「着るカイロ」にもなる
ソニーの “着るクーラー” 「REON POCKET」を着てみた。効果はどの程度?
効果がわかったところで、次にREON POCKETを身につけてみる。専用インナーウェアに、本体を入れるポケットが用意されているので、そこに本体を収納する。
率直に言って、このインナーウェアのポケットへ本体を収納する動作は、慣れないと手間取る。手探りでポケットの位置を探り当て、デバイスを入れる必要があるのだが、間違えると本体がストンと落ちてしまいそうで、少し怖い。慣れないあいだは、肌着をズボンに「シャツイン」しておくと、もし失敗しても腰のあたりで止まるので安心だろう。
先にインナーウェアに本体を収納し、その状態のままインナーウェアを着ることができたら、なお良かった。試しに一度だけ、安全のために下に布団を敷いて試してみたが、やはり着る途中でポトリと落ちてしまった。
フラップやボタンを付けたりすれば、落ちないように収納することは可能だろうが、そうすると本体の吸排気口が塞がれてしまうし、インナーウェアとしての着心地も低下してしまう。作る側としてもバランスが難しかったことだろう。なおインナーウェアは東レが提供しており、着心地は悪くない。
だが本体の収納は、途中で充電しなければ、一日一回行えばいいことだ。逆に、本体を取り出すのはとてもかんたんなので、入れるときだけ気をつかえば良い。
インナーウェアを身につけたら、その上にシャツなどを着る。ソニーでは熱のこもらない、通気性の良い白いシャツなどを推奨している。
私は普段ワイシャツを着ないので、いつも通り、インナーウェアの上にTシャツを着てみた。家族や同僚に見せても、「機械が入っているとは気づかない」という感想だったので、周囲に気づかれず涼感を得られそうだ。
ぶじ装着を完了すると、その時点で、接触部がひんやりしていることに気づく。電源を入れなくても、接触涼感効果が得られるのだ。また、本体の軽さも特筆したい。89gほどしかないので、重さを不満に感じるケースは少ないはずだ。
本体の電源を入れる。はじめにスマホとBluetoothで接続し、アプリを登録しておけば、本体の電源はアプリから入れられる。以降の操作はアプリから行う。
アプリは「COOL」と「WARM」の、2つのモードから選べる。今回は当然ながらCOOLを選んだ。冷たさの度合いは3段階で、さらに「BOOST」モードも選べる。ただしBOOSTは2分間の時限式だ。バッテリー持続時間を長くするための工夫だろう。
冷たさの度合いを、もっとも弱い「1」に設定してみる。するとファンが回り出し、数秒すると、明らかに「冷たい」という感覚が得られる。氷をタオルでくるんだものを押し当てている感覚に近い。強さを「2」にしたり「3」にしたりすると、ますます冷たい感覚が強まる。「BOOST」にすると、人によっては少しピリピリするというか、冷たさだけでなく、若干「痛さ」も感じるかも知れない。
ファンの強さも3段階から選べる。当然ながら、強くすればするほどファンの音は大きくなる。3段階のうち最も弱いモードでは、静かな場所なら少し気になる程度。外を歩いていたり、電車に乗っていたり、空調が回っているオフィスなどでは、ほとんど気にならないレベルの音量だ。逆に最大の風量にすると、周りが騒がしい状況でもかなり気になる程度の騒音が響く。なおソニーのサポートページでは、最も弱いモードで使うことが勧められている。