ノンレム睡眠の質をコントロール
フィリップス、音で睡眠の質を高めるウェアラブルヘッドバンド。6時間未満の睡眠で活力を
フィリップス・ジャパンは、深い睡眠の質を高めることを目的としたウェアラブルヘッドバンド “SmartSleep” 「ディープスリープヘッドバンド」を11月26日に発売する。価格は42,380円(税抜)。
リアルタイムで睡眠の段階を計測し、深い眠りであるノンレム睡眠に入った際に、オーディオトーンと呼ばれる500Hz - 2kHzの音をランダムに流すという製品。これにより、ノンレム睡眠の振幅の幅を大きくさせたり持続時間を長くさせ、睡眠の質を高めるという。
同社は、日本は先進国の中でも睡眠時間が短く、これによる経済損失はGDP比2.92%の約15兆円と説明。また睡眠時間が6時間未満の方は、日本の約40%である約4,700万人にのぼる。こういった方々をターゲットに、睡眠不足から生じる健康問題を解決しようというのが今回の製品だ。
発表会において「少しでも睡眠の質を高めて、何か役に立とうというのが、今回のゴールでありミッション。睡眠がこれからの日本、そして世界を変える」と意気込みを語るのは、同社代表取締役社長の堤 浩幸氏。 “2030年までに30億人の生活を向上させる” という目標を同社が掲げる中で、今回は睡眠にフォーカスしたという。
また堤氏は、ディープスリープヘッドバンドを使用することで作業速度が3%向上すると説明。「これは従業員1000人の会社で考えると、年45,000時間に相当する」と強調するほか、「PALテスト(言語性記憶を評価するテスト)では、23%も向上したというデータが出ている。これがSmartSleepのソリューション、価値創造なんです」と製品の効果の大きさをアピールした。
睡眠の計測には、額と耳の後ろの2つのセンサーを使用する。耳後方のセンサーは貼り付けるかたちとなり、消耗品。初回は30枚が付属し、1つで三晩使用することができる。なお2,980円(税抜/30枚入)で追加購入できる。
本体はソフトな布素材でできており、左右にはオーディオトーンを発するためのスピーカーを搭載。額のセンサー以外は水洗いには対応せず、ウエットティッシュで拭くかたちとなる。バッテリーは専用充電器から行う仕様で、2 - 3時間の充電で一晩使用できる。
先述の様にスピーカーからはオーディオトーンを流すが、睡眠状況によってタイミングや音量は随時変更される。Bluetooth連携のスマートフォンアプリ「Sleep Mapper」が用意され、睡眠スコアの表示、睡眠段階のグラフ、オーディオトーン発生回数、世界の同年代との睡眠比較などに対応する。
製品説明を行った同社SRC事業部 事業部長 安倍美佐子氏によると、「使用して2週間後には、70%のユーザーが日中の疲労感が軽減したと感じ、やりたいことに多くのエネルギーを注げるようになった」という。使用してすぐ効果がでるというものではなく、継続的に使用することで効果を実感できるユーザーが多いようだ。
なお効果が期待できる/推奨している対象者として、18歳以上かつ睡眠障害と診断されていないという条件が上げられている。音を用いることから、聴覚障害の方にも効果が出ないという。またノンレム睡眠の振幅は年齢とともに減少するため、50歳以下のユーザーに特に効果があるとのこと。ただし50歳以上であっても、効果が出ないわけでは無いと説明した。
■「睡眠は時間だけでなく、質も大切」
発表会では、メジャーリーガーの前田健太氏、クリエイティブコンサルタントの市川渚氏を招いたトークセッションを実施した。
市川氏はディープスリープヘッドバンドを使用した感想について「いろいろな睡眠デバイスを使ってきたが、自分の睡眠が良くないことを把握している中で、深い睡眠を取ることが課題だった。1週間くらい使って、明らかに深い睡眠が伸びていたので、継続的に使い続けてどう変わっていくのか楽しみ」と話した。
前田氏はシーズン中の睡眠状況について尋ねられると、「夜11時に帰宅して、そこから食事をするので睡眠時間が削られることが多い。特に勝ったときは寝ることができない」と回答。使用した感想については、「まだ数日しか試せてないが、起きた時のスッキリ感がすごくある。シーズン中に睡眠を管理できるので、いい商品だなと思う」と語った。
さらに前田氏は、「深い睡眠を真剣に考えたことがなかった。いつも通り寝ているだけだが、よりよい睡眠に導いてくれるのはアスリートにとって力になる。すごく魅力的な商品だと思うので他の選手におすすめしたい」と絶賛した。
そのほか発表会では、早稲田大学 リサーチイノベーションセンター 研究戦略部門 教授 枝川義邦氏による講演も行われた。この中で同氏は、「6時間睡眠を毎日続けると、1週間で一晩の徹夜、2週間で二晩の徹夜と同じ状態になる。6時間睡眠は習慣になりやすいが、徹夜明けと同じような状態が続いてしまう」と説明した。
加えて脳は起床時から12 - 13時間を超えると、パフォーマンスが急激に低下するとのこと。これはアルコールを摂取した状態と似ており、「15時間以上がんばると、酒気帯び状態と同程度の作業効率。この状態で運転するのは、酒気帯び運転と同じ状態」と危険性を語った。
また睡眠時間の不足が溜まっていくことで起こる “睡眠負債” は、物覚えが悪くなったり、風邪になりやすくなったりするだけでなく、常態化すると認知症、うつ病、高血圧症、糖尿病、がん、肥満の原因になる。しかしこの状態は寝溜めでは解消できず、解決にはコツコツと計画的に返済する必要があるという。
