レグザ、フラグシップ4K Mini LED液晶テレビ「Z970R」。AI技術の進化でGeminiと連携実現
TVS REGZAは、2025年度のフラグシップ・4K液晶テレビ“Z970Rシリーズ”を5月23日に発売する。価格は全てオープン、ラインナップと税込の予想実売価格は以下の通り。

<Z970Rシリーズ>
・85型「85Z970R」 880,000円前後
・75型「75Z970R」 660,000円前後
・65型「65Z970R」 495,000円前後
本シリーズは、2024年度モデル“Z970Nシリーズ”の後継機種であり、2023年度モデル“Z970Mシリーズ”でラインナップされていた85型が改めて新シリーズで追加されている。シリーズ全体のトピックとして「レグザ インテリジェンス」機能の搭載を挙げており、AI技術とセンシング技術によって映像視聴体験を飛躍的に向上させているとアピールする。
Z970Rシリーズでは、最新世代のMini LEDバックライトとして「高輝度ファインMini LED液晶パネルモジュール」を搭載。ピーク輝度は従来シリーズ比で約1.2倍となっている。
あわせて「広色域量子ドット」をはじめ、「4K倍速広視野角液晶パネル」「広視野角ワイドアングルシート」、そして液晶パネルの表面に「低反射ARコート」を組み合わせたMini LED液晶パネルモジュールとなっている。従来比約1.4倍のエリア分割数を実現しており、高コントラストと色鮮やかさ、広視野角を成し得ているという。

2025年度版の新世代AIエンジン「レグザエンジンZRα」が採用されており、高画質技術「AIシーン高画質PRO」も進化。従来は夜景/花火・星空/リング競技といったコンテンツのシーン判別に加え、新たにライブシーンに適した高画質調整を自動で行う機能も投入された。

独自の映像信号処理とパネル駆動処理によって、ライブシーンで発生しがちなコンサート会場の明るい照明による演者の顔の白飛びを抑制、ステージと演者が映る引きで撮影されたシーンではアーティストのみ精細感を高める処理を行うことで、ライブ会場にいるようなリアルな映像を再現すると説明する。


ネット動画の映像の種類や特性を分析・判別し、ビデオ映像/フイルム映像/アニメ映像などのジャンル分類を行い、適した高画質処理を施す「ネット動画ビューティPRO」を搭載。加えて、圧縮コンテンツで発生することの多いバンディングノイズを低減する「ネット動画バンディングスムーサーPRO」にも対応することで、スムーズで自然な映像表現を可能としている。

ドラマなど映像内の顔領域をリアルタイムで検出し、照明などの影響によって不自然にカラーシフトした顔色を自然な色に補正する「ナチュラルフェイストーンPRO」も投入されている。色相ベースのシーンチェンジ判定も行っているため、被写体が背中を向けるシーンなどでも人の動きに対して安定した処理を施せるようになっている。

放送番組の映像を複数回にわたって超解像処理を行い、放送番組特有のノイズを低減、動きのある映像では残像を抑制することで、放送番組でも高精細でクリアな映像を叶える「地デジAIビューティPRO」に対応。テロップ検出やワイプなどの顔領域検出機能などにより、さらにクリアな映像を実現する。

音質面では、「重低音立体音響システム ZIS」を搭載しており、2ウェイ・メインスピーカー(15W×4・ユニット×4基)/センタースピーカー(15W×2・ユニット×2基)/2ウェイ・サイドスピーカー(10W×2・ユニット×4基)/トップスピーカー(10W×2・ユニット×2基)/ウーファー(20W・ユニット×1基)のスピーカー構成となっている。
独自開発オーディオポストプロセッサーによって5.1.2ch出力に対応する「イマーシブサウンド360 PRO」を導入。各スピーカーの周波数特性や音圧を、視聴している映像コンテンツのタイミングに合わせて、細部まで適切に音質処理を施す「マルチスピーカークオリティーマネジメント」にも対応することで、リアリティの高い臨場感豊かな音声再現が可能だ。立体音響フォーマットはDolby Atmosをカバーする。

