方式)、「SRM-700S」(半導体方式)の2モデルを12月3日に発売するSTAX。一足先に先行展示を行っていた。なお価格はどちらも298,000円(税抜)。
会場は、SRM-700T/SRM-700Sそれぞれでブースが展開され、来場者は音の違いを聴き比べていた。真空管方式のSRM-700Tでは、二段目にGT管の6SN7を搭載。半導体方式モデルのSRM-700Sでは、二段目の増幅段にもJ-FETを採用し、同社初のオール半導体式となっている。パワートランジスター群は、大型ヒートシンクにより徹底した熱対策が施される。
共通の特徴として、本体のボリュームをバイパスできるレベルコントロールスイッチを搭載。初段にはカスタムのローノイズDUAL FETを採用する。また部品には厳選したペアマッチ特製のFETを採用し、フィルムコンデンサーには独WIMA社製のものが用いられる。
低ノイズでの増幅に優れたJ-FETと大電流エミッタフォロワー回路によって、イヤースピーカーの性能を余すこと無く引き出せるように設計。高周波成分の多い音楽ソースでも余裕のあるドライブができ、「音楽の細部を伝える、正確な再現」を追求したという。
■FitEar
須山歯研では、本日11月2日より正式販売開始するFitEarブランドのハイブリッド型カスタムIEM「FitEar DC」を早速展示。これまでポタ研などのイベントで試作機が展示されてきたが、量産モデルが聴けるとあって多くのファンが訪れていた。
高域側には、完全密閉空間でも動作できる静電型トゥイーターユニットを採用。ユニットには昇圧トランスが組み込まれており、静電型でありながら一般的なイヤホンと同様の使い勝手を追求した。「静電型ならではの優れたリニアリティとピークレスな特性により、音抜けがよくスムーズで透明感の高い表現」が可能としている。
これに加えて、フルレンジとしてフォスター電機製の9mmダイナミックドライバーを2基直列に配置する。前面ドライバーの動きを背面ドライバーがサポートすることで追従性を高める「インライン・デュアルダイナミック・ドライバー」を導入することで、ダイナミック型ながら静電型トゥイーター同等のリニアリティを目指したという。
また5ドライバー搭載モデル「FitEar TO GO! 335」も試聴が行えた。FitEar DCと合わせて、聴き入っている来場者が多く見受けられた。
■SOUND WARRIOR
城下工業は、ヘッドホンの新製品やSWLシリーズのCDプレーヤーなど、これから発売を予定している製品を展示していた。
発売中の真空管アンプ「SWL-AA1」にあわせて設計したSLR方式バスレフ型スピーカー「SWL-SA1」に加えて、開発中のSWLシリーズCDプレーヤー「SWL-CA1」も参考出品。CDプレーヤーの上にアンプが乗るサイズになっていたり、デザインもシリーズとして統一されていると感じた。
価格は6万円台で、12月の発売を予定しているとのこと。背面端子部にはアナログ/デジタルの入出力、Bluetoothレシーバーなどに使えるUSB電源出力などを搭載し、「プリアンプ的にも使える」と話していた。
また、今回が初披露となる開発中のセミオープン型ヘッドホン「SW-HP300」も参考出品。こちらは12月発売で、2万円台半ばの発売予定だ。発売中の「SW-HP100」の上位機種となるモデルで、HP100の軽快な音作りではなく、「解像度の高く濃いサウンド」を目指したという。
■NAGAOKA
ナガオカトレーディングは、アルミニウムハウジングを採用したハイレゾイヤホン「P908」(市場想定価格1,180円前後)を出展。「日本の一流デザイナーによるデザインと日本の匠によるチューニング」が行われたとするイヤホンで、ドライバーには高磁力マグネットとφ10mmドライバーを搭載する。
P908はハウジングにアルミニウムを採用するが、ほかに真鍮やステンレスを使ったり、高音向け、低音向けなどにそれぞれチューニングした試作イヤホン4種類を展示。会場では試聴した結果からお気に入りのイヤホンを投票することができ、人気モデルの商品開発が進められるとのこと。
