ソニー、高級コンデジRXシリーズに24-600mmズーム対応の「RX10III」

ソニーは、高級コンパクトデジタルカメラ「RX10」の新モデルとして、新開発の24-600mズームレンズを搭載した“Cyber-shot RX10III”「DSC-RX10M3」を5月20日に発売する。価格はオープンだが、17万円前後での実売が予想される。

有効約2010万画素の1.0型Exmor RS CMOSセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラ。先行して海外発表されていたモデル（関連ニュース）の国内投入が明らかになった格好だ。基本的な性能は従来の「RX10II」（関連ニュース）をベースに、新たに光学25倍の24-600mm（35mm判換算）の高倍率ズームレンズを搭載した。なおRX10IIは販売を継続する。

レンズは新開発のZEISS バリオ・ゾナーT* 24-600mm F2.4-4.0レンズ。スーパーEDガラス1枚、ED非球面レンズ2枚を含むEDガラス計8枚を搭載し、ズーム全域にわたって高コントラストでシャープな画質を実現するとしている。

独自の成形技術を用いた高度非球面レンズ（AAレンズ）などを採用した新開発の光学設計により、大口径レンズの小型化を実現。T*コーティングによってフレアやゴーストの低減も図っている。

絞り機構には9枚羽根円形絞りを採用。7枚だったRXIIよりも羽根枚数を増やし、より柔らかく美しいボケ表現が可能だとしている。

マクロ撮影はワイド端で3cm（撮影倍率0.42倍）、テレ端で72cm（撮影倍率0.49倍）を実現。また、最新の光学設計と独自の手ブレ補正アルゴリズムを組み合わせることで、600mmという望遠域でありながらも4.5団分の手ブレ補正効果を実現させている。

レンズ部にはフォーカス、ズーム、絞りの3つのレンズリングを搭載。また、レンズ横にフォーカスホールドボタンも搭載し、ボタンを押している間、ピント位置を固定できる。同ボタンはカスタムキーとして好みの機能を割り当てることも可能。

さらに、高倍率ズームでの撮影が行いやすいよう、ズームアシスト機能も搭載。あらかじめカスタムキーに本機能を割り当てておくと、ズーム中にカスタムキーを押すだけで自動でズームアウトする。これにより被写体をすばやく見つけられるよう配慮した。同社では、動く被写体を望遠で撮影するときも簡単にフレーミングができるため、決定的な瞬間を逃さないとメリットを説明している。

RX10IIとの差分としてはそのほか、今回のRX10IIIはNDフィルターを内蔵しない。ただし4K動画撮影機能において、新たに静止画切り出しに対応した。

そのほかのスペックは基本的にRX10IIと同等で、画像処理エンジンにはBIONZ Xを採用。最高100Mbpsで、画素加算のない全画素読み出しの高精細4K動画の記録が可能なほか、最大960fpsのスーパースローモーション動画機能、約0.09秒の高速オートフォーカス「ファストインテリジェントAF」などを搭載している。

最高1/32000秒の高速シャッターなどもRX10IIから継続。映像の特長を決めるパラメーターを調整できる「ピクチャープロファイル」、1,300％という広いダイナミックレンジでの記録が可能な「S-Log2 ガンマ」など、プロ用機器の動画機能も引き続き搭載している。

ファインダーには、235万ドットの「XGA OLED Tru-Finder」を採用。液晶モニターは3.0型で、約122.9万ドット。マグネシウム外装や防塵防滴に配慮した設計なども踏襲している。