全身タイツのダンスはご勘弁
今度は動く?マスク氏、人型ロボット披露のため「Tesla AI Day」イベントを延期【Gadget Gate】
テスラCEOのイーロン・マスク氏は、昨年に続いて開催されるAIに関するイベント「Tesla AI Day」を、予定していた8月から1か月遅らせ、9月末にするとツイートした。
マスク氏はその理由を「それまでにOptimusのプロトタイプが動くかもしれないから」としている。Optimus(またはOptimus Suprime)とは、昨年のイベント「Tesla AI Day」で発表したテスラ製ヒューマノイドロボッ「Tesla Bot」の開発コードネームだ。
発表時、マスク氏はOptimusの用途として、たとえば20kgもの重量物を運搬したり、繰り返し動作を伴う単純作業を人間に変わって行うことを挙げた。そして「2022年内のどこかでプロトタイプが完成する見込み」だと述べた。
マスク氏は、EV用のパワーエレクトロニクスおよびバッテリー技術を活用してロボットを構築し、そこにAutopilotなどで培ったAIの専門知識を投入し、ロボットに頭脳を与えると説明している。
最初は単純で反復的なタスクをこなすようにプログラムするところから始めるものの、ロボットが時間の経過とともに改善し、商用と一般向けの両方に役立つ幅広いタスクを実行可能になっていくだろうと述べている。
ただ、マスク氏が将来の見通しを語るときは、著しく楽観的なタイムラインが示されることが多い。むしろ最初に語ったとおりのスケジュールで物事が進んだ例を探すほうが難しい。
テスラ関連でも、太陽電池を利用したEV充電ネットワーク、交換式のEVバッテリー、触手のように動き自動で充電ポートにプラグインするEV充電ロボットなどは、いずれもマスク氏の発言によってニュースサイトを賑わせてきたものだが、そのどれもが、数年経ったいまも絵に描いた餅のままだ。
常識的に考えれば、発表時にマスク氏が述べたようなことを、1年やそこらでOptimusのような華奢なロボットに実行させるのは難しいだろう。
The Vergeは、マスク氏は自分にとって何か都合の悪いことがあるとき、そこから人々の目を逸らすために、センセーショナルな情報を自ら発信することがあると指摘している。
現在マスク氏に対して、Twitter買収を仕掛けるために株式9%を取得した際、定められたルールに違反した可能性について、SEC(連邦取引委員会)の調査が進行している。また、テスラ車の自動運転AI(テスラのロボットはこの自動運転AIと同じハードウェアを使うと説明されている)が、駐停車している緊急車両に衝突する事例が相次いだことについても、当局による調査が今も続いている。
一方でReutersは、ロボットの専門家であるカーネギーメロン大学のRagunathan Rajkumar教授が、危険な作業や繰り返し動作を伴う作業をさせるというのなら、Optimusのようなヒューマノイドロボットによるアプローチは完全に誤ったやり方だ」と指摘していることを数か月前に伝えている。
もちろんマスク氏には、だれもが実現困難と思っていた、自動で着陸し、再利用もできる宇宙ロケットブースターを実現させた実績がある。予定どおりとはいかなくても、また何年かの遅延を経ても、いつか本当に、人間の代わりに仕事や家事をこなしてくれるヒューマノイドロボットを実現する日が来るかもしれない。
マスク氏は今年はじめ、「今年のテスラは、Optimusの開発に集中したい」と発言していた。テスラのAI / Autopilot開発部門を率いるAndrej Karpathy氏は、テスラは世界最大のAI企業のひとつだと述べ「これほどの規模で垂直統合的にAI開発を進めている組織はないだろう」と語っている。
9月30日に延期されたTesla AI Dayで、どんな試作ロボットが見られるのかには注目したいものの、昨年のように全身タイツのペプシマンみたいなのが低クオリティのダンスでお茶を濁すのだけは勘弁して欲しいところだ。
Source:Elon Musk(Twitter)
via:Electrek, The Verge
Coverage:Reuters
マスク氏はその理由を「それまでにOptimusのプロトタイプが動くかもしれないから」としている。Optimus(またはOptimus Suprime)とは、昨年のイベント「Tesla AI Day」で発表したテスラ製ヒューマノイドロボッ「Tesla Bot」の開発コードネームだ。
発表時、マスク氏はOptimusの用途として、たとえば20kgもの重量物を運搬したり、繰り返し動作を伴う単純作業を人間に変わって行うことを挙げた。そして「2022年内のどこかでプロトタイプが完成する見込み」だと述べた。
マスク氏は、EV用のパワーエレクトロニクスおよびバッテリー技術を活用してロボットを構築し、そこにAutopilotなどで培ったAIの専門知識を投入し、ロボットに頭脳を与えると説明している。
最初は単純で反復的なタスクをこなすようにプログラムするところから始めるものの、ロボットが時間の経過とともに改善し、商用と一般向けの両方に役立つ幅広いタスクを実行可能になっていくだろうと述べている。
ただ、マスク氏が将来の見通しを語るときは、著しく楽観的なタイムラインが示されることが多い。むしろ最初に語ったとおりのスケジュールで物事が進んだ例を探すほうが難しい。
テスラ関連でも、太陽電池を利用したEV充電ネットワーク、交換式のEVバッテリー、触手のように動き自動で充電ポートにプラグインするEV充電ロボットなどは、いずれもマスク氏の発言によってニュースサイトを賑わせてきたものだが、そのどれもが、数年経ったいまも絵に描いた餅のままだ。
常識的に考えれば、発表時にマスク氏が述べたようなことを、1年やそこらでOptimusのような華奢なロボットに実行させるのは難しいだろう。
The Vergeは、マスク氏は自分にとって何か都合の悪いことがあるとき、そこから人々の目を逸らすために、センセーショナルな情報を自ら発信することがあると指摘している。
現在マスク氏に対して、Twitter買収を仕掛けるために株式9%を取得した際、定められたルールに違反した可能性について、SEC(連邦取引委員会)の調査が進行している。また、テスラ車の自動運転AI(テスラのロボットはこの自動運転AIと同じハードウェアを使うと説明されている)が、駐停車している緊急車両に衝突する事例が相次いだことについても、当局による調査が今も続いている。
一方でReutersは、ロボットの専門家であるカーネギーメロン大学のRagunathan Rajkumar教授が、危険な作業や繰り返し動作を伴う作業をさせるというのなら、Optimusのようなヒューマノイドロボットによるアプローチは完全に誤ったやり方だ」と指摘していることを数か月前に伝えている。
もちろんマスク氏には、だれもが実現困難と思っていた、自動で着陸し、再利用もできる宇宙ロケットブースターを実現させた実績がある。予定どおりとはいかなくても、また何年かの遅延を経ても、いつか本当に、人間の代わりに仕事や家事をこなしてくれるヒューマノイドロボットを実現する日が来るかもしれない。
マスク氏は今年はじめ、「今年のテスラは、Optimusの開発に集中したい」と発言していた。テスラのAI / Autopilot開発部門を率いるAndrej Karpathy氏は、テスラは世界最大のAI企業のひとつだと述べ「これほどの規模で垂直統合的にAI開発を進めている組織はないだろう」と語っている。
9月30日に延期されたTesla AI Dayで、どんな試作ロボットが見られるのかには注目したいものの、昨年のように全身タイツのペプシマンみたいなのが低クオリティのダンスでお茶を濁すのだけは勘弁して欲しいところだ。
Source:Elon Musk(Twitter)
via:Electrek, The Verge
Coverage:Reuters