フィーチャーフォンを生まれ変わらせる
シャープ、新世代ケータイAQUOS Kの狙いを語る − “全てのガラケーをガラホに”
KDDIが19日に発表した2015年春モデルの中で、フィーチャーフォンながらAndroidを搭載していることで話題を集めたシャープ製端末「AQUOS K SHF31」(関連ニュース)。シャープ(株)は本日、この“ガラホ”とも呼称されている“新世代ケータイ AQUOS K”について説明する「新世代ケータイ説明会」を開催した。
説明会では、同社 常務執行役員 通信システム事業統轄 兼 通信システム事業本部長 長谷川祥典氏と、通信システム事業本部 グローバル商品企画センター 戦略企画部 部長 中田尋経氏が登壇し、新世代ケータイAQUOS K開発の狙いを語った。冒頭で長谷川氏は、「シャープがデジタル携帯電話分野に参入して20年になる。これまでに最先端のモバイル体験を提供することで時代をリードしてきたシャープが今なすべきこと、それはフィーチャーフォンを新しく生まれ変わらせることだ」と述べた。
なお会場には、1999年に登場した初のカラー液晶携帯電話など歴代のシャープ製端末が陳列され、同社による携帯電話端末開発の歩みを振り返ることもできた。
■一般的なフィーチャーフォンの約4.3倍の処理能力を確保するAQUOS K SHF31
AQUOS Kは、10キーを備えた折りたたみ式のフィーチャーフォンながらAndroid 4.4を搭載するモデル。4G LTEに対応したAndroid 4.4搭載のフィーチャーフォンが国内通信事業者から展開されるのは本機が初めてだという。
プロセッサーには1.2GHzクアッドコアCPUを搭載することにより、一般的なフィーチャーフォンの約4.3倍の処理能力を確保する。さらに4G LTE対応、Wi-Fiテザリング機能など、これまでの携帯電話にはない性能・機能を多数搭載していることが大きな特徴で、LINEなどのアプリも使用できる。
ディスプレイサイズは3.4インチ。“AQUOS”のブランド名を冠することから高精細化にはこだわっており、解像度は960×540(QHD)で画素密度は約328ppiを確保している。なおディスプレイ部のタッチ操作には対応していないが、10キー部分に静電センサーを搭載しており、ウェブブラウジング中などに10キー部をタッチ操作することで通常のスマートフォンと同じスワイプ操作やピンチイン/アウトなどが行える「タッチクルーザーUX」を備えていることもポイントとなる。
カメラは約1,310万画素で、「Night Catch」「リアルタイムHDR撮影」「美ズーム」「フレーミングアドバイザー」などの機能を備えている。
メモリは約8GB(ROM)/約1GB(RAM)。バッテリー容量は従来のフィーチャーフォンの約1.4倍となる1,410mAhとなる。スマホの省エネ技術を投入しており、従来のフィーチャーフォンの約2倍となる約620分の連続通話が可能としている。そのほか、SIMカードはnanoSIMを搭載している。
なお、Google Playには非対応でアプリのインストールはできないため、通常のAndroidスマホで使用できるアプリを全て使えるというわけではない。基本的にはLINEなど本機にプリインストールされるアプリのほか、KDDIが本機専用にカスタマイズした「auスマートパス」で本機向けに提供されるアプリのインストールのみ行えるようになる予定とのこと。
■あくまでも“フィーチャーフォンの進化”を具体化した「AQUOS K」
MM総研が発表したデータによれば、国内におけるフィーチャーフォンの契約数は2014年9月時点で約6,000万件ほど。スマートフォンとの割合はほぼ半々だという。さらに同調べによれば、スマートフォンの登場によって低減していたフィーチャーフォンの出荷台数も、2013年〜2014年度には下げ止まりの傾向を見せており、今後は年間約1,000万台ほどの市場で維持されていくとしている。
長谷川氏によれば、この年間約1,000万台のフィーチャーフォン市場に対して、「進化の止まった本体設計や通信規格を採用し続け、限定されたインターネット環境にしか対応しない製品を提供していくだけで良いのか?」という思いがあり、そこで「フィーチャーフォンを新しく生まれ変わらせる」という“新世代ケータイ AQUOS K”の開発コンセプトに至ったという。説明会で長谷川氏は「全てのフィーチャーフォンを新世代ケータイに変えていきたい」と意気込んだ。
