HOME > ニュース > 新会社「VAIO株式会社」正式スタート。“安曇野FINISH”で「本気で本質追究」

販売はソニーマーケティングが担当

新会社「VAIO株式会社」正式スタート。“安曇野FINISH”で「本気で本質追究」

公開日 2014/07/01 15:58 ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
かねてより発表されていたソニーから日本産業パートナーズ(JIP)へのPC事業の譲渡が完了し、本日7月1日より新会社「VAIO株式会社」が事業を開始。新会社の第一弾モデルとして「VAIO Pro」と「VAIO Fit」2シリーズ計3機種を発表した。8月からの発売で、本日より個人向けの受注を開始している。

VAIO Pro

写真左から副社長の赤羽良介氏、社長の関取高行氏、執行役員の花里隆志氏

なお、同社はソニーマーケティングと販売総代理店契約を締結。国内での販売活動はソニーマーケティングが担当し、通販サイトおよび直営店舗のソニーストア、そしてe-ソニーショップを中心に、CTOモデルのみで販売を行う。また、今後は一部の量販店でも販売を展開する予定。

VAIO Pro 11(11.6型)¥OPEN(ソニーストア価格120,000円〜)
VAIO Pro 13(13.3型)¥OPEN(ソニーストア価格130,000円〜)
VAIO Fit 15E(15.5型)¥OPEN(ソニーストア価格100,000円〜)

■従来モデルとの違いは?

今回発売される3モデルは、これまでソニーから展開していた製品の機能を厳選し、変更を加えた新モデル。BtoBでのニーズも狙い、Windows 7も選択できるようにしている。当面は日本を中心に、この2シリーズ3機種でビジネスを軌道に乗せると同時に、今後に向けて新商品を積極的に開発していくという。

VAIO Pro

VAIO Fit

なお、新会社による独自の新モデルについては「VAIOのDNAを受け継いだこだわりのメンバーが残っている。この2シリーズ以後、新しいモデルを世に問うていきたい」(同社取締役社長 関取高行氏)と触れるにとどまり、詳しいことは明かされなかった。

これまで「SONY」ロゴだった部分が「VAIO」ロゴに

今回のモデルでは、ソニーが展開していた従来モデルから複数のアプリを削除。ハードウェアスペックとしてはNFC非対応にしたが、それ以外は従来から引き継いでいる。「ソニー時代は、様々なソニー製品との簡単連携という意味でNFCを搭載していたが、別会社になるということもありいったん機能を外した」(同社スタッフ)という。

搭載を取り止めたアプリは「VAIO TV with nasne」や「Socialife」など、ソニーが手がけているソフト類。「VAIO TV with nasne」が非搭載となるため、今回のモデルを購入してnasneも利用したい場合には、本日ソニーが発表した「PC TV with nasne」(関連ニュース)を購入する形になる。

■キーワードは「本質+α」 − Androidの採用など今後の可能性にも言及

社長に就任した関取氏は、「今、PC市場は成熟期に入り、道具としての進化が問われている」とコメント。「道具に何を求めるか、それは道具の『本質的な機能、性能』だと思う」とし、「例えば包丁では切れることが本質的な性能だし、掃除機ではゴミをきちっと吸い取ることが本質的な機能。VAIOは、もう一度、ユーザーが本当に求めているPCの本質を突き詰めて考えていきたい」と述べた。

関取氏

こうした考えの下、「本質+α」というキーコンセプトを発表。パソコンに本当に必要とされる機能や性能という本質を追究して余計なものを削ぎ落としていくことがかえって“+α”の発見につながるという考えを示し、「本質のなかから尖った+αを見つけ出すことで、本当のVAIOの姿につながると信じている」と語った。

「本質+α」という考えの下で活動していくと説明


そして製品開発においては「従来の顧客視点という考え方を少し変える」と宣言。「従来はお客様の声を気にしすぎることもあった。お客様が本当に困っていること、必要なことをとことん突き詰めていく」とし、「そのためには『選択と集中』が重要だ」とコメント。

「選択と集中を繰り返すことで無駄なものが削ぎ落とされ、結果としてシンプルなものになっていくだろう」と言葉を続け、「その上で、もっと重要なものが見えてくるのではないか。+αが自ずと浮かび上がり、VAIOらしい付加価値が付いた商品を創り出せると思っている」とした。

発表会にはインテル取締役副社長の宗像義恵氏(左)や日本マイクロソフト魚油無執行役員の金子毅氏も駆け付けゲストスピーチを行った

なお、製品開発にはODM等も活用するが、それらも含めて全てのモデルの最終仕上げ、および品質チェックを同社が本拠を構える安曇野で行う。同社ではこれを「安曇野FINISH」と名付け、関取氏は「これも本気で本質を追究するという決意の表れだ」と述べた。

また、これまでは液晶テレビで培った技術を応用した「トリルミナスディスプレイfor mobile」などソニーの技術によるハードウェアや各種機能を採用していたが、今後の製品開発におけるソニーとの関係については「一定の条件でソニーの技術を使える契約になっており、一部継承できることになっている」と説明。今回のモデルにもディスプレイやカメラ機能を従来から継承している。今後は「本質を考えながらどういう技術を継承していくかをきちっと考えてやっていく」という。

そのほか質疑応答では「今後、Android採用機などを手がけるような考えはあるのか」といった質問もあり、「安曇野の設備、技術者を活用しない手はないと思う」と関取氏が回答。あらゆる可能性を否定するものではないとしたが、「まずは今の製品を軌道に乗せてからチャンスを考えていきたい」と述べた。

そして「我々は今日スタートしたばかりの会社。もしかすると『きちんとやっていけるのか』と不安に思っている方もいるかもしれない。だからこそ、私たちは『本質+α』というものづくりの原点に立ち返り、『この会社なら応援してみるか』と思っていただける会社、ブランドになっていけるよう一同で努力していく」と語った。

メディア向けに配られたノベルティの名刺入れ。VAIO風デザインが施されている

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック