アップル製品との接続性が飛躍的に向上
マランツ「NA7004」の新機能、AirPlayの使い勝手を一足先に検証する
Wizz Appの機能をかんたんに言うと「Wi-Fiベースのリモコン」だ。電源のオン/オフに始まり、オーディオソースの選択、デジタルアウトのオン/オフ、M-DAXのレベル切り替えなど、付属のリモコンとほぼ同等の機能をタッチパネルで操作できる。各種設定を行うMENUボタンがない、有機ELパネルの明るさを調整するDIMMERボタンがないなど、若干の違いはあるものの、NA7004を操作するには十分だ。
むしろ標準装備のリモコンより優れている点が多い。たとえば、ソースにiOSデバイスを接続している場合、再生中の曲のアルバムアートワークを表示できる。本体の有機ELパネルにはアートワークを表示できないので、Wizz Appならではの機能といえる。
電源ボタンにしても、本体受光部に狙いを定める必要がなく、Wi-Fiの通信圏内であれば足りるため、WAKE ON LAN的な使い方も可能だ。自宅にVPNサーバを設置していれば、外出先からNA7004をオン/オフすることもできる。
ただし、御世辞にもブラウジングがスピーディーとはいえない。いちどに表示できる情報は5行まで、内容の更新は行単位のスクロールではなく、ページのアップダウンという形式になる。しかも操作がNA7004に伝わるまでに数秒のタイムラグがある。
なお、Wizz Appと同等の操作はWebブラウザからも実行できる。メニュー画面で「Network」→「Network Info」の順に選択してIPアドレスを確認し、そのIPアドレスをWebブラウザのURLバーへ入力すれば準備完了だ。ユーザインターフェイスが簡素すぎるため、ユーザの「その気」を削ぐ感も否めないが、ブラウジング速度では上回る。名より実を取る場合には、こちらを選択するといいだろう。
また、DMCとして使えるアプリは「plugplayer」など、ほかにもサードパーティー製のものが多数提供されているので、これらを使うことも検討してみよう。
■AirPlayを検証する
NA7004は、ファームウェアアップデートによりiOS 4.2の新機能「AirPlay」に対応する。当初11月中にも有償で実施(5,250円/税込)される予定だったが、その後最終確認作業を理由に延期され、12月24日現在提供されていない。今回試用したのは正式公開前のバージョンであり、実際に提供されるものとは機能が異なる可能性があることを了承いただきたい。
なおAirPlayの詳細については、『仕組みからパケット分析まで ー iOS 4.2で登場した「AirPlay」の深奥に迫る』で解説している。