低価格モデルではあるが、「エントリーユーザーに音を知ってほしい」と開発したモデルと担当者は説明。実際、価格を聞いた上で試聴し、驚く方も多いのだとか。今回展示された試作品のうちのいくつかは、来場者の意見も取り入れながら来春を目標に発売したいという。
■七福神商事
七福神商事では、同社が取り扱う数多くのブランドが集結。その中には、2pinやMMCXのイヤホンを完全ワイヤレスイヤホン化するレシーバー「WS-1」や、ノズルやシェル、ケーブルなど多くの部品をカスタマイズできる1BAイヤホン「BA1-Ti」も披露されていた。
また9月に発売されたばかりの、AuneAudioのDAC内蔵フルディスクリートポタアン「BU1」も試聴できた。ほかにもVGP2020を受賞したセラミック振動膜搭載のカナル型イヤホン「VR1」など、多くの製品が並んでいた。
■レコードや真空管にも注目があつまる
トライオードでは、クロスゾーンの頭外定位ヘッドホン第2弾モデル「CZ-10」を展示。25万円(税抜)の第1弾モデル「CZ-1」に対して本機は9万円(税抜)と価格を抑えただけでなく、100gの軽量化も実現したモデルだ。DSPなどデジタル技術を用いることなく、アコースティックな技術のみで、スピーカー再生のような自然な音を再現するという。
システムとしては、トライオードの小型真空管アンプ「Ruby」や、より大型の真空管アンプ「TRV-35SER」などを用意。真空管に興味をもって訪れる来場者も多いようで、カタログを持って帰る方も多いと担当者は話していた。
COLIS by JR SOUNDは、据え置きヘッドホンアンプ「HPA-206II」とフォノイコライザー「EQA-202」を用いてレコード試聴が可能なシステムを展開。またHPA-206IIはアンバランスの入力を切り替えて使用できることから、こちらをオーディオインターフェースに接続。レコードとハイレゾファイルの聴き比べが行われていた。
オーロラサウンドでは、据え置きヘッドホンアンプ「HEADA」、フォノイコライザー「VIDAprima」を使って、ヘッドホンでレコードを聴く展示を展開していた。今回は会場にレコードプレーヤーを用いたブースが多く、数年前からレコードを用いて出展してきたという担当者も「今回は多い」と驚いていた。
■据え置き型システムにも注目
高級オーディオメーカーなどによる据え置き型ヘッドホンアンプなどが数多く展示されているのは、ヘッドフォン祭ならではだ。
CHORD/PATHOSを展開するタイムロードのブースでは、CHORD「Hugo TT2」「Hugo M Scaler」などを用いたシステムと、PATHOS「Aurium」「InPol EAR」といった純A級アンプのシステムを並べて展示。最先端のデジタルとアナログとの好対照となっていた。
PATHOSは今回のイベントで初めて名前を知る来場者も多いようで、イタリアブランドならではの独特なデザインから、試聴してみたいと興味を持つ方も多いという。
CARDAS/WOO AUDIOブースを展開する今井商事のブースでは、新製品としてヘッドホンアンプ「WA11 Topaz」にスマートフォンなどをセットする専用ケースをイベントに合わせて発表。3万円程度で、まもなく発売するとのこと。
Nmodeでは今年発売した新製品として、ハーフサイズDAC「X-DU3」、ハーフシリーズ用の強化電源「X-PS3」を出展。アナログ強化電源のX-PS3は無くても動くものではあるが、会場でありなしを聴き比べると、多くのユーザーが違いを感じるという。
山陽化成は、今回のヘッドフォン祭に合わせて制作したという、据え置き型ヘッドホンアンプ「BDI-DC44B -R EX limited」を出展していた。バランス回路を構成する4つのアンプを、通常の2つから増やした4電源で駆動するという特別モデルだ。
内部のシールド線を強化し、ACインレットにはフルテック製ロジウムメッキのもの、トランジスタなどは厳しく選別したものを使用するなど、特別モデルとしてこだわったという。4電源の効果を発揮するバランスとアンバランスの聴き比べが可能になっており、担当者によると「本当に同じアンプなのか、という感想を抱く来場者が多い」という。
