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ユーザー宅直撃企画第3弾!

DAIKENの防音/調音製品はリフォームにどう活用できるのか!? − シアタールームができるまでを徹底レポート!

公開日 2011/08/29 13:35
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■DAIKEN製品の効果は!? − 防音能力を徹底計測


それでは、こうして完成したシアタールームの要所要所に配置されたDAIKEN製品はどのような効果を発揮しているのだろうか。その効果を確認するべく、DAIKENスタッフが機材を持ち込み測定に臨んだ。


測定のためにDAIKENが持ち込んだ機材。大音量のピンクノイズを鳴らして音漏れをチェックするなどした
測定を行ったのは、これまでにも本企画にたびたび登場している大建工業(株)建築音響部サウンドセンターの井上氏。測定方法は、シアタールーム内でピンクノイズを大音量再生し、部屋の外から音の漏れをチェックするというものだ。


防音ドア「S00」の効果を測定する井上氏
測定は下記の図にある4箇所で実施。その結果が次の表とグラフだ。

4箇所で遮音性能測定を実施





この結果に対し、まず井上氏は「田中さんの説明にもあったように、このシアタールームはDAIKENの基準で言うところのA防音が基本になっています。遮音性能は500Hzで40dB前後の構成です」と遮音性能の前提条件から説明。「その上で測定結果を見てみると、すべての観測点において満足される結果となっています。しかも周波数によってはかなり上回っていることも確認できますね」と言葉を続け、「この部屋は防音構造を既存の壁の上に施工していることもあり、既存部分の遮音性能がプラスアルファの性能アップに繋がったのでしょうね」と分析する。

そして、防音ドア近くでの測定においては「製品のスペックをめいっぱいまで引き出しています。よほどしっかり設計・施工してもらわないとなかなかこういう結果は出ませんよ」ともコメント。製品の性能をほぼ100パーセント引き出せていることに驚きの表情を見せた。


防音ドアの性能を引き出すための微調整も
防音ドア「S00」や防音壁材「オトカベ L80」といったDAIKEN製品をうまく活用しながら防音/遮音を測れているという結果に、取材班の“測定欲”はますます加速。1階にあるシアタールームから2階への音漏れ具合をチェックするべく、急遽、普段はNさんの息子さんが使っているという部屋へもお邪魔することに。防音天井材「オトテン(モダン)」の効果も確認しようというわけだ。


2階の部屋に上がり、階下にあるシアタールームからの音漏れ具合を測定

シアタールーム隣の和室でも測定を実施
しかしやはりここでも良好な測定結果であることが判明。実際にほとんど音が伝わってきておらず、わずかに床が振動していることによって階下で大音量が鳴っていることに気付くというレベルで、同席した取材班もその効果の高さを実感する結果になった。

予想以上の結果に驚く取材班。音漏れについてはNさんも「家族がほかの部屋にいるときにシアタールームで映画を観ていたりしても、文句を言わることはありません」と語り、防音性能の高さを実感している様子を見せてくれた。

遮音性能測定に続いては、シアタールーム内の残響時間も計測。まず井上氏は「計算をすると、この部屋の容積は約54m3ですので、理想的な残響時間はライブで0.51秒、デッド気味にするのであれば0.29秒となります」と説明。

また、「Nさんの用途は多チャンネル再生によるホームシアターなので、響きは機器がコントロールします。従って、部屋自体はこのコントロールをジャマしないように響きを短めにすることが理想です」と言葉を続ける。

  ■測定結果データ
測定周波数(Hz)125250500100020004000
スクリーンを使用しない場合0.310.270.250.270.290.33
スクリーンを使用した場合0.370.270.280.250.300.29
 (低音域)(中音域)(高音域)


残響測定結果のグラフ。「ややデッド気味に」という当初の狙い通りにシアタールームが完成したことがデータからも裏付けされた


そして計測結果については「低音域から高音域までフラットな特性で、この部屋の理想残響時間である0.29秒にほぼなっていることが確認されました」とコメント。「またスクリーン使用時はよりフラットな特性になっていることも確認され、とても音響バランスの取れた音響空間であることが裏付けられました」とも説明。設計における田中氏の狙いが着時に実現されていることがデータ上でも明らかになり、こうしたシアタールーム作りにはDAIKEN製品を用途や好みに合わせ、的確な配置に設計することの重要性が改めて確認できる取材となった。

■大橋伸太郎が考える「DAIKENの防音/調音」とその方向性

東京・秋葉原の大建工業ショールームには、同社の提案する「サウンドアメニティ」を見事に具体化したホームシアタールームが存在しています。住宅関連部材メーカーは数多くありますが、都心の目抜き通りに誰もが体験可能なホームシアターを常設しているメーカーは数少ないことでしょう。

DAIKENのサウンドデザインシステムは、防音、創音、音響の3つの要素から成り立っています。3要素の比重を変えることで、B(ベーシック〜暮らしの中の防音)、A(アドバンス〜音を楽しむハイレベル音)、S(スペシャル〜オーダーメイド防音)の3グレードの音空間が生まれました。DAIKENが初めて成し得た日本の住宅事情への洞察力に満ちた提案であると言えます。

秋葉原にある東京ショールームではこの3グレードすべてが体験可能です。ただ、グレードが上がるほど単に防音性能が上がっていくと考えてしまいがちですが、DAIKENの防音はそれだけでは終わりません。例えば、S防音では<響き>を殺すのでなく、コントロールして心地よいものに変えて活かしていくのです。

DAIKENの防音部材は住宅を構成する要素、天井(オトテン)、壁(オトカベ)、床(オトユカベース、遮音マット)、施工部材、ドアから換気システムに到るまで全てに渡っています。それらは最初から<防音・遮音>を目的に理詰めで開発され、しかもその上で響きを美しく整える余地を与えられています。つまりあとから機能を付け足すのでなく、始めから“良い音のベース”を持ち、才能の発揮を待つ部材たちなわけです。

さらに、DAIKEN独自の調音部材もここに加わります。S防音のショールームの場合、オトテン、防音ドア(AH1)、床(DADスペース)といった基本部材が部屋のS/Nを上げ、四囲にさりげなく設置した「サウンドデザインウォール」が音を休みなく調律するのです。

具体的には、スピーカーシステムの再生音の部屋の対向面への反射を吸収しています。これで反射波(フラッターエコー)や定在波(同一波長の干渉でピーク、ディップ〜再生周波数帯域上の凹凸)の発生を抑止しているわけです。

この場合、音は消失するわけでなく、サウンドデザインウォール内部でレベルを大幅に下げ、巧みに指向性を拡散し、放射されています。冒頭に紹介した通り、<殺す>のでなく<整える、活かす>という方向です。

防音室で長時間を過ごしてかえって落ち着かない気分になった経験がないでしょうか。音を殺しただけの単純な防音、遮音は人間を逆に不安にさせます。DAIKENのコンセプトは従来のそれらと異なった着想の産物であると言えるでしょう。

DAIKENの着想の中心には、音(響き)を制することで初めて人間の心地よい生活が生まれるという認識があるように思います。それに<響きの感性>が加わってこの音響部材と防音ルームが生まれたのでしょう。かつてどの住宅メーカーにも、そして音響部材メーカーにもできなかった提案と言えるでしょう。DAIKENでは今回の取材先であるN邸のように専用室・防音室を、用途、好みにあわせて「音の相談・設計」を定期的に防音相談会として実施しています。

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