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テレビの「真の力」を発揮できていますか?

タダで画質が“もっと”良くなる! テレビの「画質調整」実践テクニック【中級編】

公開日 2011/09/22 16:57 鴻池賢三
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●RGB ゲイン/カット


RGBそれぞれのガンマを独立して調整する項目で、色温度の厳密な調整に使用する。ゲインはドライブと呼ばれたり、カットはカットオフと呼ばれるケースもある。本来、精密な調整には測定器が必要なので、ここでは仕組みや整方法をざっくり把握して頂ければ充分だ。

まず、図1-Aはグレースケールと呼ばれ、黒色から白色までを段階的に並べたチャートだ。

グレーや黒は“色”と考えられるが、厳密には無彩色と呼ばれ、テレビにおいては、基準となる白の、輝度のバリエーションに過ぎない。

ここで前回解説した”色温度”を思い出して欲しい。白の色味を調整する項目と紹介したが、輝度のみが違う黒やグレーも色温度は同じであるのが本来の姿だ。

図1-BのようにRGBのガンマが整っていれば、図1-Aのようにテレビ画面の映像は黒から白まで色温度が一定で、色付きのない映像表現が可能となる。

一方、出荷時あるいは光源の経時変化により、RGBのガンマが狂うケースも考えられる。

例えば図2-BのようにRGBのガンマが狂うと、図2-Aのように、暗部では赤味が強く、明部では緑味が強い映像になる。実際の映像では、同一画面内でも、暗部と明部で色味が異なって表示されてしまったり、シーンチェンジで輝度が変わると、色味や印象が大きく変わってしまうなどの問題が生じる。

表中の「カット」と「ゲイン」は、それぞれのおおよその調整位置である。この2点でRGBガンマを図1-Bのように整えれば、画面は図1-Aのように改善できる。

調整に際しては測定器による色温度の計測が不可欠だが、目視でも調整したい例としては、使い古して映像が緑味を帯びたプラズマテレビが挙げられる。B(青)の蛍光体が劣化して輝度が下がり、画面全体が緑を帯びた映像になるケースがある。こんなときはB(青)とR(赤)のゲインを持ち上げると改善できる。

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