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高音質ディスク“ダイレクトカットSACD”を聴く

【第1回】 エド・デ・ワールト指揮/ワーグナー「管弦楽曲集 II」

公開日 2008/11/11 14:57 山之内 正
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オクタヴィアレコードを代表する「EXTON」レーベルはオーディオマニア御用達。そのHiFiサウンドを作り出す江崎友淑氏はチェコ、オランダ、オーストラリアなど世界を飛び回る超多忙な録音エンジニアとしてつとに有名だ。


マスターから一番最初に作られたマスタースタンパーを元に制作したのが「ダクレクトカットSACD」だ
マスタースタンパーから最初に作られる数十枚のディスクは、その後にマザースタンパーから複製されたスタンパーによって何十倍、何百倍もの数量が生産される通常のディスクとは音質が異なる。音楽関係者の間ではよく知られた事実なのだが、数が少ないこともあり、そのディスクが一般の音楽ファンの手元に行き渡ることはまずあり得ない。音の違いはプレス工場によっても異なるが、一般的にはマスタースタンパーからダイレクトに作られたディスクの方が情報量やスピード感に富み、音の鮮度が高いと感じる聴き手が多い。その貴重なディスクを数量限定で販売するというのがオクタヴィアレコードの「ダイレクトカットSACD」なのである。EXTONをはじめ、同社の録音は解像度が高くレンジが広いものが多いため、その差が際立つのであろう。お気に入りの音源が出たときに一度は聴いてみることをお薦めする。今回、注目のディスクを試聴したのでそのレポートをお伝えしよう。

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