とはいえ、睡眠時間を確保できない場合もある。そこで枝川氏はディープスリープヘッドバンドの使用を勧めており、「睡眠は時間だけでなく、質も大切。しかし質を高めるにはどうすれば良いか、なかなか見当たらなかった。そこでデバイスを使う、こういった手があるのだなと感じた」と述べた。
リアルタイムで睡眠の段階を計測し、深い眠りであるノンレム睡眠に入った際に、オーディオトーンと呼ばれる500Hz - 2kHzの音をランダムに流すという製品。これにより、ノンレム睡眠の振幅の幅を大きくさせたり持続時間を長くさせ、睡眠の質を高めるという。
同社は、日本は先進国の中でも睡眠時間が短く、これによる経済損失はGDP比2.92%の約15兆円と説明。また睡眠時間が6時間未満の方は、日本の約40%である約4,700万人にのぼる。こういった方々をターゲットに、睡眠不足から生じる健康問題を解決しようというのが今回の製品だ。
発表会において「少しでも睡眠の質を高めて、何か役に立とうというのが、今回のゴールでありミッション。睡眠がこれからの日本、そして世界を変える」と意気込みを語るのは、同社代表取締役社長の堤 浩幸氏。 “2030年までに30億人の生活を向上させる” という目標を同社が掲げる中で、今回は睡眠にフォーカスしたという。
また堤氏は、ディープスリープヘッドバンドを使用することで作業速度が3%向上すると説明。「これは従業員1000人の会社で考えると、年45,000時間に相当する」と強調するほか、「PALテスト(言語性記憶を評価するテスト)では、23%も向上したというデータが出ている。これがSmartSleepのソリューション、価値創造なんです」と製品の効果の大きさをアピールした。
睡眠の計測には、額と耳の後ろの2つのセンサーを使用する。耳後方のセンサーは貼り付けるかたちとなり、消耗品。初回は30枚が付属し、1つで三晩使用することができる。なお2,980円(税抜/30枚入)で追加購入できる。
本体はソフトな布素材でできており、左右にはオーディオトーンを発するためのスピーカーを搭載。額のセンサー以外は水洗いには対応せず、ウエットティッシュで拭くかたちとなる。バッテリーは専用充電器から行う仕様で、2 - 3時間の充電で一晩使用できる。
先述の様にスピーカーからはオーディオトーンを流すが、睡眠状況によってタイミングや音量は随時変更される。Bluetooth連携のスマートフォンアプリ「Sleep Mapper」が用意され、睡眠スコアの表示、睡眠段階のグラフ、オーディオトーン発生回数、世界の同年代との睡眠比較などに対応する。
製品説明を行った同社SRC事業部 事業部長 安倍美佐子氏によると、「使用して2週間後には、70%のユーザーが日中の疲労感が軽減したと感じ、やりたいことに多くのエネルギーを注げるようになった」という。使用してすぐ効果がでるというものではなく、継続的に使用することで効果を実感できるユーザーが多いようだ。
なお効果が期待できる/推奨している対象者として、18歳以上かつ睡眠障害と診断されていないという条件が上げられている。音を用いることから、聴覚障害の方にも効果が出ないという。またノンレム睡眠の振幅は年齢とともに減少するため、50歳以下のユーザーに特に効果があるとのこと。ただし50歳以上であっても、効果が出ないわけでは無いと説明した。
■「睡眠は時間だけでなく、質も大切」
発表会では、メジャーリーガーの前田健太氏、クリエイティブコンサルタントの市川渚氏を招いたトークセッションを実施した。
市川氏はディープスリープヘッドバンドを使用した感想について「いろいろな睡眠デバイスを使ってきたが、自分の睡眠が良くないことを把握している中で、深い睡眠を取ることが課題だった。1週間くらい使って、明らかに深い睡眠が伸びていたので、継続的に使い続けてどう変わっていくのか楽しみ」と話した。
前田氏はシーズン中の睡眠状況について尋ねられると、「夜11時に帰宅して、そこから食事をするので睡眠時間が削られることが多い。特に勝ったときは寝ることができない」と回答。使用した感想については、「まだ数日しか試せてないが、起きた時のスッキリ感がすごくある。シーズン中に睡眠を管理できるので、いい商品だなと思う」と語った。
さらに前田氏は、「深い睡眠を真剣に考えたことがなかった。いつも通り寝ているだけだが、よりよい睡眠に導いてくれるのはアスリートにとって力になる。すごく魅力的な商品だと思うので他の選手におすすめしたい」と絶賛した。
そのほか発表会では、早稲田大学 リサーチイノベーションセンター 研究戦略部門 教授 枝川義邦氏による講演も行われた。この中で同氏は、「6時間睡眠を毎日続けると、1週間で一晩の徹夜、2週間で二晩の徹夜と同じ状態になる。6時間睡眠は習慣になりやすいが、徹夜明けと同じような状態が続いてしまう」と説明した。
加えて脳は起床時から12 - 13時間を超えると、パフォーマンスが急激に低下するとのこと。これはアルコールを摂取した状態と似ており、「15時間以上がんばると、酒気帯び状態と同程度の作業効率。この状態で運転するのは、酒気帯び運転と同じ状態」と危険性を語った。
また睡眠時間の不足が溜まっていくことで起こる “睡眠負債” は、物覚えが悪くなったり、風邪になりやすくなったりするだけでなく、常態化すると認知症、うつ病、高血圧症、糖尿病、がん、肥満の原因になる。しかしこの状態は寝溜めでは解消できず、解決にはコツコツと計画的に返済する必要があるという。
とはいえ、睡眠時間を確保できない場合もある。そこで枝川氏はディープスリープヘッドバンドの使用を勧めており、「睡眠は時間だけでなく、質も大切。しかし質を高めるにはどうすれば良いか、なかなか見当たらなかった。そこでデバイスを使う、こういった手があるのだなと感じた」と述べた。