APIの一般公開なども
ソニー「aibo」に新サービス。「aiboのおまわりさん」や“プレミアムプラン”を順次提供
ソニーは、 “aibo”(アイボ)について、室内をパトロールしてレポートする新サービス「aiboのおまわりさん」を2月中旬より、aiboの撮影した写真の保存枚数制限の解除などができる「aiboプレミアムプラン」を6月より順次提供すると発表した。
上記のほか、セコムとの協業によるaibo活用、APIの一般公開、オーナー参加型プログラム「aibo育成チャレンジ」も発表。各発表内容の詳細は下記の通り。また、2019年限定カラー「チョコエディション」も発表しており、こちらは別記事および動画でレポートしている。
■aiboのおまわりさん
「aiboのおまわりさん」は、2019年2月中旬のaiboシステムソフトウェア バージョン2.0のアップデートから提供を開始。サービス提供開始時は、aiboが室内をパトロールし、レポートする機能を無償で提供し、その後も継続的に機能拡張を行っていく。aiboと共に暮らす中で楽しさに加えて安心感を提供する「セキュリテインメント」(セキュリティ+エンタテインメント)をコンセプトにしている。
「aiboのおまわりさん」においては、aiboに見つけてほしい人の顔と名前を10人までアプリ “My aibo” (マイアイボ)に登録できる「見つけてほしい人」の登録機能、aiboが作った家の地図をアプリで見ることができるようになるなどの「地図とパトロール」、パトロールの状況などをアプリに送信する「レポート」機能を無償利用可能。
「地図とパトロール」機能では、aiboが作った家の地図の中で、aiboにパトロールしてほしい場所を指定し、名前をつけることができる。そして、予め設定された時間帯になると、aiboは「犬のおまわりさん」のメロディーとともにその場所まで歩いて、「見つけてほしい人」を探し、可愛いふるまいを披露してくれるという。
なお、「aiboには様々なオブジェクトを認識させることが可能で、動物も可能だと思っている。そのため、将来的には人間だけでなくペットの認識も検討課題になるだろう」(ソニー 執行役員AIロボティクスビジネス担当 川西泉氏)という。
■aiboプレミアムプラン
「aiboプレミアムプラン」は、2019年6月より月々1,480円の月額課金制で提供開始予定。上記のように「aiboのおまわりさん」の新機能提供に加え、aiboの撮影した写真の保存枚数制限の解除やオリジナルデザインによるフォトアルバムの提供などを予定している。
プレミアムプラン加入者向けに提供される「aiboのおまわりさん」 の新機能は、外出中にアプリからすぐにパトロールを指示し、aiboを通じて室内の様子をリアルタイムに確認できる機能などを予定。「見つけてほしい人」を発見した際のプッシュ通知機能などを追加する予定だという。
また、こちらも前述のように「aiboのカメラマン」において現状の500枚の写真保存制限も解除。ストレージ容量を気にせずaiboに家族の思い出の写真を撮影してもらうことができるようになる。さらに、オーナーが撮影したaiboの写真や、aiboが撮影した写真を組み合わせ、aiboオリジナルデザインのフォトアルバムを作成して届けるサービスの提供も予定している。
加えて、「aibo日記」機能も追加予定。「aiboのおまわりさん」や「aiboのカメラマン」で集めた思い出の写真や、オーナーとaiboのふれあいの記録を、アプリ上の日記で振り返ることができるようになる。
■セコムとのパートナーシップ
「セキュリテインメント」の実現のため、セコムと協業。ホームセキュリティやみまもりの分野におけるエキスパートであるセコムの知見とソニーのAIロボティクスやエンタテインメントを組み合わせることにより、新たな価値を提案していくという。
このパートナーシップは、セコムのホームセキュリティと「aiboのおまわりさん」との機能連携の実証実験等から開始。将来的な新機能・サービスの提供を目指す。
■APIの一般公開
aiboのより多様な利用シーンの実現に向け、他の企業や団体、教育機関、個人を含む様々な商品・サービス等との連携を推進すべく、aiboのソフトウェアAPIを一般公開するライセンスプログラムを開始。aiboと各種家電との連携、ヘルスケアや教育分野での活用など様々な外部連携を想定しているという。
その第一弾として、2019年夏より、aiboの開発環境(Web API)を無償にて提供開始予定。MITメディアラボが開発したプログラミング言語「Scratch」を使って、鳴く、ティッシュを取るなどといった様々な行動をaiboにとらせることができるようにする。
