テレビリモコンで起こる「ボタン争奪戦」
U-NEXT、コロナ禍でテレビによる動画配信サービスが急伸。テレビでの視聴時間はモバイルの1.5倍に
■主要テレビメーカーのリモコン全てに「U-NEXT」ボタンが搭載
U-NEXTは「テレビデバイス戦略と視聴実態に関する勉強会」を開催し、同社のテレビデバイスに対する戦略やテレビ市場の近況、動画配信サービスの利用実態について説明した。
国内の動画配信サービス市場において、Netflix、Amazonプライム・ビデオに次ぐ第3位のマーケットシェアを誇るU-NEXTは、国内事業者ではNo.1の座にあり、有料会員数は220万人に迫る。コロナ禍で動画配信サービスへの注目が俄然高まり、テレビのリモコンでは激しいボタン争奪戦が繰り広げられている。
その中で、TVS REGZAから6月下旬に発売予定のAndroid TV採用テレビ“レグザ”シリーズには、付属するリモコンに「U-NEXTボタン」が搭載されることが決定。これにより、国内主要テレビメーカーのリモコン全てに「U-NEXT」ボタンが搭載されることとなった。
テレビリモコンに専用のボタンが搭載されることの意義について、株式会社U-NEXT マーケティング部部長・前田弘之氏は「U-NEXTを広く認知いただくことができるし、サービス加入へのきっかけともなる接触機会も最大化できる。さらに、視聴するデバイスの画面サイズが大きくなるにつれ、視聴時間が長くなることが確認されており、生涯顧客価値を高めることができる」と説明した。
テレビでは大型化に加え、スマート化が進展している。テレビのネット接続率は2019年12月時点では41.6%だったが、わずか半年後の2020年6月には50.7%にまで急拡大した(サイバー・コミュニケーションズ「国内動画配信サービス詳細レポート」)。「新型コロナ感染拡大で生活様式が大きく変化した。テレビのネット接続率も一気に高まっている」と“テレビで見る動画配信サービス”が急進展していることがうかがえる。
動画配信サービスを視聴するデバイスの内訳を見ると、PCが48%、スマホが43%、テレビが23%、タブレットが20%となる。テレビによる視聴が拡大しているものの、前田氏は「8割近くの人がまだテレビを利用していない。しかし、テレビ未使用者の利用動向では、6割以上の人が関心を示している。テレビでの視聴をためらう理由としては『見る方法がわからない』『設定・接続が大変そう』といった声が多く、積極的に解決していきたい。テレビ視聴のポテンシャルはもっと大きい」との見方を示した。
■テレビは“視聴時間を増やすデバイス”。解約率減にも貢献
U-NEXT内のテレビ利用者も、2017年の約30%から、直近では約45%へと右肩上がりに拡大を続けている。前述の動画配信全体の数字を大きく上回り、やはり、昨年4月/5月に大きな伸長が見られた。テレビ利用者のモバイル端末併用率も高まっており、別の部屋や外出先ではモバイルやPCで楽しむなど、視聴機会が拡大しているという。
スマホやPCなど他のデバイスと比較すると、テレビによる視聴時間は約1.5倍にもなる。前田氏はテレビを“視聴時間を増やすデバイス”と表現すると共に「利用時間が高まれば、ユーザーへのサービス価値や満足度が高まり、解約率も下がってくる」と視聴継続に大きく貢献する事も強調する。
モバイル単体利用者の解約率を100とすると、PCではほぼ同じ、テレビは72まで大幅に下がる。さらに、複数デバイス利用ではもっと劇的な効果が見られ、モバイルを100とすると、モバイルとテレビの複数デバイス利用では59に、PCを100とすると、PCとテレビの複数デバイス利用では60まで下がる。
