注目ビデオカメラを実機比較
ソニー「HDR-CX520V」とJVC「GZ-X900」 − コンパクトかつ高機能な両機を会田肇がテスト
■両機のインターフェースと総合評価
インターフェースは、CX520Vがタッチパネルを、X900が「新・レーザータッチオペレーション」を採用する。CX520はメニューの構成はXR520Vと同様であるが、モニターサイズを3.0型としたのに伴い、インターフェイスが変更されている。XR520Vにあったモニター横のズーム/録画ボタンはモニター内にソフトキーで用意され、lowluxボタンはメニュー内に準備された。最初に表示されるメニュー画面は最大6つまでお気に入りボタンとして設定できるのはXR520Vと同じだ。
X900の新・レーザータッチオペレーションは、画面の左横に縦方向へなぞったり、タッチすることでモニター上にある項目が選択できるというもの。なぞる方法では思うように選べないことがあったが、タッチする方法を上手に使えば、項目選びもわけなく行える。画面の下のボタンは主に新・レーザータッチオペレーションで呼び出した項目を選択するボタンとして使う。画面サイズが2.8型と比較的小さめのモニターを採用する本機としては、タッチパネルよりも使いやすいのかもしれない。
両機は付加機能についてもかなりの充実ぶりを見せる。CX520Vは、XR520VやTG5に搭載されたGPS機能を搭載し、現在地情報と地図データをリンクさせて楽しむことが可能。ハイライト機能は最大8つまで保存できるようになり、フルHD再生時は「60i」で撮影した映像を「60p」でHDMI出力できるようになっている。
一方のX900は最速600fpsのハイスピード撮影を実現したのが最大のウリ。300fps/120fpsも選択でき、画質は低下するものの、目にも止まらぬ一瞬の動きをスーパースローで再現できるわけで、機能としてはなかなか面白い。撮影映像の時間情報から瞬時に最適なグループ分けする「オートグルーピング」機能、ダイジェスト再生機能も備える。また、YouTubeへのアップロード機能、iTunesへの動画転送機能を搭載しているのも見逃せない。
■性格の異なる両機。用途に合わせて選択を
コンパクトかつ軽量なフルHDビデオカメラとしての性格は両モデルとも共通している。しかし、開発コンセプトからして両機の性格はまったく異なる。
CX520Vはビデオカメラとしてフル機能を盛り込んだのに対し、X900はデジタルカメラの延長線上にビデオカメラとしての高画質化を狙ったモデル。それはズーム倍率にも表れている。動画にしろ、静止画にしろ、画質を比較するとX900の方が上となりそうだが、ビデオカメラとしてのパッケージングを優先するならCX520Vに魅力を感じる。選択に迷いそうな両機、用途をしっかりと考えた上で最適な一台をチョイスしたい。
(会田肇)