RE・LEAFは新製品として、新たなDAC内蔵ヘッドホンアンプ「E1dc」を展示。受注生産となっており、価格は210万円(税抜)。今後はUSB-DACを搭載しない「Ea1 dC」(190万円・税抜)も展開するという。
同社の特徴である、ヘッドホンのゲインに左右されない「Current Drive(帰還型電流駆動)」信号増幅回路を採用するほか、DACとしてはPCM1792Aを搭載し、DSD 11.2MHzの再生に対応する。
従来の「E1」との大きな違いは、「dC(double Current drive)」を採用すること。これにより最大ドライブ電流を2倍に強化することで、鳴らしにくい能率90dB/mW台のヘッドホンであっても十分な音量が確保できるという。またE1とはパーツに若干の変更が加えられ「その時にできる限りの音」を追求したとのことだ。
マス工房は、業務用ポータブルヘッドホンアンプ「model392/402」、据え置き型バランスヘッドホンアンプ「model394」、バランスポータブルヘッドホンアンプ「model424/428」、ポータブルヘッドホンアンプ「model395」、据え置き型ヘッドホンアンプ「model406」などを展示。それぞれ聴き比べが可能なほか、イベント特価で販売が行われていた。
なかでも目玉は、10月1日より受注開始された業務用ヘッドホンアンプ「model429」だ。ある放送局のオーディション番組で、複数のヘッドホンを良い音で鳴らしたいとの要望から製作したという。またACアダプターだけでなく、単3電池4本で駆動することも特徴とのこと。
スタジオイクイプメントは、業務用メーカーが一般向けに展開するブランド「VIOLECTRIC」「NIMBUS」の据え置きヘッドホンアンプを展示。どちらも音質を追求するためにハイパワーを追求したとのこと。
回路はアナログのフルバランスで、サウンドは業務用メーカーらしくフラットで音の味付けが少ないという。とはいえアナログ回路を採用しており、「D級アンプのように硬いサウンドではない」と話していた。
■STAX
超弩級「SRM-T8000」と下位モデル「SRM-727A」「SRM-007tA」の間に位置づけられるハイクラスのイヤースピーカードライバーとして、「SRM-700T」(真空管方式)、「SRM-700S」(半導体方式)の2モデルを12月3日に発売するSTAX。一足先に先行展示を行っていた。なお価格はどちらも298,000円(税抜)。
会場は、SRM-700T/SRM-700Sそれぞれでブースが展開され、来場者は音の違いを聴き比べていた。真空管方式のSRM-700Tでは、二段目にGT管の6SN7を搭載。半導体方式モデルのSRM-700Sでは、二段目の増幅段にもJ-FETを採用し、同社初のオール半導体式となっている。パワートランジスター群は、大型ヒートシンクにより徹底した熱対策が施される。
共通の特徴として、本体のボリュームをバイパスできるレベルコントロールスイッチを搭載。初段にはカスタムのローノイズDUAL FETを採用する。また部品には厳選したペアマッチ特製のFETを採用し、フィルムコンデンサーには独WIMA社製のものが用いられる。
低ノイズでの増幅に優れたJ-FETと大電流エミッタフォロワー回路によって、イヤースピーカーの性能を余すこと無く引き出せるように設計。高周波成分の多い音楽ソースでも余裕のあるドライブができ、「音楽の細部を伝える、正確な再現」を追求したという。
■FitEar
須山歯研では、本日11月2日より正式販売開始するFitEarブランドのハイブリッド型カスタムIEM「FitEar DC」を早速展示。これまでポタ研などのイベントで試作機が展示されてきたが、量産モデルが聴けるとあって多くのファンが訪れていた。
高域側には、完全密閉空間でも動作できる静電型トゥイーターユニットを採用。ユニットには昇圧トランスが組み込まれており、静電型でありながら一般的なイヤホンと同様の使い勝手を追求した。「静電型ならではの優れたリニアリティとピークレスな特性により、音抜けがよくスムーズで透明感の高い表現」が可能としている。