なお、シャープがフィーチャーフォンのユーザーを対象に行った独自調査では、次回の機種変更時におけるフィーチャーフォンからフィーチャーフォンへの買い替え意向は約30%という数字が出たという。これをMM総研による契約者数と照らし合わせると、約1,800万人ほどが今後も継続してフィーチャーフォンを使用することが見込まれるとし、同社ではこの30%(約1,800万人)をターゲット層としてAQUOS Kをアピールしていく。
中田氏は「しかし、現在のフィーチャーフォンユーザーが現行製品に満足しているわけではない。フィーチャーフォンにこだわりながら、一方でスマートフォンのようにシームレスな検索を行いたいというニーズもあるだろう。LINEアプリも、フィーチャーフォン版では通話は行えないが、スマホユーザーにあわせてトーク機能だけ使用しているシーンも多いようだ」と説明。周囲の環境の変化にあわせてもっと使いやすいフィーチャーフォンを提供するという気持ちで、AQUOS Kを開発したことを語った。本機は「スマートフォンの特徴をフィーチャーフォンに持ってくる」という思想ではなく、あくまでも「フィーチャーフォンのユーザーが満足できるようにフィーチャーフォンを進化させる」というコンセプトのもとで作り上げられたという。その結果として、上述の通り1.2GHzクアッドコアCPUの搭載や、4G LTE対応、Wi-Fiテザリング機能、専用のLINEアプリ搭載といった仕様を備えることとなった。
Android OSを採用した理由について中田氏は、「技術的にはその他のOSを使用することももちろん可能。しかしAndroidであれば、これまでに取り組んできているAndroidスマートフォン開発のベースを活かすことができる」と説明。長谷川氏は「スマホとフィーチャーフォンの開発シナジーを活かせる。開発規模を大きくせずに事業規模を大きくできる選択」とした。AQUOS Kを展開することによって、フィーチャフォン市場におけるシャープ製品のシェアを40%ほどに伸長させることが目標だという。
新世代ケータイAQUOS Kは、今回KDDIから発表されたAQUOS K SHF31が第一弾製品で、シャープでは今後、第二・第三弾製品の開発にも取り組んでいく姿勢だ。なお、AQUOS K SHF31はVoLTE非対応であるが「今後はVoLTE対応モデルも検討していきたい」とのことだった。また、KDDI以外のキャリアにおける展開については「詳細はいえない」としながらも、上述の通り長谷川氏は「全てのフィーチャーフォンを新世代ケータイに変えていきたい」と述べており、他キャリアからの展開も期待される。
説明会では、同社 常務執行役員 通信システム事業統轄 兼 通信システム事業本部長 長谷川祥典氏と、通信システム事業本部 グローバル商品企画センター 戦略企画部 部長 中田尋経氏が登壇し、新世代ケータイAQUOS K開発の狙いを語った。冒頭で長谷川氏は、「シャープがデジタル携帯電話分野に参入して20年になる。これまでに最先端のモバイル体験を提供することで時代をリードしてきたシャープが今なすべきこと、それはフィーチャーフォンを新しく生まれ変わらせることだ」と述べた。
なお会場には、1999年に登場した初のカラー液晶携帯電話など歴代のシャープ製端末が陳列され、同社による携帯電話端末開発の歩みを振り返ることもできた。
■一般的なフィーチャーフォンの約4.3倍の処理能力を確保するAQUOS K SHF31
AQUOS Kは、10キーを備えた折りたたみ式のフィーチャーフォンながらAndroid 4.4を搭載するモデル。4G LTEに対応したAndroid 4.4搭載のフィーチャーフォンが国内通信事業者から展開されるのは本機が初めてだという。
プロセッサーには1.2GHzクアッドコアCPUを搭載することにより、一般的なフィーチャーフォンの約4.3倍の処理能力を確保する。さらに4G LTE対応、Wi-Fiテザリング機能など、これまでの携帯電話にはない性能・機能を多数搭載していることが大きな特徴で、LINEなどのアプリも使用できる。
ディスプレイサイズは3.4インチ。“AQUOS”のブランド名を冠することから高精細化にはこだわっており、解像度は960×540(QHD)で画素密度は約328ppiを確保している。なおディスプレイ部のタッチ操作には対応していないが、10キー部分に静電センサーを搭載しており、ウェブブラウジング中などに10キー部をタッチ操作することで通常のスマートフォンと同じスワイプ操作やピンチイン/アウトなどが行える「タッチクルーザーUX」を備えていることもポイントとなる。
