テレビの「真の力」を発揮できていますか?
タダで画質が“もっと”良くなる! テレビの「画質調整」実践テクニック【中級編】
●RGB ゲイン/カット
まず、図1-Aはグレースケールと呼ばれ、黒色から白色までを段階的に並べたチャートだ。
グレーや黒は“色”と考えられるが、厳密には無彩色と呼ばれ、テレビにおいては、基準となる白の、輝度のバリエーションに過ぎない。
ここで前回解説した”色温度”を思い出して欲しい。白の色味を調整する項目と紹介したが、輝度のみが違う黒やグレーも色温度は同じであるのが本来の姿だ。
図1-BのようにRGBのガンマが整っていれば、図1-Aのようにテレビ画面の映像は黒から白まで色温度が一定で、色付きのない映像表現が可能となる。
一方、出荷時あるいは光源の経時変化により、RGBのガンマが狂うケースも考えられる。
例えば図2-BのようにRGBのガンマが狂うと、図2-Aのように、暗部では赤味が強く、明部では緑味が強い映像になる。実際の映像では、同一画面内でも、暗部と明部で色味が異なって表示されてしまったり、シーンチェンジで輝度が変わると、色味や印象が大きく変わってしまうなどの問題が生じる。
表中の「カット」と「ゲイン」は、それぞれのおおよその調整位置である。この2点でRGBガンマを図1-Bのように整えれば、画面は図1-Aのように改善できる。
調整に際しては測定器による色温度の計測が不可欠だが、目視でも調整したい例としては、使い古して映像が緑味を帯びたプラズマテレビが挙げられる。B(青)の蛍光体が劣化して輝度が下がり、画面全体が緑を帯びた映像になるケースがある。こんなときはB(青)とR(赤)のゲインを持ち上げると改善できる。