ユーザー宅直撃企画第3弾!
DAIKENの防音/調音製品はリフォームにどう活用できるのか!? − シアタールームができるまでを徹底レポート!
■DAIKEN製品の効果は!? − 防音能力を徹底計測 |
それでは、こうして完成したシアタールームの要所要所に配置されたDAIKEN製品はどのような効果を発揮しているのだろうか。その効果を確認するべく、DAIKENスタッフが機材を持ち込み測定に臨んだ。
測定を行ったのは、これまでにも本企画にたびたび登場している大建工業(株)建築音響部サウンドセンターの井上氏。測定方法は、シアタールーム内でピンクノイズを大音量再生し、部屋の外から音の漏れをチェックするというものだ。
測定は下記の図にある4箇所で実施。その結果が次の表とグラフだ。
この結果に対し、まず井上氏は「田中さんの説明にもあったように、このシアタールームはDAIKENの基準で言うところのA防音が基本になっています。遮音性能は500Hzで40dB前後の構成です」と遮音性能の前提条件から説明。「その上で測定結果を見てみると、すべての観測点において満足される結果となっています。しかも周波数によってはかなり上回っていることも確認できますね」と言葉を続け、「この部屋は防音構造を既存の壁の上に施工していることもあり、既存部分の遮音性能がプラスアルファの性能アップに繋がったのでしょうね」と分析する。
そして、防音ドア近くでの測定においては「製品のスペックをめいっぱいまで引き出しています。よほどしっかり設計・施工してもらわないとなかなかこういう結果は出ませんよ」ともコメント。製品の性能をほぼ100パーセント引き出せていることに驚きの表情を見せた。
防音ドア「S00」や防音壁材「オトカベ L80」といったDAIKEN製品をうまく活用しながら防音/遮音を測れているという結果に、取材班の“測定欲”はますます加速。1階にあるシアタールームから2階への音漏れ具合をチェックするべく、急遽、普段はNさんの息子さんが使っているという部屋へもお邪魔することに。防音天井材「オトテン(モダン)」の効果も確認しようというわけだ。
しかしやはりここでも良好な測定結果であることが判明。実際にほとんど音が伝わってきておらず、わずかに床が振動していることによって階下で大音量が鳴っていることに気付くというレベルで、同席した取材班もその効果の高さを実感する結果になった。
予想以上の結果に驚く取材班。音漏れについてはNさんも「家族がほかの部屋にいるときにシアタールームで映画を観ていたりしても、文句を言わることはありません」と語り、防音性能の高さを実感している様子を見せてくれた。
遮音性能測定に続いては、シアタールーム内の残響時間も計測。まず井上氏は「計算をすると、この部屋の容積は約54m3ですので、理想的な残響時間はライブで0.51秒、デッド気味にするのであれば0.29秒となります」と説明。
また、「Nさんの用途は多チャンネル再生によるホームシアターなので、響きは機器がコントロールします。従って、部屋自体はこのコントロールをジャマしないように響きを短めにすることが理想です」と言葉を続ける。
■測定結果データ
測定周波数(Hz) | 125 | 250 | 500 | 1000 | 2000 | 4000 |
スクリーンを使用しない場合 | 0.31 | 0.27 | 0.25 | 0.27 | 0.29 | 0.33 |
スクリーンを使用した場合 | 0.37 | 0.27 | 0.28 | 0.25 | 0.30 | 0.29 |
(低音域) | (中音域) | (高音域) |
そして計測結果については「低音域から高音域までフラットな特性で、この部屋の理想残響時間である0.29秒にほぼなっていることが確認されました」とコメント。「またスクリーン使用時はよりフラットな特性になっていることも確認され、とても音響バランスの取れた音響空間であることが裏付けられました」とも説明。設計における田中氏の狙いが着時に実現されていることがデータ上でも明らかになり、こうしたシアタールーム作りにはDAIKEN製品を用途や好みに合わせ、的確な配置に設計することの重要性が改めて確認できる取材となった。