価格・発売時期・機能の詳細が明らかに
マランツ、“新世代デザイン”AVアンプ「CINEMA 50」。286,000円で12月上旬発売
プリアンプ回路には、マランツ独自の高速アンプモジュール「HDAM-SA2」を採用。また、入力セレクター、ボリューム、出力セレクターそれぞれの機能に特化した高性能カスタムデバイスを用いることにより信号経路を最短化。不要な信号経路の引き回しを排除するショートシグナルパスにより、透明感が高く情報量の豊かなサウンドを実現したとアピールしている。なお、アンプモジュール「HDAM-SA2」については、「従来は若干省略していたものもあったが今回はフルスペックの回路」(尾形氏)だという。
さらに、パワーアンプを信号ラインから切り離し、高品位なプリアンプとしての使用を可能にする「プリアンプモード」を搭載。9chすべてのパワーアンプの動作を停止できるだけでなく、チャンネルごとに個別にオン/オフの設定を行うこともできる。
独立した4系統のサブウーファープリアウトを装備し、音量レベルとリスニングポジションまでの距離を個別に設定可能。マニュアルでの設定に加え、Audyssey Sub EQ HTによる自動設定もできる。4系統すべてから同じ音を再生する「スタンダード」と各サブウーファーの近くにある「小」に設定されたスピーカーの低音を再生する「指向性」の2モードから選択できる。
DSPやネットワーク、USBなどのデジタル回路への電源供給には専用のトランスを使用することで、アナログ回路との相互干渉を排除。また、デジタル電源回路の動作周波数を通常の約3倍に高速化してスイッチングノイズを再生音に影響の及ばない可聴帯域外へシフトさせている。
また、シールドにより回路間のノイズの飛び込みを抑え、電源ラインに流入するノイズはデカップリングコンデンサーを用いて除去。コンデンサーの品種や定数は、サウンドマネージャーによる試聴を繰り返しCINEMA 50に合わせて最適なものを選定したという。さらに、基板やシャーシを固定するビスやワッシャーの種類を使用する箇所に応じて変更しグラウンドインピーダンスを最適化するなどもしている。
■ハイクラスの自動音場補正機能搭載。「Dirac Live」にも対応予定
自動音場補正機能は、下位グレードである「Audyssey MultEQ XT」に対して32倍のフィルター解像度で補正を行う「Audyssey MultEQ XT32」を搭載。最大8ポイントでの測定結果をもとに、スピーカーの距離、レベル、およびサブウーファーのクロスオーバー周波数を最適な状態に自動設定する。さらに、接続されたスピーカーとリスニングルームの音響特性を測定し、時間軸と周波数特性の両方を補正することで、ルームアコースティックを最適化するという。
また、2台のサブウーファーを個別に測定、および補正する「Sub EQ HT」も搭載し、それぞれに最適な設定を自動で行うことが可能。また、ドルビーイネーブルドスピーカーについては、Audyssey MultEQによる自動補正に加え、天井までの高さを設定することでさらに補正の精度を高めることができる。なお、AVアンプ単体では設定できない詳細な調整が可能な有料アプリ「Audyssey MultEQ Editor」にも対応している。
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