8機種を編集部員がレビュー
いま注目のモデルはこれだ!ヘッドホンアンプ付きUSB DAC一斉テスト
■NuForce icon HDP ¥59,950(税込)
(製品データベース)
NuForceの“icon”シリーズにラインナップする、ヘッドホンアンプ/DAC/プリアンプ機能を一体化したコンポーネント。オーディオ入力はアナログRCAのほか、同軸・光デジタル、USBを備えている。デジタル入力は最大192kHz/24bit対応、USB入力は最大96kHz/24bit対応。標準タイプのヘッドホン出力と、アナログRCAオーディオ出力が搭載されている。本機に搭載されているDAC ICは、同社ハイエンドモデルの「CDP-8」と同等の性能を持つという。ヘッドホンリスニングだけでなく、ファミリー製品の「icon Amp」と組み合わせて、コンパクトなオーディオ再生システムに発展させて楽しめる。
【SPEC】●オーディオ入力:RCAアナログ、同軸デジタル、光デジタル、USB ●オーディオ出力:RCAアナログ、ヘッドホン ●全高調波歪率:0.001%(@1kHz) ●再生周波数帯域:10Hz〜100kHz(-0.5dB) ●SN比:100dB ●外形寸法:32Wmm×150H×112Dmm ●質量:約460g ●カラーバリエーション:ブラック/シルバー/ブルー/レッド ●問い合わせ先:フューレンコーディネート TEL/0120-004884
■山本
高域の音を中心に、全体的に見通しが良く澄み渡ったサウンド。高さ、および左右への広がり感も豊かで、多くのパートが重なり合うような楽曲でも、立体感に優れたサウンドが楽しめる。ロック・ポップス系の再生では少しおとなしめに感じることもあるが、一方で長時間聴き続けても疲れない点もメリットと捉えられる。
The Bee Geesはメインボーカルにコーラスがオーバーラップするパートで、声のレイヤーを丁寧に描き分ける。Lady Gagaはボーカルや低域の音がもう少しガツンと来て欲しい部分もあるが、音数の多いパートでも非常に見通しがクリアで演奏に立体感がある。Michael Jacksonはボーカルの高域がよく伸びて、ドラムスのハイハットはキレも抜群。ブラス系サウンドの煌めくような再現も見事だ。Ann Sallyはシルキーな声のタッチ。ジャズバンドの演奏は一つ一つの音が柔らかく、全体をふわりと包み込む気持ちよさがある。どんなジャンルの音楽もオールマイティにこなす実力派だが、ロック・ポップス系はギターサウンドにこだわる人はぜひ本機を一度試聴してみて欲しい。
■小澤
高域の解像感が良く、相対性理論のシンバルの刻みは小気味よくキレがある描写。ドラムのリズムもくっきりと聞こえて楽しい。ただしボーカルがやや弱め。中域のボリュームはもう少し欲しいと感じた。細かい動きのパートが複合するシェーンベルクでは各楽器の音がそれぞれきちんと分離。もともと響きが少なめの録音に、適度に響きを与えてくれる。