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8機種を編集部員がレビュー

いま注目のモデルはこれだ!ヘッドホンアンプ付きUSB DAC一斉テスト

公開日 2010/07/15 11:27 ファイル・ウェブ編集部
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■microshar μAMP109G2+ ¥OPEN(予想実売価格45,800円前後)
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microshar μAMP109G2+

μAMP109G2+の接続端子部
USB DAC機能を搭載したポータブルタイプのヘッドホンアンプ。ヘッドホンのインピーダンスは16〜600Ωまで幅広く対応している。DACが対応するサンプリングレートは48/44.1/32kHz。独自開発のリチウムイオン充電池を採用し、3〜4時間のフル充電で連続12時間の駆動を実現している。筐体全体をフラットな形状に仕上げ、ポータビリティを高めている点も本機の特徴だ。

【SPEC】●アンプクラス:A ●入力インピーダンス:10.000Ω/ch ●入力レベル:0V-3000mV (4V Max) ●再生周波数特性:5Hz〜300kHz(-0.1dB) ●入出力端子:3.5mmステレオミニジャック ●歪率:<0.00003%(5Hz - 27kHz) ●再生可能ヘッドフォンインピーダンス:16Ω〜600Ω ●外形寸法:63W×29H×80Dmm ●質量:220g ●問い合わせ先:ポーカロ・ライン TEL/03-5625-3505


■山本
ポータブルヘッドホンとしてのみ楽しみたいのであれば、同じブランドに「μAMP109G2」というモデルがあるが、本機はUSB DAC機能も搭載しているので、ぜひPCオーディオも楽しみたい。今回はステレオミニ端子経由でパワードスピーカーに接続してリスイニングを行った。クラシックのリスニングではピアノの音に深みがあって、ふくよかさが魅力。高域は適度に伸びやかで、かつ低音がずっしりと響いてくれる点も好印象だ。無音パートでは“静寂さ”も巧みに表現する。コンパクトながら描写力が高く、クラシックやアコースティック系の音楽再生に特に魅力を感じるモデルだ。

The Bee Geesはボーカルの声にハリと厚みがある。コーラスとのレイヤーは少しフラットな感じになるが、エネルギー感は上々。Michael Jacksonはパーカッションの高い音が滑らかに伸びる。ホーンセクションは適度に派手さがあり、ボーカルのハイトーンボイスと均整が取れた色鮮やかさを持ったサウンドだ。ベースのリズムも力強い。Ann Sallyは声に温かみが加わり、エネルギーが満ちてくる印象。高域の伸びも気持ち良い。ボリューム調整のほか、ベースのトーンも調整できるので低域のボリューム感がもっと欲しい場合は活用できるだろう。

■小澤
暖かみのある濃厚な音。コンパクトな筐体ながら分厚くてパワフルな音調で、ヒップホップなどに向きそうだなと感じた。シェーンベルクやショパンでは繊細さがもう少し欲しいと感じた。ただツヤツヤと鮮やかな響きの美しい高音は◎。こちらも、家でも外出先でも楽しめるコンパクトモデル。徹底的に活用したいと考える方にぴったり。


【一斉テストを終えて】

今回はヘッドホンアンプ機能を搭載するUSB DACを中心に集めて試聴した。価格・本体サイズとも比較的手軽に導入が可能な製品ばかりではないかと思う。USB DACを導入する効果については、PCのライン出力から直接パワードスピーカーにつないで聴いた状態とくらべて、明らかに情報量が豊かになり、音楽再生のレンジ感が広まる手応えを得ることができた。さらに複数のモデルを聴きくらべてみると、音づくりの傾向にも明かな違いが見えてくるし、どのモデルもコンパクトながら驚くほどのパワーを備えていることに驚かされた。

USB DACを使ってPCのオーディオソースを聴く際の利用方法はとても簡単で、USBケーブルを介してPCにつなぎ、DACのアナログ出力をオーディオ機器、またはパワードスピーカーに接続するだけで、再生環境のグレードアップが完了する。今回リファレンスのUSBケーブルにはFOSTEXの「ET-U」シリーズを使ったが、昨今はオーディオグレードにこだわったUSBケーブルが続々と製品化されている。基本の再生環境を整えたら、次段は音の良いUSBケーブルを選ぶのもPCオーディオの醍醐味と言えるだろう。高音質USBケーブルのレポートについては、また機会を改めてご紹介したい。

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