視聴するコンテンツのジャンルと視聴デバイスの関係を見ても、比較的個人で視聴されることが多い「韓流・アジアドラマ」や「アニメ」ではモバイルの利用率が高く、反対に、家族やリビングで楽しむことが多い「キッズ」ではテレビの利用率が高い傾向が見受けられるという。
■動画配信サービスの視聴デバイス次第でライフスタイルに変化も
ゲストとして登壇したソニーマーケティング株式会社 ホームエンタテインメントプロダクツビジネス部 統括課長・福田耕平氏は「スマホ、PCはパーソナルなデバイスで1対1の関係。それに対してテレビは、1対1でもあるが、1対2以上に成り得るデバイス」と指摘。具体的な例として、テレビ“ブラビア”を購入したあるご家族の話を披露した。
ご姉弟はそれぞれ契約している動画配信サービスを自分の部屋でスマホで視聴し、ご両親はリビングでテレビを楽しんでいた。ところが、テレビの買い替えで“ブラビア”を購入すると、いろいろなサービスがあり、その中にはご姉弟が楽しんでいた動画配信サービスもあると分かったことで、大きい画面の方が楽しいからと段々リビングで見るようになった。そして、ご家族で会話をしながら、一緒に楽しむ機会も増え、家族で過ごす時間が増えたという。
福田氏は「能動的視聴がテレビで行われることで、家族のきずなが深まっていくのはとてもうれしいこと。コンテンツそのものはスマホでもテレビでも変わりはないが、それを何で見るかで、お客様のライフスタイルに大きな変化を与える」と訴えた。
U-NEXTに対しては「4Kコンテンツやドルビービジョンなど最新技術に非常に積極的に取り組まれている。付加価値あるコンテンツを続々と配信されるのは、メーカーとして大変心強い。オンラインライブの取り組みも非常に早く、コロナ禍以前には、マジョリティなコンテンツになることなど想像もしていなかった」とコメント。
「時代を先取りしてお客様に価値をいち早く提供する姿勢に大変驚かされる。これからもU-NEXTさんのアグレッシブさに期待しており、パートナーシップを強化していきたい」と、勢いを増すテレビ視聴のさらなる盛り上がりへU-NEXTのさらなる活躍に大きな期待を寄せた。
U-NEXTは「テレビデバイス戦略と視聴実態に関する勉強会」を開催し、同社のテレビデバイスに対する戦略やテレビ市場の近況、動画配信サービスの利用実態について説明した。
国内の動画配信サービス市場において、Netflix、Amazonプライム・ビデオに次ぐ第3位のマーケットシェアを誇るU-NEXTは、国内事業者ではNo.1の座にあり、有料会員数は220万人に迫る。コロナ禍で動画配信サービスへの注目が俄然高まり、テレビのリモコンでは激しいボタン争奪戦が繰り広げられている。
その中で、TVS REGZAから6月下旬に発売予定のAndroid TV採用テレビ“レグザ”シリーズには、付属するリモコンに「U-NEXTボタン」が搭載されることが決定。これにより、国内主要テレビメーカーのリモコン全てに「U-NEXT」ボタンが搭載されることとなった。
テレビリモコンに専用のボタンが搭載されることの意義について、株式会社U-NEXT マーケティング部部長・前田弘之氏は「U-NEXTを広く認知いただくことができるし、サービス加入へのきっかけともなる接触機会も最大化できる。さらに、視聴するデバイスの画面サイズが大きくなるにつれ、視聴時間が長くなることが確認されており、生涯顧客価値を高めることができる」と説明した。
テレビでは大型化に加え、スマート化が進展している。テレビのネット接続率は2019年12月時点では41.6%だったが、わずか半年後の2020年6月には50.7%にまで急拡大した(サイバー・コミュニケーションズ「国内動画配信サービス詳細レポート」)。「新型コロナ感染拡大で生活様式が大きく変化した。テレビのネット接続率も一気に高まっている」と“テレビで見る動画配信サービス”が急進展していることがうかがえる。
