独自技術が満載の注目モデル
B&W初のイヤホン「C5」の実力とは? 装着感から音質まで徹底レビュー
■装着感を高める「セキュア・ループ・デザイン」
もうひとつ目が留まるのは、筐体からくるりと伸びたループだ。これは「セキュア・ループ・デザイン」と呼ばれており、これが耳の内側のくぼみにフィットすることで、本体を耳に快適に確実に固定する。
似たようなフィット機構を持ったイヤホンは他に例がないわけではないが、本機のこの機構は、ケーブルをそのまま利用してループにするというアイデアが見事だ。ループの根元が固定されておらず、そこを伸び縮みさせることで耳の大きさに合わせてループの径を調整できるというのも大変合理的だ。
効果も確かで、ループの大きさを適当に調整して耳にうまくはめ込むと(それには少し慣れが必要だったが)、安定した装着感が得られる。もちろん装着が安定することで、音質にも好影響となるはずだ。
そして、イヤーピースを外すと現れる内部ケースは金属製。しかも金属の中でも硬度が高く比重が重いタングステンが使われている。戦車の装甲をも貫通する、いわゆる徹甲弾にも使われている金属と言えば、その硬さと重さのほどがお分かり頂けるだろう。
音質面にも貢献しているとは思うが、主な狙いは重量バランス調整とのこと。装着時の重心を内側に寄せることで、セキュア・ループ・デザインとあわせて、装着の安定を狙っているわけだ。
なお他の特長としてはiPhone/iPod対応のリモコン・マイクの搭載が挙げられる。ユーザーにとっては大きなポイントだ。
ではいよいよ、その音を確かめていこう。まずは、鮮烈な音像が特徴的なピアノトリオ作品、Helge Lien Trio「Hello Troll」から。