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音楽体験を創造する活動を加速

日本オーディオ協会が通常総会を開催。OTOTENは新しい時代に即した開催目的や提供価値を備えたカタチへ進化

公開日 2020/06/19 16:17 PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
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■音楽がより身近なライフスタイルが広がる

一般社団法人 日本オーディオ協会(JAS)は、2020年通常総会を6月18日に開催した。2019年度の事業報告および収支決算、2020年度の事業計画および収支予算について報告され、承認された。

一般社団法人 日本オーディオ協会「2020年通常総会」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、規模を縮小して役員のみの出席で開催された

2019年度収支決算は、収支予算が当期純利益で一般は507万円の黒字、OTOTENが423万円の赤字などで、合計して85万円の黒字。これに対して収支実績は、経常収益では法人会費、ハイレゾロゴ手数料収入などが伸長、経常費用では普及・啓発関連や事業管理費が圧縮され、当期純利益で一般が908万円の黒字、OTOTENが425万円の赤字などで、合計して483万円の黒字となった。

2020年度事業計画では、現体制の一般社団法人 日本オーディオ協会の運営が3年目を迎える中、ハイレゾのストリーミングサービスが開始されるなど、「音楽が“いつでも、どこでも、誰でも”当たり前のように聴くことができるライフスタイルがますます広がりつつある」と指摘する。

その一方、新型コロナウイルスの影響もあり、社会・経済が沈みがちになり、「ひとりでも多くの方々に早く元気を取り戻すために、良い音で音楽に感動する体験をお届けしたい思いを強くしている。未来に向かい、さらなる楽しい音楽体験を創造する活動を加速させる必要がある」と訴える。

「そのために本年度は若い方々に積極的に関わっていただき、ハイレゾに続く市場拡大につながる新技術の普及啓発活動の検討や新たな活動を切り開く検討組織を設置する」と説明。また、会員各社を取り巻く環境が一段と厳しさを増し、協会活動においてもこれまで以上に効率化を推し進めていく。

■次代を切り開く「新技術対応タスクフォース」を新設

活動方針と活動組織については、3つに分類して方向性を示した。まず、今後も継続して活動する、重要な事業として位置づけたのが「OTOTEN」「音の日イベント」「JASジャーナル」。

「OTOTEN」については、新型コロナウイルスの影響から、2020年6月6日(土)、7日(日)に東京国際フォーラムで開催が予定されていた「OTOTEN2020」を中止。「当面、人が一堂に会する形の展示会などの実施は難しいため、別な形で業界を活性化する施策を検討する」との考えを示した。今期は展示会実行委員会の役割そのものを見直し、開催目的や提供価値も含め、時代に合った展示会の在り方について審議し、コンセプトの方向性を確認、決定し、さらに満足度の高い展示会の実現を目指す。

「音の日2020」では、未来志向なイベントを目指し、「学生の制作する音楽録音作品コンテスト」を引き続き実施。“音の匠”にはオーディオ業界関係者から顕彰に相応しい方を選出し、未来を語る講演会を行う予定だ。

「JASジャーナル」は、“広く見ていただける広報誌”へと変革する。スマホやタブレットでも気軽に見られる、閲覧性や検索性にも優れたHTML化を図り、併せて、過去のJASジャーナルの電子化を進める。

次いで、活動を見直す組織として位置づけたのは「ハイレゾワーキンググループ(WG)」「カーオーディオ専門委員会」「音のサロン委員会」。継続案件の活動が終了次第、課題を洗い出し、組織体制を含めて活動方針を見直していく。

3つ目に、新規に行う活動として示されたのが「新技術対応タスクフォース」。ハイレゾに続く市場拡大につながる、3Dオーディオ技術やポータブルオーディオで主流になると目されるBluetooth Low Energy対応、5G対応などの新技術を審議し、普及啓発活動など未来を切り開く活動を加速させる構え。2020年度は今後の活動の準備期間として、新技術の可能性について審議を行う。さらに、「新たな活動検討タスクフォース」が、若手による未来創造のための活動として、セミナーの企画、学生との交流会の実施、女性や若者向けの活動の支援を検討していく。2020年度は同じく今後の活動の準備期間に充て、活動の効果を見定めていく。

2020年度収支予算は、当期純利益で一般が434万円の黒字、OTOTENは開催中止で数字がなく、対前年度収支実績比49万円減となる434万円の黒字とした。また、役員改選が行われ、15名の理事および2名の監事の重任、6名の理事の退任、そして、上山洋史氏(オンキヨー&パイオニア株式会社)、末永信一氏(個人会員代表)、浜田一彦氏(株式会社デンソーテン)の3名の理事の新任が承認された。

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