カメラは約1,310万画素で、「Night Catch」「リアルタイムHDR撮影」「美ズーム」「フレーミングアドバイザー」などの機能を備えている。
メモリは約8GB(ROM)/約1GB(RAM)。バッテリー容量は従来のフィーチャーフォンの約1.4倍となる1,410mAhとなる。スマホの省エネ技術を投入しており、従来のフィーチャーフォンの約2倍となる約620分の連続通話が可能としている。そのほか、SIMカードはnanoSIMを搭載している。
なお、Google Playには非対応でアプリのインストールはできないため、通常のAndroidスマホで使用できるアプリを全て使えるというわけではない。基本的にはLINEなど本機にプリインストールされるアプリのほか、KDDIが本機専用にカスタマイズした「auスマートパス」で本機向けに提供されるアプリのインストールのみ行えるようになる予定とのこと。
■あくまでも“フィーチャーフォンの進化”を具体化した「AQUOS K」
MM総研が発表したデータによれば、国内におけるフィーチャーフォンの契約数は2014年9月時点で約6,000万件ほど。スマートフォンとの割合はほぼ半々だという。さらに同調べによれば、スマートフォンの登場によって低減していたフィーチャーフォンの出荷台数も、2013年〜2014年度には下げ止まりの傾向を見せており、今後は年間約1,000万台ほどの市場で維持されていくとしている。
長谷川氏によれば、この年間約1,000万台のフィーチャーフォン市場に対して、「進化の止まった本体設計や通信規格を採用し続け、限定されたインターネット環境にしか対応しない製品を提供していくだけで良いのか?」という思いがあり、そこで「フィーチャーフォンを新しく生まれ変わらせる」という“新世代ケータイ AQUOS K”の開発コンセプトに至ったという。説明会で長谷川氏は「全てのフィーチャーフォンを新世代ケータイに変えていきたい」と意気込んだ。
なお、シャープがフィーチャーフォンのユーザーを対象に行った独自調査では、次回の機種変更時におけるフィーチャーフォンからフィーチャーフォンへの買い替え意向は約30%という数字が出たという。これをMM総研による契約者数と照らし合わせると、約1,800万人ほどが今後も継続してフィーチャーフォンを使用することが見込まれるとし、同社ではこの30%(約1,800万人)をターゲット層としてAQUOS Kをアピールしていく。
中田氏は「しかし、現在のフィーチャーフォンユーザーが現行製品に満足しているわけではない。フィーチャーフォンにこだわりながら、一方でスマートフォンのようにシームレスな検索を行いたいというニーズもあるだろう。LINEアプリも、フィーチャーフォン版では通話は行えないが、スマホユーザーにあわせてトーク機能だけ使用しているシーンも多いようだ」と説明。周囲の環境の変化にあわせてもっと使いやすいフィーチャーフォンを提供するという気持ちで、AQUOS Kを開発したことを語った。本機は「スマートフォンの特徴をフィーチャーフォンに持ってくる」という思想ではなく、あくまでも「フィーチャーフォンのユーザーが満足できるようにフィーチャーフォンを進化させる」というコンセプトのもとで作り上げられたという。その結果として、上述の通り1.2GHzクアッドコアCPUの搭載や、4G LTE対応、Wi-Fiテザリング機能、専用のLINEアプリ搭載といった仕様を備えることとなった。
Android OSを採用した理由について中田氏は、「技術的にはその他のOSを使用することももちろん可能。しかしAndroidであれば、これまでに取り組んできているAndroidスマートフォン開発のベースを活かすことができる」と説明。長谷川氏は「スマホとフィーチャーフォンの開発シナジーを活かせる。開発規模を大きくせずに事業規模を大きくできる選択」とした。AQUOS Kを展開することによって、フィーチャフォン市場におけるシャープ製品のシェアを40%ほどに伸長させることが目標だという。
新世代ケータイAQUOS Kは、今回KDDIから発表されたAQUOS K SHF31が第一弾製品で、シャープでは今後、第二・第三弾製品の開発にも取り組んでいく姿勢だ。なお、AQUOS K SHF31はVoLTE非対応であるが「今後はVoLTE対応モデルも検討していきたい」とのことだった。また、KDDI以外のキャリアにおける展開については「詳細はいえない」としながらも、上述の通り長谷川氏は「全てのフィーチャーフォンを新世代ケータイに変えていきたい」と述べており、他キャリアからの展開も期待される。