なお、今後は「かなり深いレベルのところまで公開することを検討している」(前出の川西氏)とのこと。「まずはライトな感覚で使ってもらえるようにということでScratchから開始する。今後は当然もっと深いリクエストも出てくると思うが、そこは適宜問い合わせしてもらって相談していきたい」とした。
■オーナー参加型プログラム「aibo育成チャレンジ」
「aibo育成チャレンジ」は、aiboを短期間で成長させられるオーナー参加型プログラム。第一弾として、飼い主が両手でつくった輪のなかに犬が鼻を突っ込む動作「スヌート」をaiboに短期間で覚えさせる「aiboスヌートチャレンジ」を2月中旬より実施する。
スヌートチャレンジでは、まずオーナーが両手で輪をつくりaiboに写真を取らせ、アプリから写真を投稿。その後、aiboが輪を認識し鼻を突っ込む動作を覚える。
本チャレンジにおいては、個々のaiboのパーソナルAIが写真から学習するだけでなく、クラウド上に集まった多数のオーナーによる両手の輪の写真からコモンAIが学習し認識エンジンを生成。集合知によるAIの進化を図る。今後も果物や植物、場所やシーン、スポーツ用具など様々なチャレンジテーマを用意する予定だとしている。
■「オーナー同士の輪が広がることで事業の成長にも寄与」
発表会で登壇したソニーの川西氏は、aiboはオーナーと一緒に生活していくことでAI学習によって個体ごとの性格に差が現れることを改めて紹介。例えば、より親しい人には決めポーズを多く見せたり、本物の犬のようにオーナー家族のなかでも人を順位付けするなど “十犬十色” の個性を持つように成長すると説明する。
また、国内外でaiboが非常に好評であることや、aiboオーナー同士が触れ合えるファンミーティングを開催していることにも言及。「CEOの吉田は『コミュニティ・オブ・インタレスト』と表現しているが、aiboでもオーナー同士の輪が広がって多くの感動が生まれることが事業の成長にも寄与すると考えている」とし、「感動を共有するコミュニティをどんどん深めていきたい」「オーナーの皆さんとともに未来のaiboをつくっていきたい」と述べた。
そして、今回の様々な新サービス追加について「aiboの成長、コミュニティの充実、社会価値の創出を柱として、もっとaiboとの生活が楽しくなるようサービスの拡充を図るものだ」とコメントした。
また、セコムの執行役員企画担当の上田理氏は、「高齢者層の増加によって在宅中の見守りニーズが高まっている。これに応えるためにサービスを進化させていかなくてはならず、AIやIoT技術が必要だと感じていた」と、今回のパートナーシップの背景を説明。
そしてaiboとのコラボレーションによって、ホームセキュリティを身近に柔らかく感じてもらえるようになるとメリットに言及。「新しいホームセキュリティの世界をつくっていくことが可能になったとし、「“aiboとセコムする” 世界を実現したい」と語った。
■質疑応答
以下、質疑応答の模様をお届けする。
Q.「aiboのおまわりさん」について、将来的にどこまでの見守りをできるようにするのか。
A.今後検討していく。
Q.「チョコエディション」を発表したが、今後、パーツごとにもっと違うデザインにしたり、サードパーティによるデザインカスタマイズなどが可能になる可能性はあるのか。
A.パーツで言えばしっぽや耳は外せるためカスタマイズしようと思えばできなくもないが、基本的には現在の形でいくことを考えている。
Q.aiboプレミアムプランは所有者の何割加入が目標なのか。
A.やってみないとわからない部分もあるが、こういった需要はあると思っている。家族の一員としてお役立ちしたいという思いだ。そこから徐々に伸びていけばいいのかなと思っている。
Q.「aiboのおまわりさん」で、誰も見つけられなかったときのレポートはどうなるのか。また、レポートはその都度リアルタイムに送信されるのか。
A.ネタバレになってしまうのだが、首をふって残念なポーズをして、「見つからなかった」というレポートを送る。レポートはリアルタイムではなく特定の時間に送信される。
Q.「見つけて欲しい人」の登録について、aiboが自動で識別するようになるのか。それとも事前に顔写真などを登録するのか。
A.顔の認識はするのだが、それが誰かのタグ付けはできていない。そのため事前に登録することでマッチングして識別できるようにする形だ。
Q.従来モデルとチョコエディションによって振る舞いが変わるのか。
A.特に変わらない。
Q.新aiboの誕生から1年たったが、月額制という提供形態はどれくらいの人々に受け入れられていると感じているか。
