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見えてきたモバイルエンターテインメントの進化

【MWC2014】「単体から連携」の価値訴求でスマホは次の魅力を打ち出せるか? − MWC2014の4日間を振り返る

公開日 2014/02/28 19:18 山本 敦
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MWC会場に出展されたハイエンドスマホの中でも、特に来場者の視線を集めていた製品が、“Best of MWC”の賞を受賞したロシアYota Devices社の"両面スマホ”「YotaPhone」だ。Android 4.4搭載の次世代モデルでは、表面に5インチのフルHD有機ELディスプレイ、反対側には4.7インチの電子ペーパーディスプレイを搭載する。電子ペーパー側の画面がフルタッチスクリーンになったことも特徴。本年後半にヨーロッパから展開をスタートし、翌年米国・中国にも販売網を拡大していく。価格は499ユーロ(69,000円前後)と、強気な設定で挑む。

一際注目を集めたスマートフォンがこちら、ロシアの「YotaPhone」次世代機

裏側はフルタッチスクリーンの電子ペーパーになっている

ほかにももちろん、大手スマートフォンメーカーはこぞって最新スペックを盛り込んだハイエンドクラスの端末を数多く展示していた。だが、いずれもやはりノキアやFirefox OSが打ち出した「低価格」のインパクトにやや気圧され気味だった印象は否めない。「低価格+気の利いた付加価値」を備えた商品が今後普及してきたときに、高機能・高価格の端末は、よほどのインパクトと個性を用意して迎え撃つことができなければならないだろう。ブランドイメージを絶対的な位置に高めておくことも今から急務の課題となりつつある。

■ウェアラブルデバイスやオーディオビジュアルの新技術

”スマートウォッチ”や"モバイルビューワー”などのウェアラブル端末はMWC会場でも注目を集めるトピックスだった。

中国のベンチャー企業であるOmateはAndroid 4.2とmicroSIMカードスロットを搭載し、本体だけでスマートフォンと同様に3G通話やアプリ、Wi-Fi通信が利用できるスタンドアロンの"スマートウォッチ”「Omate TrueSmart」を展示。本体に8GBのメモリーを内蔵しており、Bluetoothイヤホンをペアリングすれば音楽ファイルの再生も単体で楽しめる。

単体で電話やメール、Androidアプリも利用できる「Omate TrueSmart」

アメリカのMartian Watchesは時計としての高級感あるルックスにこだわったスマートウォッチを発売した。BluetoothでiPhoneやAndroid端末にペアリングして、時計側の小さなディスプレイにメールや通話の着信、カレンダー等のアラートを表示できる機能を持つ。SiriやGoogle音声入力との連携も実現しており、時計に内蔵されたマイクからボイスコマンドを送ってスマートフォンをコントロールしたり、メールの音声読み上げ機能にも対応した点も面白い。

米Martian Watchesの高級感あるルックスにこだわったスマートウォッチ

他にもクアルコムが北米で限定的に販売する「Qualcomm Toq」も関心を集めていた。AndroidスマートフォンとのBluetooth連携による各種通知表示や、通話への応答、音楽再生などメディアコントローラー機能を搭載する多機能な"セカンドスクリーンデバイス”として、その技術プラットフォームをBtoB向けに紹介する技術ショーケース的な位置づけの端末だ。フルカラー表示に対応する反射型ディスプレイ「Mirasol」を搭載し、駆動時の消費電力が非常に低いことも特徴であり、画面を表示したままで5〜7日の連続駆動使用ができる。

クアルコムのリファレンスプロダクト「Toq」。低消費電力のMirasolディスプレイを搭載した点にも注目が集まる

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