これに加えて、フルレンジとしてフォスター電機製の9mmダイナミックドライバーを2基直列に配置する。前面ドライバーの動きを背面ドライバーがサポートすることで追従性を高める「インライン・デュアルダイナミック・ドライバー」を導入することで、ダイナミック型ながら静電型トゥイーター同等のリニアリティを目指したという。
また5ドライバー搭載モデル「FitEar TO GO! 335」も試聴が行えた。FitEar DCと合わせて、聴き入っている来場者が多く見受けられた。
■SOUND WARRIOR
城下工業は、ヘッドホンの新製品やSWLシリーズのCDプレーヤーなど、これから発売を予定している製品を展示していた。
発売中の真空管アンプ「SWL-AA1」にあわせて設計したSLR方式バスレフ型スピーカー「SWL-SA1」に加えて、開発中のSWLシリーズCDプレーヤー「SWL-CA1」も参考出品。CDプレーヤーの上にアンプが乗るサイズになっていたり、デザインもシリーズとして統一されていると感じた。
価格は6万円台で、12月の発売を予定しているとのこと。背面端子部にはアナログ/デジタルの入出力、Bluetoothレシーバーなどに使えるUSB電源出力などを搭載し、「プリアンプ的にも使える」と話していた。
また、今回が初披露となる開発中のセミオープン型ヘッドホン「SW-HP300」も参考出品。こちらは12月発売で、2万円台半ばの発売予定だ。発売中の「SW-HP100」の上位機種となるモデルで、HP100の軽快な音作りではなく、「解像度の高く濃いサウンド」を目指したという。
■NAGAOKA
ナガオカトレーディングは、アルミニウムハウジングを採用したハイレゾイヤホン「P908」(市場想定価格1,180円前後)を出展。「日本の一流デザイナーによるデザインと日本の匠によるチューニング」が行われたとするイヤホンで、ドライバーには高磁力マグネットとφ10mmドライバーを搭載する。
P908はハウジングにアルミニウムを採用するが、ほかに真鍮やステンレスを使ったり、高音向け、低音向けなどにそれぞれチューニングした試作イヤホン4種類を展示。会場では試聴した結果からお気に入りのイヤホンを投票することができ、人気モデルの商品開発が進められるとのこと。
低価格モデルではあるが、「エントリーユーザーに音を知ってほしい」と開発したモデルと担当者は説明。実際、価格を聞いた上で試聴し、驚く方も多いのだとか。今回展示された試作品のうちのいくつかは、来場者の意見も取り入れながら来春を目標に発売したいという。
■七福神商事
七福神商事では、同社が取り扱う数多くのブランドが集結。その中には、2pinやMMCXのイヤホンを完全ワイヤレスイヤホン化するレシーバー「WS-1」や、ノズルやシェル、ケーブルなど多くの部品をカスタマイズできる1BAイヤホン「BA1-Ti」も披露されていた。
また9月に発売されたばかりの、AuneAudioのDAC内蔵フルディスクリートポタアン「BU1」も試聴できた。ほかにもVGP2020を受賞したセラミック振動膜搭載のカナル型イヤホン「VR1」など、多くの製品が並んでいた。
■レコードや真空管にも注目があつまる
トライオードでは、クロスゾーンの頭外定位ヘッドホン第2弾モデル「CZ-10」を展示。25万円(税抜)の第1弾モデル「CZ-1」に対して本機は9万円(税抜)と価格を抑えただけでなく、100gの軽量化も実現したモデルだ。DSPなどデジタル技術を用いることなく、アコースティックな技術のみで、スピーカー再生のような自然な音を再現するという。
システムとしては、トライオードの小型真空管アンプ「Ruby」や、より大型の真空管アンプ「TRV-35SER」などを用意。真空管に興味をもって訪れる来場者も多いようで、カタログを持って帰る方も多いと担当者は話していた。
COLIS by JR SOUNDは、据え置きヘッドホンアンプ「HPA-206II」とフォノイコライザー「EQA-202」を用いてレコード試聴が可能なシステムを展開。またHPA-206IIはアンバランスの入力を切り替えて使用できることから、こちらをオーディオインターフェースに接続。レコードとハイレゾファイルの聴き比べが行われていた。