高音質技術には、AI技術に映像コンテンツ内のセリフなどの音声と環境音といった音声成分を認識し、各音声のバランスを自動で調整する「レグザAI快適リスニング」を新採用。例えばニュース番組などでは背景音を低減してアナウンサーなどの声を聞きやすく調整、スポーツ中継などでは解説者の声を抑え、スタジアムの歓声を強調することで臨場感を高めるといった演出が可能になったという。

新たな機能として「レグザAIボイスナビゲーター」を採用。Gooleの生成AI「Gemini」を活用した音声認識・検索ができるようになっており、発話内容の文脈やニュアンスを理解できる音声認識であるため、例えば番組タイトルが分からないような作品でも、「最近話題のドラマ」といった言葉に対してトレンドやユーザー好みに合わせたコンテンツを表示。レグザとの対応をチャット形式で表示する仕組みを採用する。本機能は、今後のソフトウェアダウンロードによるアップデートで対応予定としている。


ユーザーの視聴距離を感知して、自動で適切な映像・音声処理を施す、フラグシップモデルのみ採用されている「高感度ミリ波レーダー」も、センシング機能の向上で人物との距離感知の精度を高めているいう。
センサーの感知範囲内から人がいなくなると、自動的に動画コンテンツを一時停止し、再び範囲内に人が入ってくると自動的に映像コンテンツを再生する新機能「スマートちょっとタイム」も導入された。


フラグシップモデルならではの全録機能「タイムシフトマシン」にも対応しており、地上デジタル放送を最大6チャンネル録画することができる。「タイムシフトマシン」搭載モデルならではの機能として、リアルタイムで放送番組を視聴時に番組のオープニングから再生できる「始めにジャンプ」も使用可能。「おまかせ録画」にも対応しており、好きなタレントやジャンル、話題の番組などをお気に入り登録するだけで自動録画できる。

再生機能では、2画面表示できる「ダブルウィンドウ」を採用。左側に放送番組およびHDMI入力の映像、右側に放送番組またはVODサービス、AirPlayやミラーリングによる画面などを同時に出力することが可能だ。
推し活を強力サポートする機能として「みるコレ」を搭載しており、好きなタレントやコンテンツテーマを「みるコレパック」としてお気に入り登録すると、関連番組からシーンまで自動検索・表示でき、さらに関連する未来番組、過去に放送された番組も「推し活リスト」でリストアップすることができる。

「みるコレパック」で追加したお気に入りのタレントなどが出演するネット動画をすぐに視聴できる「新 ざんまいスマートアクセス」、録画番組の再生中に推しが出ているシーンを簡単に再生できる「シーンリスト/出演者」も使用可能だ。また、気になる番組が配信されているVODサービスを確認できる「番組こねくと」、お薦め番組の放送予定をテレビ番組情報誌のようにチェックできる「みるコレ番組ガイド」もフォローする。

ゲーミング機能として、4K/144Hz入力をはじめ、ALLM、VRR(バリアブルリフレッシュレート)をカバー。約0.83msec対応の「瞬速ゲームモード」、ゲーム機に合わせて適切な設定に変更する「オートゲームアジャスト」機能にも対応する。
付属リモコンには、YouTube/Prime Video/Netflix/Disney+/NHK+/U-NEXT/ABEMA/TVer/FOD/hulu/DAZN/Net-VISIONの計12個のVODサービス・ダイレクトボタンを搭載。HDMI入力からの映像も登録できる「My.Choice」ボタンも備えている。

チューナーは、地上デジタル×9(タイムシフトマシン含む)、BS・110度デジタル×3、BS4K・110度CS4K×2を搭載。主な入出力端子は、HDMI入力×4基(eARC対応は入力2のみ、4K/120p・VRRは入力1・2のみ、ALLMは全入力が対応)、光デジタル音声出力×1基、ヘッドホン出力(ステレオミニ)×1基、LAN×1基、USB Type-A入力×4基(タイムシフト専用×2、通常録画用×1、汎用×1)を備えている。
各モデルの消費電力(待機時)は、85Z970Rが487W(0.4W)、75Z970Rが399W(0.4W)、65Z970Rが357W(0.4W)。