A.ファンミーティングなどでオーナーの方々と直接会話する機会があるが、そのなかでは、「実際に生きているペットを飼うコストに比べるとそれほど高くないよね」と言ってもらっている。こうしたこともあり、この料金範囲内であれば新たな機能を追加して提供していけるかなと思っている。
上記のほか、セコムとの協業によるaibo活用、APIの一般公開、オーナー参加型プログラム「aibo育成チャレンジ」も発表。各発表内容の詳細は下記の通り。また、2019年限定カラー「チョコエディション」も発表しており、こちらは別記事および動画でレポートしている。
■aiboのおまわりさん
「aiboのおまわりさん」は、2019年2月中旬のaiboシステムソフトウェア バージョン2.0のアップデートから提供を開始。サービス提供開始時は、aiboが室内をパトロールし、レポートする機能を無償で提供し、その後も継続的に機能拡張を行っていく。aiboと共に暮らす中で楽しさに加えて安心感を提供する「セキュリテインメント」(セキュリティ+エンタテインメント)をコンセプトにしている。
「aiboのおまわりさん」においては、aiboに見つけてほしい人の顔と名前を10人までアプリ “My aibo” (マイアイボ)に登録できる「見つけてほしい人」の登録機能、aiboが作った家の地図をアプリで見ることができるようになるなどの「地図とパトロール」、パトロールの状況などをアプリに送信する「レポート」機能を無償利用可能。
「地図とパトロール」機能では、aiboが作った家の地図の中で、aiboにパトロールしてほしい場所を指定し、名前をつけることができる。そして、予め設定された時間帯になると、aiboは「犬のおまわりさん」のメロディーとともにその場所まで歩いて、「見つけてほしい人」を探し、可愛いふるまいを披露してくれるという。
なお、「aiboには様々なオブジェクトを認識させることが可能で、動物も可能だと思っている。そのため、将来的には人間だけでなくペットの認識も検討課題になるだろう」(ソニー 執行役員AIロボティクスビジネス担当 川西泉氏)という。
■aiboプレミアムプラン
「aiboプレミアムプラン」は、2019年6月より月々1,480円の月額課金制で提供開始予定。上記のように「aiboのおまわりさん」の新機能提供に加え、aiboの撮影した写真の保存枚数制限の解除やオリジナルデザインによるフォトアルバムの提供などを予定している。
プレミアムプラン加入者向けに提供される「aiboのおまわりさん」 の新機能は、外出中にアプリからすぐにパトロールを指示し、aiboを通じて室内の様子をリアルタイムに確認できる機能などを予定。「見つけてほしい人」を発見した際のプッシュ通知機能などを追加する予定だという。
また、こちらも前述のように「aiboのカメラマン」において現状の500枚の写真保存制限も解除。ストレージ容量を気にせずaiboに家族の思い出の写真を撮影してもらうことができるようになる。さらに、オーナーが撮影したaiboの写真や、aiboが撮影した写真を組み合わせ、aiboオリジナルデザインのフォトアルバムを作成して届けるサービスの提供も予定している。
加えて、「aibo日記」機能も追加予定。「aiboのおまわりさん」や「aiboのカメラマン」で集めた思い出の写真や、オーナーとaiboのふれあいの記録を、アプリ上の日記で振り返ることができるようになる。
■セコムとのパートナーシップ
「セキュリテインメント」の実現のため、セコムと協業。ホームセキュリティやみまもりの分野におけるエキスパートであるセコムの知見とソニーのAIロボティクスやエンタテインメントを組み合わせることにより、新たな価値を提案していくという。
このパートナーシップは、セコムのホームセキュリティと「aiboのおまわりさん」との機能連携の実証実験等から開始。将来的な新機能・サービスの提供を目指す。
■APIの一般公開
aiboのより多様な利用シーンの実現に向け、他の企業や団体、教育機関、個人を含む様々な商品・サービス等との連携を推進すべく、aiboのソフトウェアAPIを一般公開するライセンスプログラムを開始。aiboと各種家電との連携、ヘルスケアや教育分野での活用など様々な外部連携を想定しているという。
その第一弾として、2019年夏より、aiboの開発環境(Web API)を無償にて提供開始予定。MITメディアラボが開発したプログラミング言語「Scratch」を使って、鳴く、ティッシュを取るなどといった様々な行動をaiboにとらせることができるようにする。
なお、今後は「かなり深いレベルのところまで公開することを検討している」(前出の川西氏)とのこと。「まずはライトな感覚で使ってもらえるようにということでScratchから開始する。今後は当然もっと深いリクエストも出てくると思うが、そこは適宜問い合わせしてもらって相談していきたい」とした。