オーロラサウンドでは、据え置きヘッドホンアンプ「HEADA」、フォノイコライザー「VIDAprima」を使って、ヘッドホンでレコードを聴く展示を展開していた。今回は会場にレコードプレーヤーを用いたブースが多く、数年前からレコードを用いて出展してきたという担当者も「今回は多い」と驚いていた。
■据え置き型システムにも注目
高級オーディオメーカーなどによる据え置き型ヘッドホンアンプなどが数多く展示されているのは、ヘッドフォン祭ならではだ。
CHORD/PATHOSを展開するタイムロードのブースでは、CHORD「Hugo TT2」「Hugo M Scaler」などを用いたシステムと、PATHOS「Aurium」「InPol EAR」といった純A級アンプのシステムを並べて展示。最先端のデジタルとアナログとの好対照となっていた。
PATHOSは今回のイベントで初めて名前を知る来場者も多いようで、イタリアブランドならではの独特なデザインから、試聴してみたいと興味を持つ方も多いという。
CARDAS/WOO AUDIOブースを展開する今井商事のブースでは、新製品としてヘッドホンアンプ「WA11 Topaz」にスマートフォンなどをセットする専用ケースをイベントに合わせて発表。3万円程度で、まもなく発売するとのこと。
Nmodeでは今年発売した新製品として、ハーフサイズDAC「X-DU3」、ハーフシリーズ用の強化電源「X-PS3」を出展。アナログ強化電源のX-PS3は無くても動くものではあるが、会場でありなしを聴き比べると、多くのユーザーが違いを感じるという。
山陽化成は、今回のヘッドフォン祭に合わせて制作したという、据え置き型ヘッドホンアンプ「BDI-DC44B -R EX limited」を出展していた。バランス回路を構成する4つのアンプを、通常の2つから増やした4電源で駆動するという特別モデルだ。
内部のシールド線を強化し、ACインレットにはフルテック製ロジウムメッキのもの、トランジスタなどは厳しく選別したものを使用するなど、特別モデルとしてこだわったという。4電源の効果を発揮するバランスとアンバランスの聴き比べが可能になっており、担当者によると「本当に同じアンプなのか、という感想を抱く来場者が多い」という。
RE・LEAFは新製品として、新たなDAC内蔵ヘッドホンアンプ「E1dc」を展示。受注生産となっており、価格は210万円(税抜)。今後はUSB-DACを搭載しない「Ea1 dC」(190万円・税抜)も展開するという。
同社の特徴である、ヘッドホンのゲインに左右されない「Current Drive(帰還型電流駆動)」信号増幅回路を採用するほか、DACとしてはPCM1792Aを搭載し、DSD 11.2MHzの再生に対応する。
従来の「E1」との大きな違いは、「dC(double Current drive)」を採用すること。これにより最大ドライブ電流を2倍に強化することで、鳴らしにくい能率90dB/mW台のヘッドホンであっても十分な音量が確保できるという。またE1とはパーツに若干の変更が加えられ「その時にできる限りの音」を追求したとのことだ。
マス工房は、業務用ポータブルヘッドホンアンプ「model392/402」、据え置き型バランスヘッドホンアンプ「model394」、バランスポータブルヘッドホンアンプ「model424/428」、ポータブルヘッドホンアンプ「model395」、据え置き型ヘッドホンアンプ「model406」などを展示。それぞれ聴き比べが可能なほか、イベント特価で販売が行われていた。
なかでも目玉は、10月1日より受注開始された業務用ヘッドホンアンプ「model429」だ。ある放送局のオーディション番組で、複数のヘッドホンを良い音で鳴らしたいとの要望から製作したという。またACアダプターだけでなく、単3電池4本で駆動することも特徴とのこと。
スタジオイクイプメントは、業務用メーカーが一般向けに展開するブランド「VIOLECTRIC」「NIMBUS」の据え置きヘッドホンアンプを展示。どちらも音質を追求するためにハイパワーを追求したとのこと。
回路はアナログのフルバランスで、サウンドは業務用メーカーらしくフラットで音の味付けが少ないという。とはいえアナログ回路を採用しており、「D級アンプのように硬いサウンドではない」と話していた。