動画配信サービスを視聴するデバイスの内訳を見ると、PCが48%、スマホが43%、テレビが23%、タブレットが20%となる。テレビによる視聴が拡大しているものの、前田氏は「8割近くの人がまだテレビを利用していない。しかし、テレビ未使用者の利用動向では、6割以上の人が関心を示している。テレビでの視聴をためらう理由としては『見る方法がわからない』『設定・接続が大変そう』といった声が多く、積極的に解決していきたい。テレビ視聴のポテンシャルはもっと大きい」との見方を示した。
■テレビは“視聴時間を増やすデバイス”。解約率減にも貢献
U-NEXT内のテレビ利用者も、2017年の約30%から、直近では約45%へと右肩上がりに拡大を続けている。前述の動画配信全体の数字を大きく上回り、やはり、昨年4月/5月に大きな伸長が見られた。テレビ利用者のモバイル端末併用率も高まっており、別の部屋や外出先ではモバイルやPCで楽しむなど、視聴機会が拡大しているという。
スマホやPCなど他のデバイスと比較すると、テレビによる視聴時間は約1.5倍にもなる。前田氏はテレビを“視聴時間を増やすデバイス”と表現すると共に「利用時間が高まれば、ユーザーへのサービス価値や満足度が高まり、解約率も下がってくる」と視聴継続に大きく貢献する事も強調する。
モバイル単体利用者の解約率を100とすると、PCではほぼ同じ、テレビは72まで大幅に下がる。さらに、複数デバイス利用ではもっと劇的な効果が見られ、モバイルを100とすると、モバイルとテレビの複数デバイス利用では59に、PCを100とすると、PCとテレビの複数デバイス利用では60まで下がる。
視聴するコンテンツのジャンルと視聴デバイスの関係を見ても、比較的個人で視聴されることが多い「韓流・アジアドラマ」や「アニメ」ではモバイルの利用率が高く、反対に、家族やリビングで楽しむことが多い「キッズ」ではテレビの利用率が高い傾向が見受けられるという。
■動画配信サービスの視聴デバイス次第でライフスタイルに変化も
ゲストとして登壇したソニーマーケティング株式会社 ホームエンタテインメントプロダクツビジネス部 統括課長・福田耕平氏は「スマホ、PCはパーソナルなデバイスで1対1の関係。それに対してテレビは、1対1でもあるが、1対2以上に成り得るデバイス」と指摘。具体的な例として、テレビ“ブラビア”を購入したあるご家族の話を披露した。
ご姉弟はそれぞれ契約している動画配信サービスを自分の部屋でスマホで視聴し、ご両親はリビングでテレビを楽しんでいた。ところが、テレビの買い替えで“ブラビア”を購入すると、いろいろなサービスがあり、その中にはご姉弟が楽しんでいた動画配信サービスもあると分かったことで、大きい画面の方が楽しいからと段々リビングで見るようになった。そして、ご家族で会話をしながら、一緒に楽しむ機会も増え、家族で過ごす時間が増えたという。
福田氏は「能動的視聴がテレビで行われることで、家族のきずなが深まっていくのはとてもうれしいこと。コンテンツそのものはスマホでもテレビでも変わりはないが、それを何で見るかで、お客様のライフスタイルに大きな変化を与える」と訴えた。
U-NEXTに対しては「4Kコンテンツやドルビービジョンなど最新技術に非常に積極的に取り組まれている。付加価値あるコンテンツを続々と配信されるのは、メーカーとして大変心強い。オンラインライブの取り組みも非常に早く、コロナ禍以前には、マジョリティなコンテンツになることなど想像もしていなかった」とコメント。
「時代を先取りしてお客様に価値をいち早く提供する姿勢に大変驚かされる。これからもU-NEXTさんのアグレッシブさに期待しており、パートナーシップを強化していきたい」と、勢いを増すテレビ視聴のさらなる盛り上がりへU-NEXTのさらなる活躍に大きな期待を寄せた。