同時発表「AV10」とのセパレートシステム
マランツ、“同社史上最高”のホームシアター用16chパワーアンプ「AMP10」
なお、バイアンプおよびBTLモードで使用する場合は、プリアンプからの信号は奇数チャンネルに入力するよう案内。バイアンプ接続では、バイアンプ対応スピーカーの中高域用端子と低域用端子に、別々のアンプを接続するようにも案内しており、これによりウーファーの逆起電力がミッドレンジ・ドライバーやトゥイーターに流れ込んで中高域の音質に影響を及ぼすことがなくなるため、より高音質な再生が可能になると説明している。
電源部は、Class Dアンプ回路と入力段のそれぞれに専用の電源回路を用意。Class Dアンプ回路用にはスイッチング電源回路を使用している。このスイッチング電源は、オーディオ帯域外の高い周波数で高速にスイッチングを行うため、音声信号に影響するノイズが極めて少ないことが特徴。この電源回路についても、高品位な電解コンデンサーなどグレードの高いパーツを投入しているという。
入力段への電源供給にはアルミ製のケースに封入されたOFC巻き線トロイダルトランスやショットキーバリアダイオード、カスタム仕様のブロックコンデンサーなどハイグレードなパーツを使用した電源回路を使用。さらに、入力段のHDAM-SA2への電源供給は、パワーアンプモジュール内に設けたディスクリート電源回路によって行い、クリーンかつ高品位な電源供給を図っている。
■独自のディスクリート高速アンプモジュール「HDAM-SA2」採用
バランス、アンバランス入力端子にはそれぞれマランツ独自のディスクリート高速アンプモジュール「HDAM-SA2」によるインプットバッファー回路を搭載。HDAM-SA2はハイスルーレートで低ノイズというインプットバッファーとして理想的な特徴を備えているとのことで、このインプットバッファーによって入力信号を低インピーダンス化し、ノイズによる影響の最小化を図っている。
さらに、アンバランスの入力信号をバランス信号に変換する反転アンプとClass Dアンプ回路の入力部にもHDAM-SA2を使用。これによって、ハイスルーレートで低ノイズ、そして安定した機器間、回路間の信号伝送を実現する。
背面端子部のバランス入力およびアンバランス入力端子は、16chすべてが同一グレードとなるよう配慮。アンバランス入力には、同社のHi-Fiコンポーネントにも使用されている真鍮削り出しの高品位なRCA端子を採用しており、バランス出力とアンバランス出力のクオリティ差も出ないようにしている。また、端子の間隔を十分に確保することで、プラグの太い高級ケーブルも使用できるようにしている。
スピーカー出力には、プリメインアンプ「MODEL 40n」にも使用されているオリジナルのスピーカーターミナル「SPKT-1+」を装備。コア部は真鍮の無垢材から削り出された堅牢なもので、表面処理はリスニングテストの結果、従来のニッケル下地+金メッキの2層ではなく、厚みのある1層のニッケルメッキを採用している。
直径4.5mmまでのケーブルに対応しており、Yラグ、バナナプラグにも対応。スピーカー端子をしっかりと締め付けられるように専用のスピーカー端子用レンチも付属する。このレンチはマグネットを内蔵しており、不使用時はリアパネルの空いたスペースなどに固定することができる。
端子類にはそのほか、カスタムインストールに対応するRC-232C端子やIRフラッシャー入力、DCトリガー入出力端子を装備している。
また、筐体を “新世代のマランツデザイン” に刷新したことに伴い、機構設計も見直し。トップカバーやシャーシを構成する鋼板の形状や各部を固定するネジの太さや本数を最適化することにより、ビルドクオリティも大きく進化させたという。3層構造のメインシャーシや肉厚なアルミを用いたフロントおよびサイドパネルにより剛性を高め、振動の影響を効果的に抑制するとしている。
そのほか、フロントパネル中央のレベルメーターは、チャンネル1の信号入力に応じて動作。フロントパネル左下のボタンでオフにすることもできる。また、フロントパネルの左右に明るさを4段階で調節できるイルミネーションも装備している。