■オーナー参加型プログラム「aibo育成チャレンジ」
「aibo育成チャレンジ」は、aiboを短期間で成長させられるオーナー参加型プログラム。第一弾として、飼い主が両手でつくった輪のなかに犬が鼻を突っ込む動作「スヌート」をaiboに短期間で覚えさせる「aiboスヌートチャレンジ」を2月中旬より実施する。
スヌートチャレンジでは、まずオーナーが両手で輪をつくりaiboに写真を取らせ、アプリから写真を投稿。その後、aiboが輪を認識し鼻を突っ込む動作を覚える。
本チャレンジにおいては、個々のaiboのパーソナルAIが写真から学習するだけでなく、クラウド上に集まった多数のオーナーによる両手の輪の写真からコモンAIが学習し認識エンジンを生成。集合知によるAIの進化を図る。今後も果物や植物、場所やシーン、スポーツ用具など様々なチャレンジテーマを用意する予定だとしている。
■「オーナー同士の輪が広がることで事業の成長にも寄与」
発表会で登壇したソニーの川西氏は、aiboはオーナーと一緒に生活していくことでAI学習によって個体ごとの性格に差が現れることを改めて紹介。例えば、より親しい人には決めポーズを多く見せたり、本物の犬のようにオーナー家族のなかでも人を順位付けするなど “十犬十色” の個性を持つように成長すると説明する。
また、国内外でaiboが非常に好評であることや、aiboオーナー同士が触れ合えるファンミーティングを開催していることにも言及。「CEOの吉田は『コミュニティ・オブ・インタレスト』と表現しているが、aiboでもオーナー同士の輪が広がって多くの感動が生まれることが事業の成長にも寄与すると考えている」とし、「感動を共有するコミュニティをどんどん深めていきたい」「オーナーの皆さんとともに未来のaiboをつくっていきたい」と述べた。
そして、今回の様々な新サービス追加について「aiboの成長、コミュニティの充実、社会価値の創出を柱として、もっとaiboとの生活が楽しくなるようサービスの拡充を図るものだ」とコメントした。
また、セコムの執行役員企画担当の上田理氏は、「高齢者層の増加によって在宅中の見守りニーズが高まっている。これに応えるためにサービスを進化させていかなくてはならず、AIやIoT技術が必要だと感じていた」と、今回のパートナーシップの背景を説明。
そしてaiboとのコラボレーションによって、ホームセキュリティを身近に柔らかく感じてもらえるようになるとメリットに言及。「新しいホームセキュリティの世界をつくっていくことが可能になったとし、「“aiboとセコムする” 世界を実現したい」と語った。
■質疑応答
以下、質疑応答の模様をお届けする。
Q.「aiboのおまわりさん」について、将来的にどこまでの見守りをできるようにするのか。
A.今後検討していく。
Q.「チョコエディション」を発表したが、今後、パーツごとにもっと違うデザインにしたり、サードパーティによるデザインカスタマイズなどが可能になる可能性はあるのか。
A.パーツで言えばしっぽや耳は外せるためカスタマイズしようと思えばできなくもないが、基本的には現在の形でいくことを考えている。
Q.aiboプレミアムプランは所有者の何割加入が目標なのか。
A.やってみないとわからない部分もあるが、こういった需要はあると思っている。家族の一員としてお役立ちしたいという思いだ。そこから徐々に伸びていけばいいのかなと思っている。
Q.「aiboのおまわりさん」で、誰も見つけられなかったときのレポートはどうなるのか。また、レポートはその都度リアルタイムに送信されるのか。
A.ネタバレになってしまうのだが、首をふって残念なポーズをして、「見つからなかった」というレポートを送る。レポートはリアルタイムではなく特定の時間に送信される。
Q.「見つけて欲しい人」の登録について、aiboが自動で識別するようになるのか。それとも事前に顔写真などを登録するのか。
A.顔の認識はするのだが、それが誰かのタグ付けはできていない。そのため事前に登録することでマッチングして識別できるようにする形だ。
Q.従来モデルとチョコエディションによって振る舞いが変わるのか。
A.特に変わらない。
Q.新aiboの誕生から1年たったが、月額制という提供形態はどれくらいの人々に受け入れられていると感じているか。
A.ファンミーティングなどでオーナーの方々と直接会話する機会があるが、そのなかでは、「実際に生きているペットを飼うコストに比べるとそれほど高くないよね」と言ってもらっている。こうしたこともあり、この料金範囲内であれば新たな機能を追加して提供していけるかなと思っている。