発売前に先行レポート
第3世代「iPhone SE」先行レビュー! 人気モデル最新版の真価とは
A15 Bionicチップには、主にAI処理を行う16コアのNeural Engineが搭載されている。その処理性能はA11 Bionicを搭載するiPhone 8より約26倍も高速化した。その真価は高橋敦氏の連載 “iPhone TIPS” で紹介している「iOS 15の翻訳機能」にもよく表れる。
翻訳機能を使うには、iOSの設定から、一般>言語と地域>テキスト認識表示を「オン」にしておこう。iPhoneのカメラを起動して、文字の被写体にレンズを向けるとフレームの端にアイコンが表示され、アイコンをタップすると文字を認識してデジタルテキストに自動変換する「ライブテキスト」が使える。
本機能は残念ながらまだ日本語テキストの自動認識には対応しないが、英語のドキュメントをiPhoneのカメラでスキャンして、素速く翻訳やウェブ検索ができるので、現時点でも便利に使える。日本語も単語単位で文字を認識して英語などに翻訳できる場合もある。これらのAI処理を伴うiOS 15の新機能が、新しいiPhone SEではサクサク動いた。
■5G対応はやはり心地よかった
5Gは日本国内でも接続エリアが徐々に広がり、高速・大容量通信のメリットが実感できる場面が増えた。
第3世代のiPhone SEが対応する5G通信はSub6周波数帯に限られ、なおかつ理論値の通信スループットはiPhone 13シリーズの4×4 MIMOよりもやや劣る2×2 MIMO対応だが、それでも4G LTEを超える通信の速度や安定感のメリットは十分にありそうだ。筆者が5Gのエリア化が完了している近所で測定したところ、下り側は100-120Mbps平均の通信スピードが安定して出せていた。
iPhone SEにはiPhone 13シリーズと同様に、5G接続時に際立った速度が得られない際、自動的に4G LTE接続に切り換えてバッテリーを節約するスマートデータモードがある。iOSの設定からモバイル通信に入り、主回線のモバイル通信プランを選択。「音声通話とデータ」から「5Gオート」を選ぶ。
おそらくデフォルトが5Gオートになっているはずだが、もし「5Gオン」や「LTE」が選ばれていると、バッテリーの減りが速くなったり、あるいは5G契約をしているのにスピードが思うように出ない場合がある。設定を確認しておこう。
■さらに長持ちするバッテリー
第3世代のiPhone SEは電力効率の良いA15 Bionicチップを搭載し、5G通信などその他のタスク処理に最適化を図った。そのため内蔵バッテリーによる連続駆動時間が先代モデルから改善されている。
新しいiPhone SEもQi互換のワイヤレス充電に対応するが、アップル独自のMagSafeはサポートしていない。ただ、純正のMagSafe充電器によるワイヤレス充電はできた。当然だが、マグネットはゆるっとして固定されず、iPhone 13シリーズのような使い勝手にはならないので注意したい。
iPhone SEにSIMカードを装着して、1日のバッテリー持ちをチェックしてみよう。なおスペック上では第3世代のiPhone SEは、第2世代機に比べてビデオ再生で約2時間、オーディオ再生で約10時間より長く連続使用が期待できるとされている。
就寝前に100%の充電を完了。起床後は95%の残量から、その日はレビューの検証も兼ねてカメラによる写真・動画の撮影や、音楽・動画コンテンツの再生、ゲームなど平時よりもヘビーめにiPhoneを使い倒してみた。
残量は夕方18時頃には40%、夜の22時頃には20%ほどになっていた。筆者が普段使っているiPhone 13 Proの方が長持ちはするものの、iPhone SEでもバッテリーの減りにさほどストレスを感じないスマホライフが楽しめそうだ。